Definition from Wiktionary, the free dictionary
Japanese citations of
- 1898, 徳冨蘆花, 小説 不如帰:
- されば圧しつけられしゴム球の手を離されてぶくぶくと膨れ上がる類にやという者もありき。
- 1900, 泉鏡太郎, 高野聖:
- 呆気に取れて見る/\内に、下の方から縮みながら、ぶくぶくと太つて行くのは生血をしたゝかに吸込む所為で、濁つた黒い滑らかな肌に茶褐色の縞をもつた、痣胡瓜のやうな血を取る動物、此奴は蛭ぢやよ。
- 1903, 泉鏡花, 薬草取:
- ぶくぶく樺色に膨れて、湯気が立っていたです。
- 1905, 夏目漱石, 吾輩は猫である:
- 沼へでも落ちた人が足を抜こうと焦慮るたびにぶくぶく深く沈むように、噛めば噛むほど口が重くなる、歯が動かなくなる。
- 1906, 夏目漱石, 草枕:
- ぶくぶくと泡が二つ浮いて、すぐ消えた。
- 1909, 泉鏡花, 海の使者:
- 獲物を、と立って橋の詰へ寄って行く、とふわふわと着いて来て、板と蘆の根の行き逢った隅へ、足近く、ついと来たが、蟹の穴か、蘆の根か、ぶくぶく白泡が立ったのを、ひょい、と気なしに被ったらしい。
- 1910, 泉鏡花, 国貞えがく:
- そして湯の中でぶくぶくと泳ぐと聞いた。
- 1910, 夏目漱石, 門:
- したがってでき上ったものには、所々のぶくぶくがだいぶ目についた。
- 1912, 夏目漱石, 彼岸過迄:
- 彼女は両手で桶を抑えたまま、船縁から乗り出した身体を高木の方へ捻じ曲げて、「道理で見えないのね」といったが、そのまま水に戯れるように、両手で抑えた桶をぶくぶく動かしていた。
- 1913, 與謝野晶子, 午後:
- 『そんなこと、背が低いし、それに唯ぶくぶくして居るだけですもの。
- 1914, 與謝野寛、與謝野晶子, 巴里より:
- 白髪頭に縁の垂れた黒い帽を被て紅い毛糸のぶくぶくした襯衣に汚れた青黒い天鵞絨の洋袴を穿き、大きな木靴を引ずつて、又してもギタルを弾乍ら「聴きなさい、お前たち、南|仏蘭西の田舎の麦刈唄を一つ。
- 1922, 豊島与志雄, 特殊部落の犯罪:
- ぶくぶくと泡が立つ泥の中にひょいと身を起すと、池は浅くて案外足元が泥の中にしっかりしていた。
- 1923, 田中貢太郎, 雨夜詞:
- その拍子にお菊さんの呼吸があぶくのやうになつて口からぶくぶくと出た。
- 1926, 田中貢太郎, 死体の匂い:
- その流れ物の中にも仰向きになって両足を水の中にした死骸があって、それは力士のようにぶくぶくと膨れあがっていた。
- 1927, 横光利一, 花園の思想:
- ただ最後に酸素吸入器だけが、彼女の枕元で、ぶくぶく泡を立てながら必死の活動をし始めた。
- 1927, 泉鏡花, 多神教:
- あの、円肌で、いびつづくった、尾も頭も短う太い、むくりむくり、ぶくぶくと横にのたくりまして、毒気は人を殺すと申す、可恐く、気味の悪い、野槌という蛇そのままの形に見えました。
- 1928, 林芙美子, 新版 放浪記:
- 只、ぶくぶくと肥っている。
- 1929, 薄田泣菫, 艸木虫魚:
- 明の詩画家許友は、ぶくぶくに肥った背低で、身体中に毛といっては一本も生えていなかった男だが、人が訪ねて来ても、それに答礼するでもなく、そんな交際には一向無頓着であった。
- 1933, 佐々木味津三, 山県有朋の靴:
- 自分を持ちこたえる気力のないものが、自分を憫んで、自ら生きる力もないその命を仕末するにはこうするよりほかに途がないと言わぬばかりに、ちいさな泡が、ぶくぶく、ぶくぶくと、かすかに二度三度湧きあがって来たばかりだった。
- 1934, 宮本百合子, 小祝の一家:
- 勉がかえって物も云わず机に向い腰かけるとすぐ、乙女が勉の古紺足袋をぶくぶくにはいた足で小走りに電燈の球のない台所へ入り、湯たんぽをつくってあてがっているのは、炭を買う金さえ彼の交通費にいるからのことである。
- 1934, 田中貢太郎, 魔王物語:
- 腹はぶくぶくと潰れて蛆がうようよと出て臭気が四方に満ちた。
- 1935, 太宰治, ダス・ゲマイネ:
- けふは學生服をきちんと着て、そのうへに、ぶくぶくした黄色いレンコオトを羽織つてゐた。
- 1935, 横光利一, 上海:
- ぶくぶく出る無数の泡は、泥のように塊りながら、その半面を朝日に光らせて狭い裏街の中を悠々と流れていった。
- 1936, 北條民雄, 癩院記録:
- もぐさが全部燃えてしまふと、その焼痕は真黒の水膨れになつてぶくぶくしてゐる。
- 1936, 北條民雄, いのちの初夜:
- 泥のように色艶が全くなく、ちょっとつつけば膿汁が飛び出すかと思われるほどぶくぶくと脹らんで、その上に眉毛が一本も生えていないため怪しくも間の抜けたのっぺら棒であった。
- 1938, 海野十三, 浮かぶ飛行島:
- 彼の頭の中には、ヨコハマ・ジャックの憎々しい形相や、一癖も二癖もあるようなリット少将のぶくぶくたるんだ顔などが浮かんだ。
- 1938, 斎藤茂吉, 万葉秀歌:
- そしていて、浮腫のようにぶくぶくしていず、遒勁とも謂うべき響だということである。
- 1939, 海野十三, 太平洋魔城:
- 副司令にはなるし、沈没商船のどてっ腹を破ると、ウイスキーの泡がぶくぶくとわいてくるし。
- 1939, 海野十三, 人造人間エフ氏:
- ウラル丸をとりまいていた四|隻の怪潜水艦が、にわかにぶくぶくと水中にもぐりはじめたのだ。
- 1939, 岡本かの子, とと屋禅譚:
- 「それに引きかえ自分一人は、没落の淵にぶくぶく沈みつつあるものだ」こう思えて仕方がなかった。
- 1940, 海野十三, 地球要塞:
- 夥しい泡が、艦内からぶくぶくと浮きあがるのが見える。
- 1940, 林芙美子, 多摩川:
- 腕や脚のふくらみが子供の手足のやうにぶくぶくしてゐる。
- 1941, 海野十三, 大宇宙遠征隊:
- 「艇長室に於て、辻艇長は睡眠中、コーヒー沸しは、もうすぐにぶくぶくやるだろう。
- 1941, 海野十三, 豆潜水艇の行方:
- あたりの海底には、林のように藻や昆布るいが生いしげっていて、これがひるまなら、そのふしぎな海のそこの林のありさまや、ぶくぶくと小さな泡が上の方へつながってのぼっていくのが見えるはずですが、今は夜中のこととて、何も見えず、一切まっくらです。
- 1945, 海野十三, 地球発狂事件:
- それは爆発ではなく、多量の空気がぶくぶくと噴出したのであった。
- 1946, 織田作之助, 中毒:
- 「君!」と、振り向かせるには、余りにぶくぶく肥えて、その肉のかたまりを包んだ長襦袢の襟は手をふれるのもためらわれるくらい、垢じみていた。
- 1948, 海野十三, 恐竜島:
- いくらおっしゃっても、リーフに船底をやられてしまっては、この船はぶくぶくの外ありません。
- 1948, 楠山正雄, 浦島太郎:
- かめはさもうれしそうに、首や手足をうごかして、やがて、ぶくぶくあわをたてながら、水のなかにふかくしずんで行ってしまいました。
- 1949, 永井隆, 長崎の鐘:
- 荒木君は南瓜のようにぶくぶくに膨れ上がり、ところどころ皮のはげた顔の中に、細い白い眼をみひらいて、「先生、やられました」と静かにいった。
- 1950, 豊島与志雄, 化生のもの:
- 「それはそうですけれど、もしも、ぶくぶく肥ってきたら……と思いますと、いやになりますの。