試したい! 本当のエディブルローズ

2017.5.17

今年もバラの季節がやってきて、
自宅のバラたちの世話に明け暮れたり、
各地のバラ園やイベントに出向いたりと、
ロザリアンにとっては1年でもっとも忙しい時期。

新しいバラ苗はお迎えしましたか?
まだ悩んでいる方、
もういっぱい買っちゃった! という方も、
ちょっとこんな変わったバラはいかがでしょうか。
 

食べる芳香バラ

ご存じのようにバラは、花や姿を観賞するだけではなく、
香水やエッセンシャルオイル、
オイル精製時の副産物であるローズウォーター、
そしてそれらを原料としたグルーミングアイテムとして、
古くから暮らしのなかでも利用されてきました。

また、バラ園などにあるバラのソフトクリームやお菓子、
バラを摘んでつくるバラジャムなど、
食品として楽しまれることもあります。

その原料として使われているのは、
多くが観賞用としても栽培される種類で、
ブルガリアンローズ(ダマスクローズ、Rosa damascene)や
ハマナス(R. rugosa)などが知られています。

そんななか、この春、食用を目的としているバラが、
はるばる中国から、日本にお目見えしました。
その名も食香バラ®。
食用の芳香バラという意味をもつ
「エディブルフレグランスローズ®」の名前もあります。

バラ好きとしては、ちょっと、
いえいえ、たいへん気になる存在ではありませんか?

 

ふつうのバラと、どう違う?

一般的にエディブルフラワーとして利用される植物は、
バラはもちろんのこと、
無農薬、もしくは食用栽培に許可された農薬のみを使用して
栽培された一般的な観賞用品種が利用されます。
つまり、エディブルフラワー専用品種ではありません。

ところが、この食香バラ® は、
そもそもお茶など食用にするために
中国で長い年月をかけて改良され、保持されてきたもの。
それだけ中国でバラは
「食べる」対象として重要視されてきたのです。

一般的にエッセンシャルオイルなどで
知られているブルガリアンローズや
食香バラ® の種子親とされるハマナスと比べても
バラの芳香主要4成分が多く含まれます(*1)

また、花弁も葉もマットな質感で、
表面の照り(ワックス)がほとんど見当たりません。
この外観上の照り(ワックス)の成分は、炭化水素です。
炭化水素には、植物を保護する役割がありますが、
多すぎれば、食べたときのえぐみや口当たりの悪さにつながります。
食香バラ® を成分分析すると(*1)
この炭化水素が非常に少ないことがわかりました。
よって、より純粋に、ストレートに
バラの芳香を楽しむことができます。

(*1) 分析:国立研究開発法人 農研機構 野菜花き研究部門 大久保直美氏
バラの芳香主要4成分:ゲラニオール、シトロネロール、ネロール、2-フェニルエタノール

食香バラ® を試すには?

バラ茶やローズウォーターで、まずは手軽に。
ガーデニング大好きなら、やっぱり育ててみたい。
さて、みなさんは、どちらですか?

苗の生産が始まったばかりの食香バラ® は、
まだ流通量がそれほど多くありませんが、
一部の園芸店やイベントで、入手することができます。


=== 食香バラ®(エディブルフレグランスローズ®)販売情報 ===
生産者が直接販売に訪れます。苗やティーなどを質問しながら購入できます。
日程:2017年5/20(土)
場所:オザキフラワーパーク 東京都練馬区石神井台4-6-32 [地図]
電話: 03-3929-0544
http://ozaki-flowerpark.co.jp

*国内生産苗。台木は一般的なノイバラ使用。一季咲きで香りが強い「豊華(ほうか)」と、四季咲きで果実も楽しめる「紫枝(ずず)」の2品種。
*ローズウォーターは中国生産。輸入業者により日本分析センターで安全性が確認済み。
*バラ茶は中国生産。残留農薬230種、残留重金属を分析調査の結果、すべてマイナスで、安全性確認済み。


 

写真は「第19回国際バラとガーデニングショウ」での食香バラ® 新苗とローズウォーター、バラ茶の販売の様子。

そこで、食香バラ® を飲んでみた

手前が 食香バラ® のお茶。奥は一般的に販売されているバラ茶(奥左が苦水バラ、奥右が高原バラ)。いずれも中国で高級なバラ茶として楽しまれているものです。食香バラ® はふんわり蕾も大きめ。
お湯を注ぐと、ふわっと立ち上る香気に、まずうっとり。味というより、香りを飲む感じですが、苦味や舌へのひっかかりがありません。写真は、濃いめに入れたお茶を、冷たい炭酸水で割ったもの。蒸し暑い日にはぴったり。今後は透明なゼリーにしてみたい!

さらに、食香バラ® を植えてみた

これは自分で育てて、
フレッシュな食香バラ® を食べてみたい! ということで、
さっそく苗を買って、植えつけました。

*あくまでも私流の植え方で、食香バラ® 公式の植え方ではありません。

 

 

元気な「豊華」の新苗。一季咲きでも、より芳香が強い方をセレクトしました。ラベルもシックでステキ。
暑さにも強いとのことですが、大切な新苗がうまく今夏を乗り切れるように、用土は一般的な「バラの土」に、水はけと通気性をアップさせるため、軽石を3割ほどブレンドしてみることに。
台木に接いだばかりの新苗は、丁寧に扱います。植えつけるときは、台木を埋めてしまわないように、植える深さを調節します。
植えつけたら支柱を立てて、ひもで誘引しておくと、風にあおられてもぐらつかず、根が伸びていきます。植えつけ後に与える水には、活力剤を混ぜておくのがおすすめ。2週間後ぐらいに、市販のバラの肥料を施す予定です。
エーーーッ!?  ポキッともう折っちゃったの!?  いえいえ「わざと」なんです。1/2ぐらいの高さの位置で、完全にちぎれないように茎を折っておくと、つながっている茎につく葉が光合成する力を借りながら、折った位置のわき芽が伸びるのを促す、いいとこ取りのメッソッド。新苗を力強く、そして低めに仕立てるときに効果的です。来春まで咲かない一季咲きなら、ラクにトライできます。とはいえ、ちょっと勇気がいるので、慣れない人はそのまままっすぐ伸ばして、冬の剪定時に調整を。

さて、わが家にやってきた食香バラ® 「豊華」、
うまく育つといいな。
来春は、たっぷり花弁をつかって
ぜひ、フレグランスなローズサラダをこしらえようと思います。

みなさんもエディブルで、フレグランスなローズの暮らし、
はじめてみませんか。



text & Photo ウチダトモコ  1番上の写真提供:横浜園芸研究所  協力:Flos Orientalium、フラワーオークションジャパン