皮脂の成分

皮脂は厳密に分けると皮脂腺から分泌された皮脂に表皮脂質という脂質が混ざっています。

表皮脂質は、垢(アカ)や頭垢(フケ)などといった新陳代謝によってはがれる角質細胞と一緒に出てくる脂質などの成分のことです。

"混ざっている"といっても皮膚表面上をおおっているこれらの皮膜において、表皮細胞が占める割合はごくごく少量で、90%以上の大半の成分が皮脂腺から分泌される皮脂です。

このように、私たちが皮脂と呼んでいる油脂は正確には"皮脂"ではないのですが、一般的な呼び方にしたがい当サイトでも「皮脂」と呼んでいます。

皮脂腺からでる皮脂の成分は主にワックスエステルスクアレントリグリセリドなどです。だいたいは次のような割合になっています。

名前 割合
トリグリセリド 約60%
ワックスエステル 約25%
スクアレン 約12%
その他 約3%

その他に入る成分はコレステロールエステルやコレステロールなど皮脂腺から排出された様々なものです。これらは細胞膜にふくまれる成分で、皮脂が分泌される時に細胞膜を破裂することで皮脂内に混ざっています。

これに対して表皮脂質は、細胞間にある脂質(細胞間脂質)や天然保湿因子(NMF*3)などがふくまれています。

これら二つが混ざり、さらに常在菌で成分が分解されたが、私たちが皮脂と呼んでいるものです

これら皮脂の成分を簡単に表すと、次の表のようになります。

名前 割合
トリグリセリド 約25%
ジグリセリド
モノグリセリド
約10%
遊離脂肪酸 約25%
ワックスエステル 約22%
スクアレン 約10%
コレステロール
コレステロールエステル
約4%
その他 約4%

これらは体の部位や季節、性別や年齢、環境などによって割合は微妙に変わってくるのでしょうが、成分自体の違いはあまりないと考えています。

特に髪は、皮脂は毛穴より直接運ばれる皮脂です。なので皮膚表面上で表皮皮脂と混ざる皮脂とは若干の違いがある可能性も考えらます。

ですが、毛穴の内部でも内毛根鞘などの角質がはがれますので、そこから表皮脂質と同じ細胞間脂質などが出ている可能性があります。

皮脂中にしめる表皮脂質の割合が10%以下と低いことも考えると、皮膚上の皮脂と髪を被っている皮脂は、わずかな差はあるかもしれませんが成分的にはさほど差は無いと考えられます。

ここから、皮脂の各成分について簡単ではありますが解説したいと思います。

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トリグリセリド

いわゆる中性脂肪(または中性脂質)*4と言われているもので、多く食品に油脂としてふくまれています。なので油脂と言えばだいたいは、このトリグリセリドのことを指します。

ちなみに中性脂肪とは、アルカリ性でも酸性でもない中性をしめすため、中性脂肪と言われます。

3つの脂肪酸*5がグリセリン*6という成分にくっついたもので、グリセリンは近年の学術的にはグリセロールと言われ、トリグリセリドをトリアシルグリセロール*7という事もあります。

トリグリセリドこと中性脂肪は、消費せずにあまったエネルギーを足りないときに使えるよう、貯蔵できるように体内で合成され、皮脂の油脂もこれらを使って作られていると考えられます。

細胞のエネルギーとなるように、皮膚上に存在する常在菌のエサとなる成分です。トリグリセリドは皮脂腺から分泌された直後から常在菌によって分解され、一部はジグリセリドやモノグリセリド、そして遊離脂肪酸に分解されます。

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遊離脂肪酸

トリグリセリドなどと結合していない脂肪酸を、遊離脂肪酸と言います。

遊離脂肪酸は皮脂分泌直後には皮脂中には存在せず、常在菌によってトリグリセリドなどから分解されて作られます。

皮脂中にある遊離脂肪酸にはオレイン酸やパルミトレイン酸など数多くの種類があり、この脂肪酸は弱酸性をしめすため、その影響で皮脂は弱酸性なりますに。

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ワックスエステル

いわゆる蝋(ロウ)のことで、蝋を化学的に言えばこの名称になります。

ロウと言えばロウソクのように常温では固形のものを連想しやすいですが、ホホバオイルのように液状のワックスエステルもあります。

ワックスエステルは構造的に常在菌で分解することができません。また皮脂のワックスエステルにはサピエン酸という人間特有酸*8の脂肪が結合しています。

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スクアレン

皮膚や肝臓で作られる油性物質で、コレステロールを生合成するのに必要な成分です。

ちなみに似たような名前でスクアランがありますが、こちらはスクアレンに水素をくっつけたもので、化粧品の潤滑油などで使われています。

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コレステロール・コレステロールエステル

コレステロールは人間のあらゆる細胞の生体膜(細胞膜)で見出せる脂質で、私たちには無くてなならないものです。

そのコレステロールに脂肪酸がくっついたのものがコレステロールエステルです。

皮脂には、皮脂を分泌するときに破壊する脂質細胞の細胞膜や、新陳代謝ではがれる細胞の残骸や細胞間脂質などがふくまれる表皮脂質から皮脂の中に混ざります。

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その他

これらの成分以外に皮脂には、微量の成分が数多くふくまれています。これらは以下のような成分があると考えられます。

  • ミネラルや有機物といった汗の残留物質
  • 細胞破壊や細胞間脂質などから出るセラミドなどの脂質や成分
  • 有害物質や重金属といった排泄物
  • その他、脂溶性のものなど

これらは含まれているかどうか自体も分かりにくく、推測の部分もあります。

ですが、皮脂の成分には前記のトリグリセリドなどといった成分以外に、その他の成分として様々なものが入っていることは確かです。

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