なぜ、いつもダイエットは、成功しないのか – Sandra Aamodt博士のTED講演から

脳神経学者のサンドラ・アーモッド博士がTEDで講演されたものです。アップされたばかりのため日本語字幕がないので、私のコメントを含めながら、下に概要をご紹介しますね。

内容は、大きく以下の4つにわけられると思います。

  1. 体重をコントロールする脳の仕組み
  2. ダイエットの問題点
  3. 健康的なライフスタイルの大切さ
  4. マインドフル・イーティングの勧め

1. 体重をコントロールする脳の仕組み

脳の視床下部には、私達の体重の変動幅を設定する機能があるそうです。それは生まれながらに、ひとりひとり決まっている幅で、後天的に変更することは非常に難しいのだそうです。例えば、同じ年齢の女性でも、体重50kgから55kgの幅で生まれた人もいれば、38kgから43kgの幅で生まれた人もいる。それを無理に変えることはできないということです。

しかも、長い間、原始人類の生存にとって最重要だったのは、「食べ過ぎ」ではなく、「餓死しないこと」だったため、その頃、発達した私達の脳やDNAには、餓死しない仕組み、エネルギー(カロリー)を貯め込む仕組みができあがってしまいました。

例えば、努力して、視床下部の設定体重よりも軽い体重を、長い期間、維持できたとしても、視床下部による設定幅が下方修正されることはないのだそうです。脳はただ静かに、今の飢餓状態を脱し、食べ物が豊富に入ってくるのを待ち続けているだけ。そして、機会が来れば、いつでも体重を設定幅まで戻してしまうのだそうです。

一方で、設定幅を超えて太ってしまったような場合、そして、その状態が長期に渡る場合には、なんと、視床下部は、設定幅を上方修正してしまうことがあるのだそうです。なんとも不公平。

生命維持が最重要の役割の脳にとってみたら、太ければ太いほど、次の氷河期を乗り越えられるので、ウェルカムなのでしょうね。そうなったら、もう痩せられませんね。

結論: BMIや標準体重ではなく、自分の適性体重、自分の脳が納得する体重の幅があるという事実を、受け入れることが大切。

2. ダイエットの問題点

いろいろなところで、私も書いていますが、ダイエットの第一の問題点は、「食べてはいけない食べ物」を作ってしまうことです。人間、食べてはいけない、食べたらダメだ、と思ったら、食べたくなるものです。

アーモッド博士も、ダイエットなどの特定ルールの下で食事をする人(Controlled Eater)は、反動で食べ過ぎる傾向にあり、コマーシャルや宣伝に影響されやすく、食べ放題やブッフェで自制心をなくしやすいと言っています。一口で止められないのが特徴です。

一方で、直感で食事をする人(Intuitive Eater)は、お腹が空いた時にだけ食べ、満腹になったら食べるのを止める。食べ過ぎることはありません。だから突然太り過ぎることもありません。

それに、もしダイエットに効果があるなら、ダイエットという言葉が流行りだした頃から今までに、人類は、皆、スリムになっていなければなりません。でも、21世紀になっても、まだ、多くの人がダイエットしているというのは、ダイエットには効果がないことの証明、多くの人が参加した実証実験による証明だと言えませんか?

結論: ダイエットをしない。ルールを作らない。食べ物に「食べてはいけない」というレッテルを貼らない。

3. 健康的なライフスタイルの大切さ

ここでいう健康的なライフスタイルとは、①たくさん野菜を食べる、②適度な運動をする、③タバコを吸わない、④アルコールは嗜む程度、という4つです。

グラフは、3つの体重グループの人達が、それぞれ、4つのライフスタイルを、何もしなかった場合(0)、1つだけやった場合(1)、2つやった場合(2)、3つやった場合(3)、4つ全てやった場合(4)における、死亡リスクを相対的に比較したものです。

体重とライフスタイルと死亡リスク

当然、健康的なライフスタイルを何もやらない肥満の人(肥満-0)の死亡リスクは、健康的なライフスタイルを全て実践した正常体重の人(正常体重-4)と比較して、約7倍です。でも、正常体重の人でも、太り過ぎの人でも、肥満の人でも、健康的なライフスタイルを4つ全て実践した人達(各体重グループの4)の死亡リスクは、なんと同じなんです!

つまり、もともとの体重よりも、健康的なライフスタイルを実践しているかどうかの方が、死亡リスクの低減には、とても重要だということです。

結論: 気にするなら、現在の体重ではなく、現在のライフスタイル。

4. マインドフル・イーティングの勧め

マインドフルネス – 今ただ一心に目の前のことと向き合う心の状態

アーモッド博士は、瞑想やヨガを勧めているわけではありません。ただ、一心に自分の体と、食事と、向き合うことを勧めています。

自分の体に向き合えば、体から発せられるシグナルに気がつくはずです。そしてそのシグナルに従うことで、お腹が空かないのに時間だからといって食べたり、お腹がいっぱいなのに、食べるのを止められなくなったりすることはなくなります。

マインドフルに食べること – マインドフル・イーティングが食べ過ぎから私達を解放し、脳が用意してくれた私達ひとりひとりに適した体重、体の状態に導いてくれます。

 

ソフィアウッズ・インスティテュート - ホリスティックヘルスコーチング

森智世(もりちせ) | 公認 統合食養ヘルスコーチ(Certified Integrative Nutrition Health Coach) / ソフィアウッズ・インスティテュート代表 / 米国代替医療協会(AADP) 公認ホリスティック・ヘルスコーチ / 女子栄養大学 食生活指導士 / 国際ヘルスコーチ協会 公認国際ヘルスコーチ/ 経営学修士(MBA)| ひとりひとりのバイオ個性に着目したポストモダンでホリスティックな食事法を推奨し、マインド・ボディ・コネクション(心と体のつながり)を食を通して実現します。また、私達を取り巻くすべての環境 - 人間関係、仕事などの社会環境、自然環境、体内環境(マイクロバイオーム) - を考慮するボディ・エコロジストです。長期に渡り過ごした米国やヨーロッパの情報も、判りやすく解説を入れて配信していきます。厚生労働省「健康寿命をのばそう」プロジェクトメンバー / 目黒区男女平等共同参画審議会委員 / 日経ウーマンオンライン連載コラム『ホリスティック美女講座』執筆。食事法や健康などご相談のある方やヘルスコーチングを受けてみたい方は初回コンサルテーション(無料)にお申し込みくださいね!

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