これだけでざっくり分かる!病院が処方するダイエット薬・肥満治療薬

飲むだけでカンタンに痩せられる!無理な食事制限もつらい運動もせずに、普段どおりの生活を続けながら痩せられる!そんなキャッチフレーズ付きで、テレビや雑誌でもダイエット薬が取り上げられる機会が増えてきました。

本当に効くダイエット薬、肥満を解消する効果があるダイエット薬は存在するのでしょうか?

本当に効く!病院が処方するダイエット薬・肥満治療薬

実は医療用の成分を含むダイエット薬は数多く開発されています。

有名どころでは、ダイエット外来や肥満症治療の専門外来で処方されるサノレックス、国内では未承認ながら美容外科が独自に処方しているゼニカルなどがあります。これら以外にも、国内外を含め、たくさんの医療用ダイエット薬が開発されているのです。

このページではダイエット外来や肥満症治療の専門外来で行われるメディカルダイエットをベースに、効果が実証されている医療用のダイエット薬・肥満治療薬を紹介していきます。

肥満治療のダイエット薬はあくまで食事療法や運動療法の補助

まずはダイエット外来や肥満症治療の専門外来で行われる肥満治療について、簡単に要点だけおさえておきましょう。

メディカルダイエットの5ステップ

日本国内の医療機関において、医師の管理のもとに行われるメディカルダイエット(肥満症治療)は、主に5つの手順で行われます。

  1. 食事療法
  2. 運動療法
  3. 行動療法
  4. 薬物療法
  5. 外科的治療法

ダイエット薬による薬物療法はあくまで補助

5つ治療法のなかでも基本となるのは、摂取カロリーの削減を目的とした食事療法、消費カロリーの増加を目的とした運動療法です。

食事療法と運動療法を計画的に進め、さらにリバウンドしない適切な食生活が習慣付くように改善する治療が行動療法です。日常生活のなかで肥満と結びついていた行動を改善する、具体的な生活指導を行います。

食事療法と運動療法と行動療法。肥満症治療の3つの柱に対して、あくまで補助的な手段として用いられるのが、ダイエット薬・肥満治療薬と呼ばれる医薬品を使った薬物療法です。

ダイエット薬・肥満治療薬に健康保険が適用される条件は?実際どうなの?

2015年現在、日本国内で製造の承認が取れているダイエット薬・肥満治療薬は、2種類です。(※オブリーンは、2015年末時点、保険適用の審査でストップしているため発売時期は未定)

  1. マジンドール(商品名:サノレックス)
  2. セチリスタット(商品名:オブリーン)

ただし医学的に「肥満」と認定されなければ、これらの薬物療法に対して健康保険は適用されません。

病院で肥満と診断される条件は超シビア!

薬物療法の対象となる患者には厳しい基準が設けられています。これは患者が安易にサノレックスなどの薬物療法に依存してしまわないよう、また美容目的の肥満治療が横行しないよう、防波堤のような役割を果たしています。

対象となるのはダイエットをしてもリバウンドなどを繰り返してしまい、目的とする減量が確実に得られる見込みのない患者や、減量が十分達成できず、合併症の危険のため早急な減量が必要な患者です。

その他には糖尿病、高血圧、脂肪肝、高脂血症、冠動脈疾患、脳血管症、高尿酸血症(痛風)などの複数の疾患が合併症として起こった場合に限って、減量を目的に薬物治療が行われます。

サノレックス錠に保険が適用される条件

オブリーン錠に保険が適用される条件

一部の美容外科では、保険が適用されない高額な自由診療で、ダイエット薬の処方が行われている

肥満の診断やダイエット薬の処方は、内科や内分泌代謝科、肥満外来などを開設する病院で行われます。しかし実際のところ、内科以外の診療科でも処方は可能です。美容外科や美容皮膚科を標榜する病院でも、ダイエット薬を処方できます。

一部の美容外科では自由診療でサノレックスが処方されます。肥満の条件に該当しない患者でも処方が受けられますが、肥満治療とは別モノと考えたほうがいいでしょう。

実際に肥満薬について調査した2008年の資料では、BMI 35 以上の日本人は実に 0.2% しか存在しないとう結果が出ています。欧米に比べると、医学的に肥満と認められるような患者数は、圧倒的に少ないのです。

国内で承認されているダイエット薬はサノレックスのみ!海外のダイエット薬は?

2015年時点で、日本国内で厚労省から承認を得ている肥満治療薬、また海外で使用されている肥満治療薬、現在開発されつつある肥満治療薬をまとめました。

食欲抑制薬

  • セロトニン系
    1. マジンドール / Mazindol(商品名:サノレックス)
    2. シブトラミン / Sibutramine(商品名:メリディア, リダクティル)※2010年に米国で発売中止
    3. フェンフルラミン / Fenfluramine
    4. フェンテルミン / Phentermine

熱産生亢進作用薬

  • β-アドレナリン受容体促進剤
  • エフェドリン / Ephedrine
  • カフェイン / Caffeine

中枢性摂食調節物質

  • タンパク、ペプチド系
    1. レプチン / Releptin
    2. ニューロペプチドY / NPY
    3. ペプチドYY / PYY
    4. カンナビノイド受容体拮抗薬(CB1R拮抗薬)

消化吸収阻害薬

  • リパーゼ阻害剤
    1. オルリスタット / Orlistat(商品名:ゼニカル)
    2. セチリスタット / Cetilistat(商品名:オブリーン)
    3. オレスタ

風邪などの疾患に比べ、肥満の治療薬は種類や数が少ないことが分かります。医薬品による肥満の治療は、まだまだ発展途上の分野です。

ダイエット外来(肥満外来)や美容外科で手に入るダイエット薬や肥満治療薬について、医薬品ごとにさらに詳しく解説していきます。

  • マジンドール / Mazindol(サノレックス)
    サノレックスは高度肥満症の患者に処方されるダイエット薬・肥満治療薬です。
    脳の食欲中枢に直接作用することで、食べたいという欲求を抑える、食べても少しの量で満腹と感じやすくなる、中性脂肪が燃焼しやすくなるという特徴があります。
    サノレックスは睡眠薬や鎮静剤と同じように、向精神薬に分類されます。服用期間が最長でも3カ月までと制限が付いていることからも分かるように、長期間の服用によって薬物依存症を起こしやすいことが報告されていています。
  • オルリスタット / Orlistat(ゼニカル)
    ゼニカルは食事に含まれる脂肪の吸収を抑えるダイエット薬・痩せ薬です。
    胃や小腸にある脂肪分解酵素(リパーゼ)の働きをブロックすることで、食事の脂肪が体内に吸収されることを防ぐ特徴があります。低カロリーの食事とゼニカルを併用することで、ダイエットによるリバウンドのリスクを下げる効果もあります。
    ゼニカルは米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けた医薬品ですが、日本国内では保険が認可されていない未承認医薬品にあたります。