夏に向けてダイエットを始めたいと思うのですが、テレビでよく漢方薬で痩せる!って、やっていますよね?本当に漢方薬で痩せるのでしょうか?

 人それぞれ体が違うように、漢方薬も体質に応じて使い分ける必要があります。自分に合った漢方薬でなくては効果は出にくいでしょう。

 大学生のころは何を食べても、何を飲んでも太らなかった。それどころか、食べないとお腹がなってしまい・・・、食べないと体重が落ちてしまうほどだった。

 バスケ部に明け暮れたあのころは、はたして社会人になった自分の体形を予想できただろうか・・・。お腹がぽっこり・・・、脇腹のお肉がぷにゅ・・・、あごのラインが・・・あれ?なくなっている?

 そう、社会人になり、私は6キロ太ってしまった経験があるのです。そんな私も今はなんとか3キロのダイエットに成功しました。もちろん漢方薬の助けを借りて!今回は体質別のダイエット漢方薬をご紹介しますので、ぜひ、ご自分のタイプに合わせて参考にしてみてください。

 

■中医学的に肥満のタイプは6つに分けられます。

①痰湿内蘊(たんしつないうん)

 脂っこいもの、甘いもの、お酒の取りすぎにより生じるタイプです。現代の過食からくる肥満の典型的なタイプです。

②脾気虚弱(ひききょじゃく)

 脾とは現代でいう、胃腸の働きに近いものです。脾は食べたものを栄養にして全身に運ぶ役割のほかに、水分代謝にも大きく関与しており、脾が弱ると水はけの悪い体になります。脾は冷たいもの、生モノ、生野菜、により働きが低下するので、「ダイエットにいいから水をたくさん飲んでいる。サラダばかり食べている」という人に多くみられます。

③血瘀(けつお)

 血瘀は生活習慣病の原因の一つです。一般に血行不良の状態をいいますが、瘀血の中には脂肪が含まれているため、瘀血の進行=脂肪太りと考えられます。生理痛がひどい、頭痛がする、顔色が暗い、などなど…心当たりありませんか?

④肝気欝結(かんきうっけつ)

 直接の肥満原因ではないですが、肥満になりやすい原因の一つです。肝気鬱結とは現代でいう「ストレス過多」の状態です。ストレスがかかれば、食欲が増幅されますし、血管収縮により血瘀もできやすくなります。仕事ばかりで体動かす機会がない・・・意外とストレスが原因かも?

⑤肝胆湿熱(かんたんしつねつ)

 痰湿内蘊にもすこし似ていますが、脂っこい物の食べすぎで痰湿が生じ、特に肝に影響がでるタイプです。病院で脂肪肝と診断された方に多くみられます。

⑥腎虚(じんきょ)

 中医学において、腎は体の水をコントロールする大切な臓です。腎の気が不足すると、全身の水が滞り浮腫んだような肥満になります。腎は脾や肺とともに体の水分コントロールを行っているので、脾の改善とともに腎の強化をするとよいでしょう。

 

■それぞれのタイプに見られる症状

①痰湿内蘊

 ・お腹が張ることがある

 ・ムカムカすることがある

 ・体がダル重い(特に雨の日や梅雨の時期)

 ・舌の苔が厚い

②脾気虚弱

 ・疲れやすい

 ・食欲があまりない(朝起きても空腹感がない)

 ・風邪をひきやすい

 ・眠くなりやすい

 ・体がダル重い

③血瘀

 ・顔色が暗い

 ・月経不順、無月経、不妊傾向

 ・舌がなんとなく暗い色をしている

 ・肩コリ、生理痛がひどい

④肝気鬱結

 ・イライラする

 ・胸やお腹が張ることがある

 ・眠れない

 ・食べ過ぎてしまう

 ・月経不順

 ・便秘気味

⑤肝胆湿熱

 ・口が苦い、口臭が気になる

 ・顔色が赤い、目が充血している

 ・軟便気味

 ・舌に黄色い苔がある

⑥腎虚

 ・腰痛がある

 ・手足が冷える

 ・夜間にトイレに行きたくなる

 ・浮腫む

 ・不妊傾向である

 

■それぞれのタイプに使われる代表的な漢方薬

①痰湿内蘊

平胃散

 主に胃の湿を改善させる方剤でムカムカしたり口がねばねばする人にお勧めです。

胃苓湯

 平胃散と五苓散を合わせた方剤で、体全体の湿と下半身の湿を改善するため、浮腫みや下痢することの多い肥満者にお勧めです。五苓散に勝湿顆粒もしくは星火温胆湯などを加えても代用できます。

②脾気虚弱

星火健胃錠(香砂六君子錠)

 脾の働きが活発になり、湿の発生を予防する方剤で、長期 間飲んでも問題ないため、広く利用されています。お腹周りの水っ腹にお使いになるといいでしょう。

防已黄耆湯

 上半身の肥満やリウマチの初期症状にも使われる有名処方。利水作用と益気作用が併合されているため、胃腸の弱りのあるむくみ太りに用いられる事が多いです。風邪をひきやすいなどの体質改善にも良いでしょう。

③血瘀

冠元顆粒

 瘀血を改善する有名方剤です。気の巡りも良くするためストレス性にも使えますし、高脂血症や血管、脳、心にトラブルのある肥満にも使えます。ダイエットの基本になると思います。

④肝気鬱結

加味逍遥散

 イライラ太りの基本方剤です。臨床では生理前のイライラや胸の張りなどに使われることが多いですが、ストレスが食欲につながる人にはおススメです。

開気丸

 加味逍遥散よりもより気の巡りを良くすることに重点をおいた処方です。乾燥させる傾向が強いので長期間の服用はお勧めできません。

防風通聖散

 今、テレビCMで連日流れているのがこの方剤です。本来は、赤みのあるニキビや湿疹、化膿しやすい皮膚病に使われることが多いのですが、体に熱がこもっている便秘気味の人の肥満症にも使われます。ただ、注意点は体力を補うものが入っていないため、「疲れやすい、下痢気味、めまい、立ちくらみがある」など気虚のみられる方にはおススメできません。むしろ避けた方が良いでしょう。

⑤肝胆湿熱

茵陳五苓散

 利水作用のある方剤、五苓散に茵陳蒿をプラスした処方で、おしっこの回数が少ない、軟便、体が重だるい、頭が重いという肥満症の方におススメです。

⑥腎虚

参馬補腎丸

 日本人向けに作られた補腎薬で、腎の強化のみならず脾の強化も期待できます。手足の冷えや腰痛、むくみがある方に用いられます。

知柏地黄丸

 火照りやのどの渇きがある人にお勧めの補腎薬です。糖尿病を伴う肥満にも使用することが多いです。

 

 その他、漢方薬以外にもサンザシを中心としたハーブティーなどは脂肪を多くとる肥満症の方にお勧めです。ぜひ、おためしください。

2010年4月