皆さんは「コエンザイムQ10」をご存知でしょうか。今はまだ聞きなれない言葉かもしれません。しかしこのコエンザイムQ10は、日常的な健康を維持する重要な働きを担っています。

シミ、そばかす、くすみ、ハリ・ツヤの低下、小じわ・・・など20歳を過ぎると、肌は急速に衰え始めます。その主は原因は、お肌の新陳代謝、バリア機能を支えている体内物質の減少です。従来からコラーゲン、エラスチン、ビタミンB2・B6などの大切さが知られてきましたが、最近、特に注目を集めているのがコエンザイムQ10で老化を遅らせ、加齢に伴う疾病、例えば心臓病の予防や治療に向けた薬品やサプリメントの物質として、研究者たちから大きな期待を受けています。

コエンザイムQ10は、私たちの細胞全てに存在します。人の体内で生合成され、また魚介類など多くの食品からも少量は摂取できます。私たちが健康的に生きていく上で、必要不可欠な物質でもあるのです。

コエンザイムQ10とは?

コエンザイムQ10(以下CoQ10(コーキューテン))は、体のどこの組織にも広く存在することから、ラテン語のUbuiquitous(普遍的に存在する)を語源に「ユビキノン」と呼んでいました。

コエンザイムQ10のはたらき

CoQ10は、細胞のエネルギー産生を促進する作用、また抗酸化作用をもつ物質で、特に多くのエネルギーを必要とする心臓、脳、肝臓などに多く含まれています。

CoQ10は酵素の働きを助ける補酵素として活躍

CoQ10とはコエンザイムQ10のことで、コエンザイムは補酵素を表します。

補酵素は、体内で起こる数多くの化学反応に必要な酵素が、正しく働くようにスイッチを入れる役割をしています。別名をユビキノンといい、動物、植物を含んだ多くの生物に存在します。もちろん私たちの体内にも存在し、その量は体重60kgの男性で約700mgといわれています。

臓器(組織)によって存在する量はかなり異なり、とくに心臓に多く存在し、CoQ10が不足すると心臓に影響が出やすいといわれる要因です。

心臓ではCoQ10の不足を解消することで、

  1. 1.心筋の働きを助ける
  2. 2.ウイルスによって引き起こされる心臓の炎症を予防する
  3. 3.不整脈を予防する
  4. 4.狭心症の発作の頻度を低下させる

などが考えられています。

また、臓器(組織)だけでなく免疫システムにも関係し、マクロファージーといって、外部から体内に進入する異物を飲み込み殺す働きをする細胞の活動を活発にしたり、体内に侵入してくる異物に対して起こる、抗原抗体反応を活発にする働きもあります。

生きていくうえで欠かせないエネルギーを産生

CoQ10が持つ重要な働きの中で、もっとも重要だと考えられる働きが細胞内でのエネルギー産生促進作用です。まず、細胞内では臓器や筋肉を動かして生命を維持するために、細胞内のミトコンドリアで私たちが必要とするエネルギーの約95%を産生し続けています。ミトコンドリア内で作られるATP(アデノシン三リン酸)がエネルギーの素となるのですが、このATPをスムーズに作り出すために必要な物質がCoQ10なのです。

コエンザイムQ10が不足すると・・・

体内にあるCoQ10は、加齢をはじめとする様々な要因で減少します。

CoQ10が不足すると、細胞内でエネルギーが十分に作られなくなってしまいます。細胞レベルの活性が損なわれると、心臓などの各臓器や全身がエネルギー欠乏状態に陥り、様々な不調が発症してしまうことにつながりかねません。

加齢とともに減少するCoQ10は体外から補給を

CoQ10は他の抗酸化物質と違い、体内で合成される物だといっても、不足を引き起こしてしまうことがあります。その大きな原因には、加齢によるCoQ10生産力の低下、食事からの摂取が不十分などがあります。CoQ10は20歳を過ぎたころから減少し始めますが、加齢が進むと生産力が低下するだけでなく、健康上の問題が増加するためCoQ10の要求量が高くなり、その結果、減少が加速すると考えられています。

CoQ10を体内で不足させないためには、食事を通して体の外から補わなければなりません。私たちが通常の食事から摂取しているCoQ10は1日で約5~10mgですが、減少を食い止め健康を維持するには、30~60mgを目安とすることが推奨されています。

CoQ10を多く含む食品には、いわしなどの青魚、牛や豚などの肉類、卵、ピーナッツなどがあります。目安量を満たそうとすると、いわしならば約6匹、牛肉だと約950gの量が必要になってきます。これでは、この量を食べ続けることが難しいばかりでなく必要以上の脂肪分とカロリーを摂取することになり、栄養素のアンバランスを引き起こします。

また、先の食品だけではなく各種のビタミンやミネラル類があって初めて、CoQ10は体内で合成されます。ビタミン、ミネラル等の栄養素が比較的豊富といわれるほうれん草やブロッコリー、大豆にも含まれるのですが、すべて少量しか含みません。

加齢とともに減少する表皮のCoQ10

CoQ10は、表皮と真皮に10:1の割合で分布。
お肌表面の若々しさに深い関わりがあります。

メラノサイト(メラニンをつくりだす色素細胞)

しかし、表皮のCoQ10濃度は20歳から80歳にかけて1/3に減少。
肌の老化を招きます。

以上のことから、食事の基本ではありますが、まず、いろいろな食品を組み合わせてバランスの取れた食事をしたうえで、サプリメントを利用して、食事からでは不足してしまうCoQ10をサプリメントの形で摂取することが一番の方法だと考えられます。現在、さまざまなサプリメントが出回っていますが、自分なりのサプリメント選択基準を持つことが大切です。

また、目に見える症状に対応することばかりに追われたサプリメントの選び方をするのではなく、自分自身が本来持っている、体の健康を維持するチカラを高めることにポイントをおいたサプリメントの選び方が良いのではないでしょうか。植物を使って表現すれば、枝葉の先よりも幹に注目することを忘れないことです。CoQ10をサプリメントで摂取する選択は、多くの方にとって、自分自身の体の根幹をしっかりとさせることにつながるのではないでしょうか。