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2008年08月26日
『歯の汚れを落としたいんです』
『ホワイトニングをしたいんです』
『歯石を落としてください』
歯医者には、こういう訴えをする患者さんが、大勢見えます。
一言で言うと、歯の色を白くしたいという要望です。
実は歯の汚れは、大雑把に言って3種類あり、その処置方法は、それぞれ異なります。
①歯の表面についた汚れ:歯垢、歯石、色素着色等
②歯の内部についた汚れ:歯の変色
③歯に穴が開き、そこに汚れがついたもの:虫歯
其々の治療法を大雑把に言うと、こうなります。
①歯垢、歯石、色素沈着の除去 → 歯石除去
②変色した歯の漂白 → ホワイトニング
③虫歯の処置 → CR充填などの虫歯の治療
患者さん側が、歯の汚れをとるという行為を全てホワイトニングと思ってらっしゃいます。
『歯を綺麗にする』=『歯を白くする』=『ホワイトニング』と考えるのは、極めて当然です。
しかし、実際に歯科治療でホワイトニングといいますと、歯の内部に染み込んだ色素を除去する作業を指します。
専門用語に入る単語ですので、患者さんが細かいことを知らないのは当然です。
ちなみに、基本的に①と③は保険適用の治療ですが、②は適用外の治療になります。
これから、数回かけて、歯の汚れとその治療法についてお話しようと思います。
今回は、歯の汚れの中で、①に分類した歯の表面についた汚れについてお話しようと思います。
まず、貴方がご飯を食べる姿を考えてください。
よく噛んで飲み込みますが、食べカスが口の中に残ります。
その食べカスを唾液で溶かし、処理していきます。
この際、唾液の中には、ばい菌が大量に含まれています。
これは、口腔常在菌といい、基本的に無害の存在です。
口腔常在菌は食べカスの分解を補助してくれます。
今風の言い方をすると、口腔常在菌が『醸すぞー!』と、食べカスを分解していくのです。
食べてから数十分から数時間で、食べカスの多くは分解されいきます。
その結果、食べカスの残り、口腔常在菌、口腔常在菌の産出物の混合物ができあがります。
これが歯垢です。
下世話な言葉で書くと、『歯クソ』です(^^;。
この歯垢の段階でしたら、歯磨きで落とせます。
ただ、どんなに上手く歯磨きをしても、50%しか落とせないというデータがあります。
この上に、歯間ブラシやデンタルフロスなどを用いても、3割前後の食べカスが残ると言われています。
それでは、取り除けなかった食べカスのなれの果ては、どうなるのでしょうか。
諸説ありますが、一般的には、唾液中のカルシウムやリンが結合し、石灰化すると考えられています。
この石灰化した歯垢のことを、歯石と読んでおります。
この歯石が、歯の表面につく汚れの大本になっております。
ちなみに、一度着いた歯石は歯ブラシでは取り除くことができません。
歯医者へ行って、専用の道具を用いないと、取り除くことは困難です。
歯石が歯の表面についていると、ばい菌の温床になります。
海の中にある珊瑚礁が、魚の住処になるようなものです。
これを放置しておくと、悪性のばい菌が繁殖し、歯周病の原因となります。
また、それ以前に、ばい菌が繁殖する環境はとっても不潔です。
歯石がなければ、歯の表面には、直接汚れが着くことは、まずありません。
しかし、歯石が存在し、そこに住むばい菌が産出する多糖体は、汚れをひきつけます。
言い換えると、歯石がつくと、ドンドン汚れがついて行くのです。
歯の表面に着く歯石は、基本的には白色です。
ですが、歯石の上に汚れが付いていくと、ドンドン黒くなっていきます。
イメージ的には、フローリングの床を想像してください。
ピカピカに磨いてあれば、汚れはすぐ気がつき、除去できます。
ですが、掃除を怠り、ホコリまみれになったらどうでせう。
ゴミは増えてく一方になるでせう。
それと同じです。
こうして着いていく歯の汚れですが、着きやすい物が二つあります。
茶渋と煙草のヤニです。
茶渋といいましたが、緑茶だけでなく、紅茶や珈琲といったものも汚れがつきます。
仕事中に煙草を吸いながら珈琲を飲む様な方は、自ら進んで歯を汚していると言ってもいいと思います。
ともあれ、茶渋と煙草のヤニなのですが、着く場所に特徴があります。
具体的には、茶渋は主に下の歯の内側に着きます。
煙草のヤニは、主に上の歯の内側に着きます。
理由は、お茶が液体で、煙草の煙が気体だからです。
逆を言えば、煙草のヤニが下の前歯の外側に着いていたりする場合は、次の二つの可能性があります。
(1)噛み合わせや食べ方に問題があり、口の中の食べ物の流れがおかしくなっている。
(2)汚れが着きすぎていて、遂には外側にまで及んでしまった。
大概は、両方ともです(^^;。
どちらにしろ、お口を開けて、複数の歯が黒く着色していたら、その原因は煙草の呑み過ぎかお茶の飲み過ぎだと思っても、まず間違いがありません。
歯石そのものも問題ですが、歯石についた汚れは、もっと問題です。
レストランへ行って、出された料理の汚れが付いていたら、嫌じゃありませんか?
歯石や、歯石についた歯の汚れは、貴方が食べたご飯の食べカスのなれの果てです。
その上に、茶渋や煙草のヤニまでついています。
しかも、ばい菌の温床です。
歯の表面にそういったものが、いっぱい着いているのです。
それで、ご飯が美味しく食べれますか?
少なくとも煙草のヤニの刺激は、舌を麻痺させ味を感じる機能を低下させることは、間違いありません。
更に言うと、歯石が一杯ついているということは、口の中のばい菌の数が多いことを意味します。
ばい菌は、食べカスを食べて様々な物質を産出します。
朝起きたとき、口の中に嫌な味がしませんか?
それは、夜、貴方が寝ているうちに歯石についているばい菌が、大活躍した証拠です。
ばい菌が『醸すぞ~!』と、頑張った結果です。
言い換えると、歯石を徹底的に取らないと、朝さわやかな目覚めを迎えることができません。
鏡を見て、歯の裏側が黒かったら、一度歯医者へ行ってみてください。
次回は、具体的に歯石をどう取るか、お話しようと思います。
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