細胞組織の末梢の循環が阻害されて細胞が死んだ状態になると、メラニンが増えてシミが出来ることになります。顔面部の皮膚は薄く、毛細血管も多く密集していますので、シミが出来やすい部位といえます。
皮膚の色は基底層にある色素細胞で作られていますが、ある程度の炎症が起こると基底層とその下の真皮とを隔てている組織(基底膜)が壊れ、表皮に渡されるべきメラニン顆粒が真皮に落ちます。真皮に落ちると、もう垢となって表皮から落ちることは出来なくなりメラニン顆粒を食べる細胞(メラノファージ)が処理してくれるのを待つことになります。メラノファージは少数であるためメラニン顆粒がたくさん落ちると色が取れるのに年単位の期間が必要になります。これがシミとして残ってしまうのです。
シミが作られる原因としては次のようなものがあります。
1.過度の日光浴
過度に太陽の紫外線を浴びるのが、シミができる最大の原因といえます。普通は太陽に当たりすぎてメラニンが溜まっても、新陳代謝によって取り除くことができますが、新陳代謝の活動が弱い人やお年寄りはメラニンが取り除けずシミができてしまいます。肌に皺やシミができるのは光老化によるのがほとんどといえます。夏、猛烈な陽射しに長時間晒されていると、肌の色は次第に濃くなり、次第に色素が溜まってシミが形成されます。外出時には日傘や帽子のほか、日焼け止めなどで肌を守るようにしなければなりません。
2.化粧品や薬品の誤った使い方
自分に合っていない化粧品を使うと皮膚が過敏になってしまいます。多くの化粧品は金属成分が多く含まれ、こうした化学成分は光を吸収する作用があります。鉛や水銀などの化学金属成分や香料が添加されている化粧品を長く使い続けると肌に黒いシミができやすくなってしまうことがあります。また、長時間厚化粧で肌を覆っていると皮膚呼吸ができず、きれいに洗い落とさないでいると化粧品中の色素や有害物質が皮膚の表面に残ったり、皮膚に滲み込んだりしてしまいます。これらはすべて、色素を溜め込む原因となってしまいます。まさにお肌には大敵というべきです。
【過度の美白】
『色の白いは七難隠す』と言われるように、女性が白い肌に憧れるのは当然といえます。しかしご存知でしょうか、過度の美白は皮膚を損ないシミを作る機会を増やしているということを!肌を白くしようとして小まめに肌を磨いたり、化学的に肌の表面を削ったりする人がいます。皮膚の表面にある角質層は取れば取るほど良いと思われるかも知れませんが、実際には度を過ぎると光に対して敏感になり乾燥しやすくなってしまいます。ちょっと太陽に当たっただけでも湿疹ができたり、色素が溜まりやすくなってしまいます。美白は大事でしょうが、程度問題ということを忘れないようにしましょう。
【キレイ好きは良くない?】
ずっと家にいる家庭の主婦は「黄顔おばさん」と呼ばれます。彼女たちは皆、ロウのような顔色で黄色いシミに覆われています。これは私たちが普段使っている多くの生活用品が皮膚を損傷しているためなのです。洗濯洗剤、家庭用洗剤、トイレ洗剤、漂白剤などは、アルカリ、脂肪酸が主要成分です。これらの製品は汚れを落とすと同時に皮膚を傷つけてしまいます。長時間こうした製品を使っていたり、きれいに洗い落とさないでいると、顔に黄色いシミがついてしまいます。こうして「黄顔おばさん」ができあがるというわけです。ですからキレイ好きな女性たちは、皮膚をキレイにすることも決して手を抜いてはいけません。さもなくば必ず後悔することになりますよ。
【皮膚に溜まる色素】
皮膚に色素が溜まるとき、その原因によってさまざまな色になります。人体に関しては2種類の色素があります。
一つは人体が自分で作り出す色素で、皮膚に存在するメラニン細胞が作り出すメラニンなどです。メラニンは皮膚のどの深さにあるかによって現れる色は変わってきます。表皮部分にあれば黒や褐色となり、真皮の浅い部分ならブルーグレー、真皮の深い部分なら青になります。このグループの色素には他に脂色素、胆色素などがあります。
もう一つは外来の色素で、カロチン血症用薬品(アクリナミン・アデブリンなど)や使用期限が過ぎて劣質した化粧品に含まれる鉛、水銀、ヒ素などによる金属中毒、その他、刺青、土埃、車の排気ガス、鉄くずなどが皮膚に付着したものなどです。
また、皮膚に外傷があるとき粉塵やインクなどの異物が傷口から入ったとき、ヨードチンキ、ゲンチアナバイオレットを使用したとき、醤油やコーヒーなど色素を含んだ食物を食べ過ぎたとき、これらはいずれも色素が溜まりシミの原因となります。
3.ストレスも
ストレスを受けるとアドレナリンが分泌されて、その圧力に対抗しようとします。長い時間ストレスを受け続けると体内の新陳代謝のバランスが崩れ、皮膚に必要な栄養が届かなくなります。色素母細胞の活動も活発になります。偏食や睡眠不足など不適切な生活習慣もまたメラニンを増加させます。睡眠時間が不規則な人は皮膚の代謝率も悪くメラニンの形成に影響を与えます。
4.ホルモン分泌の異常
女性ホルモンは、メラニン細胞の分泌を刺激してシミを作る原因となります。服薬中にシミができ、服薬を中止したら治まったとしても、皮膚には長時間留まっています。妊娠中の女性は女性ホルモンが増加し、妊娠4~5ヶ月からはシミが出やすくなります。このときのシミは産後大部分は消えてしまいます。ただし新陳代謝が正常でないと、強い紫外線に当たったりストレスなどによってしみが酷くなることがあります。妊娠中のシミが産後も消えなかったら注意が必要です。
女性ホルモンを長く服用している女性の9~20%が黄褐斑(肝斑)を発症しています。生理不順の治療に常用している人の中で、甚だしい場合は1ヶ月くらいで顔面にシミができることがあります。その他、高血圧や糖尿病の薬も黄褐斑を発症させやすくします。
5.その他の原因
慢性肝炎や結核などの慢性病はチロシナーゼを活性化させメラニンを増加させます。卵巣機能が衰えている時もシミが出ます。新陳代謝や内分泌の失調で過敏になっている状態では色素の問題も大きくなります。また、メラニンを取り除く機能が弱っていると、いったんはメラニンを排出しても長い間に顔面に黄褐斑が発症します。
便秘もまたシミの原因となります。実際には内分泌の失調による過敏体質がシミを作るのです。体の調子が悪い時に紫外線に当たるのもシミの形成を加速させます。