「血液型ダイエット」は本当に効果があるのか 栄養の専門家による考察



アトキンスダイエットをはじめ、世界にはダイエットに関する様々な情報で溢れています。

その中でも有名なダイエット方法の一つが「血液型ダイエット」で、登場してからおよそ20年が経過した今も多くの人々はこのダイエット法を続けています。

20年もダイエット界に居座り続けるにはそれ相応の効果があるのかと思われますが、本当に「血液型ダイエット」には効果があるのでしょうか。

栄養の専門家達によるブログ「Authority Nutrition」はこの血液型ダイエットについてエビデンス(根拠)に基づいた考察を行っています。


The Blood Type Diet: An Evidence-Based Review
http://authoritynutrition.com/the-blood-type-diet-review/


血液型ダイエットとは


血液型ダイエットは1996年、自然療法医師として知られるPeter D’Adamo博士によって提唱された、食事療法(食餌療法)の一つです。

博士の著書「Eat Right 4 Your Type(日本語版はこちら)」は発売当初からベストセラーとなっており、現在でも大きな人気を獲得しているダイエット本の一つです。

この本の中で博士は、個人に最適なダイエット食は人間の血液型であるABO式血液型に依存していることを主張しており「それぞれの血液型は私達の先祖の遺伝形質を表している。」ことを理由として述べています。


血液型ダイエットにおける分類


それでは血液型ダイエットは血液型別にどのようなダイエット方法を推奨しているのか、以下に記述していきます。




A型


A型の人々は農耕民族と呼ばれています(英語ではagrarian及びcultivatorと呼ばれる)。

A型の人々に推奨されているの食品は野菜で、肉類は太りやすいので食べてはいけないとされています。

これは厳密に言うと菜食(ベジタリアン)に似ています。


B型


B型は遊牧民(nomad)と呼ばれています。

これらの人々は植物やほとんどの肉(鶏肉と豚肉は禁止)を食べることができ、またいくつかの乳製品を食べることができます。

しかし、彼らは小麦やトウモロコシ、レンズ豆、トマトなどの食品は摂取を控えるように言われています。


AB型


AとBが混ざったAB型の民族は謎であり、英語でもenigmaと呼ばれています。

血液型ダイエットではA及びBがミックスされたタイプとなっており、彼らは魚介類、豆腐、乳製品、豆類や穀物を食べることが出来ます。

そして避ける必要がある食品としてインゲン豆、トウモロコシ、牛肉や鶏肉があります。


O型


狩猟民族(hunter)と呼ばれています。O型の人々は肉、魚、鶏肉、特定の果物や野菜を食べることが出来ますが、穀物や豆類、乳製品を避ける必要があります。

いわばこれは高タンパクの食事であり、原始人食を推奨したパレオダイエット(Paleolithic diet)に似ています。


血液型ダイエットの効果はあるのか





結論から言うと、血液型ダイエットで提唱されている方法は効果があります。

しかし、実際には血液型が何であれ、ほとんどの人にはこのダイエット法で勧められている食事自体が有効でしょう。

理由は血液型ダイエットにて推奨されている食品で、これら食品にはジャンクフードが一切含まれていないため、血液型に関係無く健康上の利点があると考えられます。


血液型ダイエットの論点の一つ「レクチン」


血液型ダイエットで論争の的となっているのがレクチン(lectin)と呼ばれる、タンパク質に関連する物質です。

レクチンは糖の分子に結合し得るタンパク質の多様な物質なのですが、これには栄養阻害の効果を持つと考えられており、腸の内壁にマイナスの影響を与えることがあります。

血液型ダイエット理論によれば、多くのレクチンはABO血液型に推奨された食事に含まれており、血液型別に分けられた食事を採らない場合(レクチンが合わない種類を食べること)は赤血球の凝集反応に繋がる可能性(健康被害の可能性)があるとD’Adamo博士は主張しています。

実際に未調理のマメ科植物において、レクチンが特定の血液型に特異的な活性が働き、凝集反応を起こすという証拠が存在しています。

例えば、生のライマメは血液型がA型の人々にだけ赤血球と作用する事が確認されています。




しかしながら、このレクチンによる凝集反応の大部分は全ての血液型と反応します。

すなわち、レクチンによる影響は一部の生のマメ科植物の種類を除いて効果は同じとなっています。

けれどもほとんどの豆類は消費する前に、茹でるあるいは炒める等で調理されているため、有害とされるレクチンはそれにより破壊されています。

過去にイギリスにて赤インゲンによる中毒症状が発生していましたが、これらは全て生、あるいは加熱不足によるものが原因だとみられており、十分に加熱を加えれば健康は問題は無いかと思われます。


血液型ダイエットには科学的に裏付けされた証拠はあるのか


ABO式血液型の研究は、過去数十年で急速に進んでいます。

特定の血液型を持つ人々は、いくつかの疾患に対して高いまたはより低いリスクを所持しているという研究があります。

例えば、O型の人々は心臓病のリスクが低いのに対して、胃潰瘍のリスクが高くなっています。

しかし、血液型ダイエットを行ったことによるメリットを表した研究は存在していません




過去には1455人の若い成人に対して行われた大規模な観察研究があり、果物や野菜を多く食べることによる血液型別の健康調査が行われていました。

研究結果では健康度が上昇していることから有意な効果を持っていましたが、この効果はA型の人々にのみ表れたのではなく、全ての人に良い効果が現れています。

また、2013年には血液型ダイエットに関する過去のデータを検討するレビュー研究が行われていましたが、その研究では血液型ダイエットが有効であるとされる研究は発見されていません。

つまり、現段階では血液型ダイエットが科学的に有効であるという研究は無かったのです。


まとめ





血液型ダイエットは登場以来、多くの人々に支持されてきた人気のダイエット法の一つですが、科学的に効果を示した研究はありません。

しかし、このダイエット法で推奨されている摂取すべき食品にはジャンクフードが含まれていないため、人々の食生活から不健康​​な加工食品の大部分を除去することに繋がります。

そのため、このダイエットを行って肯定的な効果を持った人がいるのは事実であり、このダイエット法が有する最大のメリットと言えます。

ただこれは血液型には関係無く、単に健康的な食生活になったことで減量しやすくなっただけでしょう。

SHARE!

各アイコンをクリックするとポップアップします(Feedlyは別窓)。
・この記事を「 」






新着記事 - 10件