■冬でも汗が多い。
汗腺にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種類があります。
エクリン汗腺は手の平や足の裏をはじめ全身に分布し、主な機能は,体温調節のための発汗作用や皮膚の乾燥防止です。
したがって、気温の低い冬でも大量の汗をかく場合は生理反応とは言えず,多汗症の疑いが強いということが言えます。
■耳アカがいつも湿っている。
2種類ある汗腺のもう一方であるアポクリン汗腺は、腋の下や乳首丶おへそのまわり、陰部、そして耳の穴という、特定の部位に分布しており、本来の機能は性的アピールであると言われています。
ワキガの原因は、このアポクリン汗腺が活発に活動しているからなのです。
そこで、なぜ耳アカが乾いているか湿っているかがチェックポイントになるかというと、耳アカのたまる外耳道には汗腺であるエクリン汗腺がないからです。
にも関わらず耳アカが湿っているということは、外耳道にアポクリン汗腺が多いということです。
■毛深い。
外耳道にアポクリン腺が多いということは、脇の下にもアポクリン腺が多いと考えていいでしょう。
アポクリン汗腺は体毛の毛根部に開口しているため、毛深い人はそれだけアポクリン汗腺が多いと言えます。
また体毛が多いということは、汗や皮脂が毛にからみ、いつまでも皮膚に付着していやすい環境です。
細菌の温床になりやすいので、それだけニオイが強くなります。
毛深い人がすべてワキガ体質であるとは言えませんが、その確率は高いと言えるでしょう。
■脂性である。
アポクリン汗腺は、性ホルモンの刺激によって活発化します。
皮脂を分泌する皮脂腺も、同様に性ホルモンの影響を受けているので、脂性、すなわち皮脂腺が活発であることは、アポクリン汗腺も活発に働いていると考えられます。
この場合ももちろん、脂性の人がすべてワキガ体 は限りませんが、可能性が高いと考えられる要素の一つです。
■肉類や油っこい食べ物が好き。
ワキガと食生活には密接な関係があります。
動物性の脂肪やタンパク質、揚げ物などの油脂類を大量に摂っていると,過剰な栄養分は皮下脂肪として蓄積され、その結果、アポクリン汗腺や皮脂腺を刺激して活動が活発になり、分泌物も多くなるのです。
また、肉類や脂っこいもの、甘いものには体液を酸性にする作用もあり、ワキガ体質でなくても体臭や汗の臭いがきつくなることがあります。
■お酒が好き。
アルコール類は汗腺類の活動を促進します。
つまり、お酒を大量に飲むことで、汗のニオイを強くする要因になるのです。
スパイス類にも発汗作用を促すものがありますから摂りすぎには注意が必要かもしれません。
■緊張や興奮をすると汗ばむことが多い。
気温が高い場合だけでなく、精神的な緊張を受けると汗をかきます。
いわゆる「手に汗握る」状態ですので、これ自体は正常な生理的現象です。
しかしあまりにも大量の汗をかく場合には、多汗症の疑いがあります。
多汗症はワキガと別ものですが、密接な関係がありますから、やはり注意が必要でしょう。
■ストレスをためやすい。
ストレスを受 けると、ワキガの原因となる汗腺類にも影響を及ぼします。
そのため、ストレスは多汗症の原因の一つであり、ワキガを悪化させる要因の一つにも挙げられています。
最近、日本でもワキガ人口が増えていると言われていますが、この背景には、現在の”ストレス社会“が一因であるとも考えられるでしょう。
■衣類のワキの下に汗ジミがよくできる。
この汗ジミの正体はアポクリン汗腺や皮脂腺からの分泌物に含まれる色素です。
エクリン汗腺からの汗は透明ですが、アポクリン汗腺からの汗は蛍光を放つ濁ったもので、PH値もやや高いのが特徴。
シャツなどのワキに黄ばみがよくできる人は,汗腺類が活発に働いている証拠。
それだけ、「ワキガ·多汗症」の可能性が高いわけです。
■靴や靴下が臭う。
足の裏には汗腺がたくさん存在します。
主にエクリン汗腺なので,ワキガとは直接関係はありませんが、多汗症の人は常に靴の中がじっとり湿っていることが多いようです。
靴の中はただでもムレやすくニオイを発しやすいところですが、あまりにもひどい場合には多汗症を疑ってみるべきでしょう。
■家族にワキガ体質の人がいる。
ワキガは体質によるものですが,これは高い確率で遺伝します。
両親のどちらか,あるいは両親ともワキガ体質の場合には、遺伝している可能性が高いと言えます。
もちろん、これも必ず遺伝するわけではありません。
■自分で自分のニオイがわかる。
人間の嗅覚は麻痺しやすいものです。
ですから、自分で自分のニオイを感じることは、ほとんどありません。
にもかかわらず「自分のニオイがわかる」というのは、かなり強いニオイを発している可能性があります。
ただし、大量に汗をかいた時の「汗臭さ」とワキガは別物ですから、自分のニオイをチェックするのは入浴後をおすすめします。
また、最近ではニオイに敏感になり過ぎる『臭うかも症候群』に陥っている人が増えています。
いずれにしても「本当にワキガなのか?」を確認することが重要ですから、早めに専門医に相談することをおすすめします。
■他人からニオイを指摘されたことがある。
これも、ワキガのニオイなのか単なる汗臭いだけなのか、見極める必要があります。
また、遠慮せずにものを言ってくれる人間関係の有無によっても状況は異なりますから、他のチェックポイントと合わせた判断が望まれます。
指摘してくれる人がいる場合は、より清潔を心がけてみて、軽減されたかどうかを聞いてみるチャンスもあるわけですから、もしも軽減されない場合は、やはり専門医の診察を受けたほうがいいでしょう。
「ワキ汗,ワキ臭チェック」、いかがでしたか?先に述べたように、これらはあくまで目安です。
しかし多汗症はともかく、ワキガ体質は自分では比較的気づきにくいため,知らないうちに周囲の人に不快な思いをさせているかもしれません。
あるいは反対に、必要以上に自分のニオイに敏感になる『臭うかも症候群』に陥っている可能性はないでしょうか。
1人で悩んでいても何の解決にもなりません。
「ひょっとして?」と思ったら、気軽に専門医へ相談してみましょう。
あなたの重荷はずいぶん軽くなるはずです。