くも膜下出血には合併症があります。
代表的なのが再出血で、発症後24時間以内に患者の約20%で起こることがあるとされます。
動脈瘤が破裂した後に適切な処置をせず、放置した場合は高い確立で再出血が起こるとされることから、手術で出血場所の治療を行います。
くも膜下出血発症後の数日後から2週間後に起こる合併症に、脳血管攣縮(のうけっかんれんしゅく)があります。
くも膜下出血の合併症としては、患者全体の30~40%で見られる症状で、血管が細くなってしまうことから脳梗塞を発症する危険がある後遺症です。
脳梗塞は脳の血管が詰まってしまう病気で、生命にも関わります。
くも膜下出血から脳血管攣縮を起こしてしまう原因は、血管からの出血で流出した血液中のヘモグロビンが変質していくことで血管を収縮する成分が生成してしまうことで起きるようです。
それから、くも膜下出血がおきることで体内がストレス状態に置かれ、心血管にもダメージを受けることもあり、肺気腫によって呼吸困難になる方や、心臓の左室がたこつぼのような形になるタコツボ型心筋症を起こす場合もあります。
脳内の容量が発作によって大きくなった際に、視床下部などの機能が乱れて、尿量が増えてしまう尿崩症もクモ膜下出血の後遺症のひとつです。
正常圧水頭症も脳で出血した際に起こりやすいとされます。
くも膜下出血では合併症が起こらないようにするのがその後の生存率のためにも望ましく、治療後の対策には十分に注意が払われています。
くも膜下出血と尿崩症
くも膜下出血が起こると脳浮腫が起こることがありますが、その結果、合併症として尿崩症(にょうほうしょう)が発現する場合もあるとされます。
くも膜下出血から尿崩症がどうして起こるのかというと、脳浮腫によって脳圧が高まると視床下部がダメージを受けてしまい、機能不全になります。
そのために尿量を決める働きを持つ坑利尿ホルモン(バソプレシン)が減ってしまうことから尿が増え始め、時には1日10リットルもの大量の尿が出る方もいるようです。
尿崩症の症状は、のどが渇いて多飲になり、特に冷たい氷水を好むようになるとされます。
頻繁にトイレに行くために夜中も何度も目が覚めることから、睡眠不足に悩まされます。
脱水症状に陥るケースもあって、痩せて体力を消耗してしまうこともあります。
中枢性尿崩症と腎性尿崩症の2タイプに分けられ、くも膜下出血によって併発するのは続発性尿崩症です。
なぜ起きるのか判明しない特発性や、起こりやすい体質となる家族性の尿崩症もあります。
中枢性尿崩症と腎性尿崩症は同じ尿崩症であるがゆえに区別も困難ではありますが、ホルモン投与によって確かめることができ、尿が濃くなると中枢性であると判断されます。
もし、くも膜下出血後に多尿になったのなら、尿崩症を発症したことを疑った方が良く、他の多尿になる病気の糖尿病ではないかどうかも調べられます。
治療は、バソプレシンなどのホルモンを1日数回鼻腔スプレーを行って、尿量を正常にさせていきます。
スポンサードリンク
くも膜下出血と脳血管攣縮
くも膜下出血の合併症で経過に注意が必要とされるのが脳血管攣縮(のうけっかんれんしゅく)です。
起こる割合が高く、命にも関わる合併症でもあるとされます。
脳血管攣縮はくも膜下出血の発症後3日から2~3週間の間に起こる現象であり、脳の血管が縮み血流が悪くなることからさまざまな問題が起こります。
病名にある攣縮とは、血管の収縮することであり、重症化した場合は脳梗塞へと発展してしまいます。
しかも、通常の脳梗塞よりも病状としては重くなるとされていることからも、くも膜下出血が起こったら脳血管攣縮が発現しないように慎重に治療をすることが重要になってきます。
脳血管攣縮が起こる原因は、未だはっきり解明されてはいません。
ですが、くも膜で出血した血液のヘモグロビンが分解・変質して鉄を含んだ色素のヘモジデリンや、ヘモグロビンからグロビンが除かれたヘミンと変わり、血管壁から一酸化酸素を分解するのが発端です。
次いで動脈では血管を拡張する効果のある成分と、逆に縮小する成分の両方を分泌しているのですが、一酸化酸素が分解されることで、血管を収縮する成分がのみが残ってしまうことから起きます。
攣縮を予防するには、くも膜下出血後に栄養と水分をしっかり取って血液を十分行き渡らせるようにし、血管拡張剤などの対策を施していきます。
バルーンカテーテルと呼ばれる器具で、血管を広げる方法が行われることもあります。
くも膜下出血が起こったのなら、脳血管攣縮が起こらないように気を付けましょう。
くも膜下出血と正常圧水頭症
くも膜下出血には、正常圧水頭症という合併症があります。
水頭症は脳脊髄液が異常に増えてしまう病気で、頭が通常よりも大きくなるのが特徴です。
原因は先天性であったり、脳腫瘍が出たことや、感染症などが元で脳脊髄液が溜まってしまうこととされ、頭蓋骨が大きくなってしまい、乳幼児によく見られる症状であります。
脳圧が高く、頭痛に吐き気、神経の圧迫により視力の異常などがあります。
くも膜下出血で起こる合併症も水頭症のひとつではあるのですが、一般的な水頭症とは異なり、脳圧は余り上がりません。
正常圧水頭症には特発性と続発性があり、くも膜下出血で併発するのは続発性です。
脳血管の出血により脳脊髄液が循環不全となって起こるとされます。
くも膜下出血以外にも頭部へのケガや髄膜炎で起こることが分かっていて、特定疾患にも認定されています。
正常圧水頭症になると、脳脊髄液が段々と増え、脳も少しづつ圧迫されていき、物忘れをしやすくなることや歩行がふら付く、尿失禁してしまうなどの症状が現れます。
これらの症状で思い当たるのが認知症です。
実は正常圧水頭症は「治療可能な認知症」だといわれていて、手術をするなどの治療をすれば高い確率で治る可能性があるのです。
くも膜下出血では脳に関する症状も様々で、合併症が起こる場合もあります。
正常圧水頭症であることが分かったら、早めの対策がその後の回復を左右してしまうでしょう。
水頭症の程度が軽い内に治療に取り組むようにしておきます。
スポンサードリンク