あらすじ

 

子供の頃からイケメンでモテていた私だが、18歳の頃から日頃の不規則な生活と不摂生がたたって肌が荒れだしてみるみるブサメンに・・・。

モテていた私は女性からまったく相手にされなくなってしまった。

 

「イケメンに戻りたい! モテていた自信に満ちた自分に!」

 

そう強く思った私は美容商品を買いあさった。

それだけでなく皮膚科やクリニックでいろんな肌治療も受けた。

しかし・・・効果は無し。

お金と時間だけが消えていくだけだった・・・。

そんな美容中毒のように商品を買いあさっていた私が少しずつ目を覚ましていく・・・。今回はそんなお話しです。

 




 

美容商品にいくら使った?

 

「イケメンに戻るために使ったお金の総額は?」

 

思えば本当にいろんなものを買いあさってきた。

私の肌は油が出やすいので年中ベタベタ。

だから「皮脂を抑える!」というキャッチフレーズの商品にはすぐ飛びついた。

飲み薬、洗顔、化粧水や美容液などなど。

 

それから毛穴に詰まった汚れ。

これも何とかするため「毛穴キレイ」「毛穴 黒ずみ 除去」など、いろんな言葉で検索をかけて洗顔料やら汚れを落とす小道具類に飛びついた。

 

学生時代にはよくニキビができていたのでニキビ跡を治す美容液なども買っていた。

 

それだけではなく、20歳を過ぎたあたりから髭やムダ毛が気になるようになったので、それらも何とかしようとムダ毛を抑制するローションなどもしょっちゅう買っていた。

 

本当に・・・100万円は軽く超えているだろう。

 

親も「芸能人にでもなるつもり?」と呆れていた。

なぜそうまでして私はイケメンに戻りたかったのだろう?

それは私が「子供の頃からイケメン」だったところに理由があると思う。

 

人の価値は外見で決まると思ってしまった

 

私は子供の頃から外見が良かったから女の子が私を取り巻いた。

男の子からも人気があった気がする。(ホモ的な意味ではなく)

 

普通は人気者になるためには何かを持ってなくてはならない。

スポーツで活躍できる運動神経だったり、成績優秀な学力だったり、何かの特技や人を笑わせるユーモラスだったり・・・。

それらは皆少なからず努力して身につけるものだ。そして磨いていくものだ。

しかし私の場合はそんな努力など一切していない。

産まれながらのこの外見で何もしなくても人気者だったのだ。

だからかな? 私は何かを得るための努力をしてこなかった。

 

部活をやっても練習はダラダラ。上手くなるため必死になったりなどしなかった。

成績だって下の下。せいぜい赤点取らないように一夜漬けしてた程度。

人の注目集めるために特技やユーモアを身につけたりと・・・そんな努力も一切しなかった。

見てくれが良いというだけで皆が私の存在価値を認めてくれたから。

 

そんな私はいつの間にか「人間の価値は外見で決まる」そう思うようになっていた。

 

もちろん外見がすべてとは言わないが、外見の良さが何物にも勝る優位性だと思っていた。

実際何か特技を持っていたり、学力やスポーツができる子がいても、外見が悪ければ私はその子に勝った気でいたのだ。

そんなしょうもないガキだった。

 

しかしそんな私の外見が崩れさったとき・・・私には何もなかった。

何もなくなったから皆、私を見なくなったのだ。

 

ちっぽけな私の存在価値は・・・なくなったのだ。

だからとり戻したかった。

私の存在価値を。モテていた自分を。

外見をよくすることでしか人に自分の存在価値を認めさせるすべを知らない・・・私はそんなむなしい人間に育ってしまったようだ。

 




 

無害

 

今まで女の子にチヤホヤされてきたもんだから、いつの間にか私は「女の子=俺のもの」みたいな・・・まるで女の子は自分の所有物だとでも思ってるような・・・超イタい思考になってた部分があった。

だから自分に振り向かない女の子には冷たくあたるような、そんな素振りが私にはあった。(イタすぎるなコイツ)

だからブサメンになって、今度は女の子にまったく相手にされなくなったもんだから私は女の子たちに対し怒りを覚えるようになってしまった。(本当にイタすぎる)

女性は男性より空気を敏感に察知する人が多い気がする。

だからそんなイタい思考を醸し出している私を女の子たちはますます避けた。

 

「ぜったいあの女どもをふり向かせてやる! そしてボロ雑巾のように捨ててやる!」

 

その女の子たちに何かされたわけでもないのに勝手に恨んで・・・本当にバカだった。

身勝手だった。

しかし私の願いとは裏腹に買いあさる美容商品はまったく効果を表してはくれない。

お金と時間だけが消えていく。

そして私も歳をとり、20代半ばくらいになると少しは冷静に自分を見返すことができるようになっていた。

 

女の子にモテてどうしたいんだ?

チヤホヤされて何がしたいんだ?

セックスか? それがしたいのか?

何人もの女の子たちと?

それを話題に男たちと下卑た話で花咲かせたいのか?

 

・・・バカか?

 

そうやって複数の女の子たちを傷つけて・・・恨みを買っていきたいのか?

それを生きがいにでもして生きていくつもりなのか?

 

・・・バカか?

 

 

「無害」

 

・・・それに比べると今の私はなんと無害なことか。

 

女の子に手を付けるでもなく・・・傷つけることもなく・・・いてもいなくても同じような存在。

片隅でひっそりと生きてるような電柱のような存在。

それを悔しいことだと思う男も多いだろう。

しかし私は・・・いつの間にかそんな自分が気に入っていた。

 

「草食系男子」

 

そんな言葉が流行りだしていた時期だった。

私はもう女の子のことで傷つきたくない。

私が女の子に近づかない限り誰かを傷つけることはないし、私自身も傷つかなくてすむ。

雄としては完璧に終わっているだろう。

しかし私はいつの間にか・・・それでいいと思うようになっていった。

それがいいと思うようになれた。

 

そう思えたのも私がその頃、別の目標をもてていたからだろう。

この草食系な思考とその目標こそが私の美容中毒を止めてくれたと言ってもいいだろう。

 

 

今回の記事はここまでにします。

次回はその目標とは何だったのか・・・? それについて書いていこうと思います。

最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。