賃貸物件に住まい続ける【シンデレラ】
5: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 03:23:01.91 ID:ccBFqFaZ0.net
私の唯一の霊体験は、友人(A子)の家でだけだった。
A子は当時悪質なストーカーに悩まされていて、ついに命の危機を感じるレベルまで追い込まれて引越しを決意した。
不動産屋に飛び込んでこれこれこうでと事情を話し、今日明日にでも引っ越せる部屋はないかと聞いたところ
と出された物件の情報はあり得ないものだった。
築年数こそ普通だけど都心繁華街に近い2LDK、敷礼なし、即日可、それで6万行かないくらい。
不動産屋もそれを察してなのか「正直に言います」と
・刃傷沙汰はあったけれどこの部屋で死人が出たことはない
・家に帰ると部屋が荒らされていて一度は警察を呼ぶことになる
・女がいると言って入居者は半年持たずに出て行く
・お祓いやらなにやら試し済みだけど効果はない
やべーよやべーよと思ったけどA子は「それは放火未遂を起こしたりしましたか?」とだけ聞き、さすがにそれはないと聞くと即契約してしまった。
は名言として今も私の中で語り継がれている。
さすがに即入居とはならなかったけど、ほぼ夜逃げ状態でA子は訳あり物件へ引っ越した。
警察やらを介入させてストーカー問題を片付けるのに二ヶ月くらい掛かったと思う。
友人達でA子の無事を祝い集まった時に、「そういえば家大丈夫なの?」と聞いてみた。
引越してから一度もA子の口から幽霊という単語は出ていなかったから、不動産屋が大袈裟に言っただけで当たり物件を引いたのかと。
しかしA子はさらりと
・家に帰ると靴が収納から全部出されてぐっちゃぐちゃ
・また別の日はリネン系をまとめてぐっちゃぐちゃ
・ハザードルームの前にあるトイレから出ると、人影がその部屋に入って行くのと遭遇→その後部屋の中のクローゼットが閉まる音がする
・お風呂に入っているとドアの前、擦り戸越しに人影が立つ
これらのどれかが1日1回は必ず起こるらしい。
15: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 03:41:11.24 ID:ccBFqFaZ0.net
あぁ先に言っとくけど対して面白い話じゃないよ
怖くもないと思う。
今まで5人ぐらいに話したけど誰にも信じてもらえんかった
A子は着道楽だった。
物持ちもいいしセンスもいいから、衣服を捨てるということは滅多にない。
約10年経った今でも当時の服を着回してるのにすごいオシャレ。
そんなA子、そのハザードルームを衣裳部屋としてフル活用していたらしい。
そしてそこに住んでいる幽霊、A子の衣服でコーディネートして遊んでいた。
服は上から下まで、たまに靴とバッグを添えて床に置いてあるらしい。
幽霊コーデはクソダサい
↓
15点とかその日の採点を呟いてからA子出掛ける
↓
帰ると
・衣裳部屋保管の靴が左右入れ替えられたりする
・バッグの中に下着が詰め込まれたりする
・上下のセットアップがバラバラに保管される
ということが起きている
↓
「評価低くて腹立つならセンス磨け!」と説教しながらA子お片付け
↓
翌朝新コーデ発見
↓
やはりクソダサい
幽霊見たい!となった私と友人のB美で、その日はA子の家に止まらせてもらうことにした。
お酒とか買い込んで、夜逃げ手伝いした時以来のA子の家に行った。
やっぱりすごく立地の良い場所にあって、大学入りたての小娘が住めるようなマンションじゃなかった。
部屋に入っても空気が重いとか嫌な感じがするとかは一切なくて、それどころか綺麗好きのA子らしくモデルルームみたいだった。
あの部屋を見てから実はおばけでるとか聞いても、誰も信じないと思う。
朝風呂派のB美を抜いてまずシャワーを浴びようって話になった。
寝巻きも貸すよーハザードルーム取りに行くよーというA子の後に付いて、いざハザードルーム。
ドアを開けて中を見た瞬間、恥ずかしながら腰が抜けて座り込んだ。
薄暗い部屋の中で人間の形をしたものが、
ぶら下がって揺れていた。
A子の言う通り、今思い返しても何も思い出せない。
腰が抜けたままじっとその首吊り光景を見てたのに、
どんな服装してたとか顔付きや体型も、
肌が肌色だったかも思い出せない。
「まだいた?ぶら下がってる?」
「もういなかったよー」
のほほんとしてるA子の肝っ玉半端ねぇ。
「あんなホラー映画みたいなの初めて!お客さん来てテンション上がってんのかな!」
なんていうお前のテンションもおかしいよ?
この空気の中お風呂とか借りれないんですけど?
「ドア越しに立ってたりするけどそれだけだよ。そういう模様の扉だと思えばなんてことないよ」
って言われても怖いもんは怖いし、取り敢えず先にA子にお風呂入ってもらった。
残されたB美と二人、ドアを頑なに見ないよう背中を向けて寄り添いながら聞いてたKISSは今でもよく覚えてる。
お陰で今もテンション上げたい時は自然とKISSを聞くようになった。
「なんともないよー」と至って普通にあがってきたA子に後押され、次は私がお風呂に。超腰引けてた。
さっと洗ってさっと出ようと思い、急いで服脱いで扉開けて、そこでまた腰が抜けた。
あの一晩で私の腰ボロボロになったと思う。
シャワーヘッドの上、天井と壁の境目辺りに手形があった。
黒ずんだ手形で、血?っていうかなんともなくねーよ畜生!
なんて思ってたけど、もうその時は涙目だった。
怖くて怖くて。
もしかしてA子が演出でやったとかも一瞬頭によぎったけど、綺麗好きで「家の汚れは心の汚れ!」がモットーのA子が水回りを汚すわけない。
幽霊の洗礼だ。
バスタオルだけ巻いてリビングに戻った。
飛び込んで来た私を見て「扉の模様だよ?」と言われたけど、壁だし!手形模様なんてごめんだよ!と喚きながらA子をお風呂に連れてった。
B美は私のバスタオルを引っ張りながら着いてくるもんだから全裸御開帳になりそうでそれもまたハラハラさせられた。
「A子の悪戯じゃないよね?」とじっと浴室を見るA子の顔を覗き込んだら、おっとり美人のA子の顔が般若になっていた。
普段にこにこしてるばかりの人が怒ると本当に怖い。
首吊りよりも手形よりも、この時のA子が一番怖かった。
幽霊なんかを怖がってた自分をぶん殴りたい。
私はA子が怒った時の方が怖いことを知った。
そのまま無言でA子はハザードルームに行った。
B美と二人くっついてたら殴ったような音が聞こえて(後にA子がクローゼットの扉を蹴った音だったと判明)、
「おいコラ、クソデブ!人の家になにしてくれてんだ!家賃も払ってない居候の分際で調子に乗るんじゃない!」