【表皮】ターンオーバーはケラチノサイトの一生|皮膚の構造を知ってスキンケア

更新日:

皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層からなっています。このうち、シミ改善などのスキンケアの中心となるのが表皮と真皮です。今回は表皮のお話です。スキンケア、エイジングケアをする上で、知っておいたほうがよいと思われる最低限の知識です。

 

表皮はお肌の守り神

表皮はわずか平均0.2㎜の薄い膜です(部位により異なります)。皮膚の一番外側にあり、外からの刺激などから身体を保護したり、体内の水分が蒸発するのを防いだりしています。

表皮はさらに角質(角質層)、顆粒層、有棘層、基底層の4層からなっています。

表皮のほとんどはケラチノサイト(角化細胞)とケラチノサイトが変化した細胞からなっています。

それでは、各層の特徴を上層の角層(角質層)から見ていきましょう。

 

 

角層(角質層)【かくそう】 角質細胞:お前はもう死んでいる

角質細胞は10〜20層(部位などによって異なります)レンガのように積み重なっています。足の裏や手のひらの角質層は50層ほどもあり非常に分厚いです。

角層(角質層)は皮膚の一番外側にあり、0.02㎜とラップと同じような薄さながら、外的刺激から身体を守ったり、体内の水分が過剰に蒸発しないようしたりしてがっちりとガードしています。

顆粒層から上がってくると同時に顆粒細胞であったケラチノサイト(角化細胞)は死んで、核のない細胞である角質細胞になります。角質細胞はその内部にケラチンという繊維状のタンパク質を大量に保持しています。

角質細胞の中にはNMF(天然保湿因子)が存在し、角質の水分を保つのに大きな働きをしています。

角質細胞同士の隙間を細胞間脂質が埋めています。

角質細胞は最後は垢となってはがれ落ちていきます。

 

NMF:Natural Moisturizung factor(天然保湿因子)

皮膚に備わっている水溶性の保湿成分で、体内からしみ出てきた水分を角質細胞の中に取り込み、ケラチンを柔らかくします。NMFが足りない状態になると角質層の保湿機能が低下して乾燥肌になりやすくなってしまいます。NMFの40%はアミノ酸で、その他の成分は、ピロリドンカルボン酸(PCA)、乳酸、尿素、無機イオンなどです。アミノ酸は非常に水と結合しやすい成分です。

 

細胞間脂質

レンガのように積み重なっている角質細胞と角質細胞のすき間を埋めるような形で存在しています。

細胞間脂質は、セラミドなどからなる脂質の層と水分子の層が交互に規則正しく重なり合い、ラメラ構造という層状構造を形成しています。

細胞間脂質は外的刺激の侵入や過剰な水分蒸発を防いでいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

顆粒層【かりゅうそう】 顆粒細胞はキラキラ細胞

平ぺったい形の核を持つ細胞が1〜4層でなっています。

細胞内にケラトヒアン顆粒というガラス質状の顆粒を含んでいるので顆粒細胞と呼ばれます。

ケラトヒアン顆粒は光を屈折させ反射させる性質があり、紫外線をはね返して肌の奥への侵入を防ぐ働きがあります。角質層とともに肌を守る働きをしています。

顆粒細胞角質細胞へと変化するときに、ケラトヒアン顆粒はプロフィラグリンというアルカリ性のタンパク質になり、角質細胞の主成分のケラチン繊維を凝固させて角質層を形成します。その後は表皮に近づくとともにアミノ酸に分解され、この分解されたアミノ酸がNMF(天然保湿因子)の主成分になり、皮膚の保湿に役立っています。

 

 

 

有棘層【ゆうきょくそう】 有棘細胞はトゲトゲ細胞

核を持った有棘細胞が10層ほどでなっていて、表皮の中では一番厚い層です。

細胞は細かい棘で覆われており、有棘細胞同士ががっちりと結びついています。

細胞の形は、下層では多角形で、上層へ行くにしたがってだんだん扁平になっていきます。

体内に侵入した異物を見つけだす免疫細胞のランゲルハンス細胞もここで活動しています。

 

ランゲルハンス細胞

ランゲルハンス細胞は木の枝のような突起を持っており、その枝先にあるレセプターで体内に侵入してきた細菌やウィルスなどを取り込み、その情報を脳へ伝えます。

細胞の数は少ないですが、免疫反応の最前線で働くとても重要な細胞です。有棘層を動き回って異常がないかどうか常に監視しています。枝先についているレセプターはアンテナにもなっており、まさにそのアンテナを張り巡らせながら監視しています。

強いストレスを長期間受けたり、紫外線のUV-Bを長時間浴びたり、年齢を重ねてきたりすると、ランゲルハンス細胞の数が減ったり、弱ったりして情報伝達能力が下がります。その結果、肌荒れや吹き出物、シミなどのさまざまな肌トラブルが生じてしまいます。

 

 

基底層【きていそう】 基底細胞は行儀よく一列に整列

立方体や円ちゅ状の形をした核のある基底細胞が基底膜に沿って横一列に並び、一層からなっています。

表皮の一番下にあり、基底膜を間に挟んで真皮に接しています。

基底層は真皮の毛細血管から栄養を受け取り、その栄養でどんどん細胞分裂をしてケラチノサイト(角化細胞)を作ります。分裂した基底細胞は上層部の有棘細胞に変化し、その後顆粒細胞、角質細胞へと変化を遂げ、最後は垢となって排出されます。

基底細胞の間にはメラノサイト(色素細胞)が点在しています。このメラノサイト内で紫外線から身体を守るメラニン色素が作られます。

基底層と基底膜は一体になって強固な膜のようになり、その下にある真皮を守るという重要な役目も果たしています。メラノサイトも真皮まで紫外線が届かないようにブロックしています。これが届いてしまうとシミになってしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

基底膜

表皮と真皮の境目にある0.1μm(マイクロメートル:1μm=0.001mm)の非常に薄い膜です。

表皮と真皮間で行われる物質交換や情報伝達をコントロールしたり、表皮と真皮を結合させるといった重要や役目を担っています。

 

 

 

0.2㎜の世界の中でケラチノサイト(角化細胞)は生まれ死んでいく。生まれた頃は行儀よく、幼少期、青年期はトゲトゲし、中高年期はキラキラし、晩年は静かに死へ向かい、死につつもまだ働いている。最期の最期、肌から垢となってはがれ落ちるまで。ターンオーバーはケラチノサイトの一生。

ケラチノサイトの一生がこの自分の覆う表皮の0.2㎜の中に詰まっていると思うと、スキンケアへの意識も少し変わってきます。

 

細胞が元気であれば肌も健やかになります。

 

真皮についての詳細記事はこちら↓