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Roland JD-Xi試奏記(1)

 Roland JD-Xiを試奏してきました。

 このRoland JD-Xi試奏記(1)では、主にマン/マシンインターフェイスに関する部分を、Roland JD-Xi試奏記(2)では、特にアナログシンセトーンのパラメーター構成を中心に触れていきます。

 
 Roland JD-Xiは、平成27(2015)年1月22日NAMM 2015での発表、3月7日からのローランドプラネットさんでの店頭展示を経て、3月13日発売となりました。

 カラーリングやシャープな形状が、どことなくアニメーション映画「宇宙戦艦ヤマト復活篇」に登場したSUS軍の戦艦の一部部位に似ています。

 鍵盤は、ローランドシンセでは珍しいミニ鍵盤。KORG MS-20 miniRK-100Sのスリム鍵盤、microKORG XLのナチュラルタッチミニ鍵盤よりは、micro KORGのそれに近い形状、サイズだと思います。

 鍵盤のベロシティは、意外に繊細に強弱(鍵盤が押し下げられる速さ)を感知してくれます。ミニ鍵盤の常としてといってもいいのかもしれませんが、静粛性にも優れています。

 ホイールは、他社とは形状がやや異なる独特のものでした。ホイールを手前に引ききる~ニュートラル位置~奥へ押し込みきる、という物理的な動作の範囲が、気のせいかコルグのものより狭い感じがしました。しかしながらそれ故に、効果の変化の繊細さよりも大きさ(派手さ)を求める向きには、良いホイールかもしれません。

 ピッチベンドレンジのバリューは、SuperNATURALシンセトーンはもちろん、アナログシンセトーンの場合でも、アップ/ダウン個別にバリューを設定できます。ドラムキットはアップ/ダウンの絶対値のみです。

 フロントパネル上に露出したパラメーターの操作子は、フィルターはカットオフ、レゾナンス、LFOは波形、レイト、デプスと、いずれも操作した事による変化が分かりやすいものが選ばれています。アサイナブルノブ/スライダーは無く、KingKORG同様、フロントパネル上の操作子の役割は決まっています。

 また、コルグのアナログモデリング機の場合、これらの操作子が動かされると、一瞬画面上にそのパラメーターが表示されるのですが、JD-Xiは操作子の動きが画面に反映される事はありません。これはエディットモードに入った場合も同じで、バリューを見る場合は必ずそのパラメーターを選び出す必要があります。

 フロントパネル上のENVの操作子は、アタックタイムが短い(速い)~持続音系~長い(遅い)という形の変化を加えるものが一つあるだけなのですが、簡便であるにも関わらず、意外に企図したニュアンスを持たせる事ができました。径時変化の設定にうるさい私ですが、演奏操作子としては結構使えると思いました。

 モジュレーションデプスのつまみは、センター位置にクリック感があります。どこが0のポイントかを、視認や聴覚だけでなく感触で知らせてくれます。

 ポルタメントのオン/オフやタイムの操作は、エディットモードに入っていくしかないようです。microKORG XLだったら、ポルタメントタイムをつまみにアサインしておけばいいのですけど…。

 また、ポルタメントがオン状態で押鍵したままオクターブボタンを操作しても、1オクターブ上や下へポルタメントはかかりません。ちなみに、この度復刻されたARP ODYSSEYの場合、それができるか否かを選択できるようになっています。

 音色は、一つのプログラムの中に、SuperNATURALシンセトーンが2パート、ドラムキットが1、アナログシンセトーン1という構成です。これらを同時にリアルタイム演奏する事はできません。パートセレクトボタンで手弾きするパートを選びます。このパートセレクトボタンの状態は、変えない限り次のプログラムを呼び出した時も維持されます。

 プログラムの呼び出しは、基本的にはDEC(−)/INC(+)ボタンで並んだ順番を追っていく形なのですが、フェイバリットボタンに登録しておく方法もあります。使用頻度やライブ演奏時のレパートリーの順序に沿わせておくと便利だと思います。ちなみに、これはどのシンセでも同じだと思うのですが、フェイバリットボタンへの登録は、プログラムの保存を意味するものではなく、エディット値を保存する場合は書き込みの必要があります。

 プロエディットはデジタルアクセスコントロールタイプ。構造化されたパラメーター群を、microKORG XLのようにつまみを回すのではなく、シフトキー+カーソルボタンでメニューを、そして、カーソルボタンで各パラメーターを探し、DEC/INCボタンでバリューの設定ないし項目を選択します。つまみのような行き過ぎ/戻り過ぎが頻発するような事はなく、変えたいパラメーターへのアクセスは、つまみよりは速いと思います。

 JD-Xiのアナログシンセトーンを試奏し始めてすぐに、かつてimplant4さんで試奏させていただいたREON drift box Sに音の風合いが似ていると思いました。特に、フロントパネルのカットオフやレゾナンス、そしてLFOのデプス(ビブラート、グロウル効果とも)のつまみを大げさに動かした時や、モジュレーションホイールを使った時。REON Drift boxシリーズよりは若干おとなしめのキャラクターではあるような気がしたのですが、あるいは血肉を分けた関係なのではないかと思いました。

 SuperNATURALシンセトーンとアナログシンセトーンを鳴らしてみて、たしかに同じではないものの、1台のシンセの中に抱き合わせる事の意義は感じませんでした。やはり、このアナログシンセトーンは、単体機として出してほしかったと思います。

 ボコーダーのグースネックマイクは、文字通りガチョウの首の部分が長く、Roland JD-Xiの特異な姿に、さらに興趣を添えています。

 ボコーダー音もプリセットを試しただけですが、言葉の明瞭度が良く、上手くエディットすれば、ボコーダーの名機中の名機Roland VP-330 Vocorder Plusを使った、姫神せんせいしょんの「シャー、シャッシャー…」(「赤い櫛」参照)や、喜多郎さんの「夜明け」(アルバム「絲綢之路II」より)の「ハァーアーアーアー、シャンラァ~イズッ」の雰囲気を、シミュレーションできるかもしれません。

 アルペジエータは、これまでのローランドのアナログモデリング機よりも、かなり複雑な事ができるようになっていて、128種のアルペジオスタイルとモチーフの組み合わせを変えるだけでも結構遊べます。このアルペジエータは気に入りました。フライングジュピター Roland JUPITER-4に類する事もできると思います。

 Roland JD-Xi試奏記(2)Roland JD-Xiが来ましたに続きます。


Roland JD-Xi
http://www.roland.co.jp/products/jd-xi/


平成27(2015)年11月6日追記。

 11月14日、Roland JD-Xiのカラーバリエーション機JD-Xi LIMITED EDITIONが発売されます。色は、赤のJD-Xi-RD、白のJD-Xi-WH。完全な限定生産機です。



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