じり高上昇相場は戻り売りのショート起因か?買い上げ起因か?の判断が重要
ドル円はトランプ大統領の議会演説を無難にこなしましたが、市場のテーマはすぐにFRBによる3月利上げへとシフトすることとなり、大きく上昇する相場展開となりました。
しかし、4日未明のイエレン議長の講演を経て相場が自律的に下落する場面もみられ、一概に上昇するというわけではない難しさも見せ付ける状況となっています。
ここで1つ相場をしっかり見分けなくてはならないのが、この2月末から3月にかけてのドル円のじり高上昇がどういう状況で示現している理由についてです。
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ドル円・1時間足チャート(2017/2/3~2017/3/4)
3月に入ってからドル円はじり高傾向が続いていますが、こうしたじり高が起こる場合、なかなか下がらないケースとすぐに下がってきてしまうケースの2通りが考えられることは意識しておかなくてはなりません。
チャートを見ていますと、どういう理由でじり高になるのかはまったく判断できないものですが、なかなか下がらずにそのまま上昇を維持している場合は、相場の参加者の多くが戻り売りをして、そこからさらに相場が上昇することから次々損切りをさせられて上昇してしまうケースが考えられます。
この場合には、あきらかにショートカバーの動きになりますのでなかなか下がらないことになるのです。ドル円でじり高になる場合は実はそのほとんどがこうした踏み上げと呼ばれるような動きが背景にあります。
また投機筋のようなところが無理やり買い上げる形で相場がじり高になるケースももちろん考えられます。
しかしこの場合、実需ではありませんから投機筋は購入したポジションを必ずどこかで売りにまわることから 、相場は突然下落に転じることがあるのです。
足もとのドル円の上昇はどうも戻り売りを突破するショートカバーではなく、投機筋が米国の利上げを目論んで買い上げているように見えますので、ここからあまり大きくドル円が上がりませんといきなり反対売買がでて下落調整となる可能性もありそうです。
米国の利上げを見込んだドル円のここからの上昇は限定的な可能性も
2月末から急に3月利上げのキャンペーンをはじめたFRB幹部ですが、一定の効果はすでに実現しているようでCMEのFedWatchでは既に3月利上げの確率は80%近くまで上昇しており、市場は米国の0.25%の3月利上げを完全に織り込んだ状態となっています。
FedWatch 2017年3月(CME)
こうなると、利上げをネタにしてドル円が上昇する余地はかなり限られるものと見られ、115円にまで到達することがあったとしても、さらにその上を駆け上るほどの上昇パワーがあるとは思えない状況です。
むしろ3月15日に利上げが行われれば、Sell on the factとしてドル円は売られる可能性すら残している状況です。
初心者の投資家の皆さんはもちろん相場の動く方向についていくことが重要となりますが、いつまでも上がると思って順張りで高いところからついていくと、思わぬ下落で損失を抱え込むことになりかねませんから、かなり注意深くエントリーすることが必要になります。
すでに相場が大きく動き始めてからついていったのでは遅すぎる、というリスクがあることはあらかじめ認識しておくべきでしょう。
通常3月末は本邦勢の企業決算の月になりますので、株も為替もそれなりに上昇することが多くなりますが、今年はトランプ相場で多くの企業もこれからの状況に対して様子を見ているところが多いようで、決算に伴うレパトリエーション(収益金の還流)もかなり限定的な状況となっているようです。
今年に関しては例年と違う動きになることも想定しておく必要がありそうです。
なにより、米国が前倒しで利上げを行うことによって米国株式市場が嫌気し下落に転じ始めますとリスクオフとなってドル円も円高に振れる可能性がでてきてしまいますので、ここからの3月相場はかなり慎重にエントリーしていくことが求められます。
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