玄米の健康・美容効果について

更新日:2016/12/15 公開日:2016/12/09

玄米の基礎知識

白米よりも身体によいといわれている玄米。栄養たっぷりといわれている玄米で、健康・美容効果を上げるためにはどうすればよいのでしょうか。主食としての上手な食べ方や考え方を、ドクター監修の記事で解説します。

美肌に最適な食材としてあげられることが多いのが玄米です。茶色くてボソボソしておいしくなかったという、残念な経験を持つ人もいますが、玄米のなにが健康や美容によいのかを確認し、再びトライしてみてはいかがでしょうか。

玄米の栄養とは

玄米は、田んぼに実った稲の籾殻(もみがら)だけをむいた米です。白米と違って精製されていないため、糠(ぬか)や胚芽(はいが)に、多くの栄養成分が残っています。特に玄米に多く含まれている栄養成分は、ビタミンB1や食物繊維です。玄米は、ビタミンCを除くすべての栄養素をバランスよく含み、炭水化物以外の栄養成分は、玄米の方が白米よりも多く含まれています。

玄米の健康・美容効果

それでは、玄米に多く含まれている、主な栄養成分ごとの美容効果を、白米との比較で見ていきます。なお、( )内の数字は、玄米・白米の可食部100gあたりに含まれている栄養素の含有量と、玄米/白米の栄養倍率です。

食物繊維(水溶性食物繊維:玄米0.7g、白米ほぼ0、不溶性食物繊維:玄米2.3g、白米0.5g、7.4倍)

食物繊維は、腸内環境を改善し、便通をよくする効果をもち、血糖値やコレステロール値の上昇を抑制します。便通がよくなることで老廃物が効率よく体外に排出され、身体の内側から肌をきれいにします。

ビタミンB1(玄米0.41mg、白米0.08mg、5.13倍)

糖質や脂肪の代謝を促す働きをする成分です。ビタミンB1が不足すると、糖質をとってもスムーズにエネルギーに変えることができなくなります。また、イライラや倦怠感、筋肉痛、記憶力の低下、手足のしびれなどが起こります。

ビタミンE(α-トコフェロール当量)(玄米1.2mg、白米0.1mg、12倍)

過酸化脂質の生成を抑え、細胞の老化を防止します。血行を促し、冷えや肩こりを改善する役割もあります。別名若返りのビタミンともいわれ、肌のハリや髪のツヤに役立ち、老化防止に期待がもてます。

カリウム(玄米230mg、白米88mg、2.61倍)

体内の余計な塩分を排出して利尿作用をもたらすことから、むくみ解消に効果をもつ成分です。むくまない体質を作ることで、身体のダルさの改善や美しいボディラインの維持にも期待がもてます。

カルシウム(玄米9mg、白米5mg、1.8倍)

丈夫な骨や歯を作り、筋肉や神経の働きをサポートしてくれます。不足すると骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になりやすくなります。

タンパク質(玄米6.8mg、白米6.1mg、1.11倍)

筋肉や内臓、骨など、身体を構成する主成分になります。常に合成と分解をくり返し、新しく作り替えられるターンオーバー(新陳代謝)には欠かせないものです。

※出典:科学技術庁資源調査会《五訂日本食品標準成分表》

玄米を食べるときの注意点

玄米は、栄養面で優れているだけではありません。玄米は白米と比べて、GI(グリセミック・インデックス)値が低く、血糖値を上げにくい食材でもあります。白米(100g当り)のGI値が83に対して玄米ご飯(100g当り)のGI値は55と、血糖値の上昇が緩やかでインスリンの分泌も少なくて済みます。インスリンは脂肪の合成を高め、脂肪分解を抑制する力をもっているため、インスリンの分泌が少なくて済む食品がダイエット中の人にもおすすめです。ただし、玄米の摂り過ぎはお腹をゆるくしてしまったり、ミネラル分の排泄を促進してしまう可能性があります。自分に見合った量を適度に取り入れるとよいでしょう。一方で、玄米食には気をつけるべきこともあります。

胃腸への負担

玄米を食べると、白米よりも歯ごたえがあって腹持ちがよいと気づきます。玄米には食物繊維が豊富に含まれているため、腸のぜんどう運動が促されますが、それは、消化に時間がかかり、胃腸への負担が大きいということにもなります。玄米の表皮は消化されず、便と一緒に排泄されますので、デトックス効果はありますが、体調の優れない人、療養中の人、胃腸の弱い人、幼い子供などでは、玄米を食べるときに注意が必要となります。

フィチン酸

玄米にはフィチン酸という成分が含まれています。フィチン酸には、体内毒素と結合して体外に排出するデトックスの働きがあり、大腸がんなどの予防に役立つと考えられています。しかし、身体にとってよいとされる鉄や亜鉛などの微量栄養素とも結合しやすく、これらの栄養素も体外に一緒に排出されてしまうデメリットもあります。普段から鉄や亜鉛を十分に摂取していれば問題はありませんが、鉄分不足や貧血の人、亜鉛不足で味覚障害を患っている人、妊娠中の人などは、玄米を日常的に食べることは避けたほうが無難です。亜鉛は不足すると細胞の新陳代謝が低下して、疲れや肌荒れ、抜け毛の原因になることがわかっています。玄米食を続けてこれらの症状が出てきたら、玄米のデトックス効果が強すぎるサインとも考えられます。身体に合わないのに無理をして食べ続けるのではなく、適度に取り入れて様子をみるようにしましょう。

残留農薬

精製されていない玄米でもっとも心配なのは残留農薬です。糠(ぬか)の部分に農薬が残っている可能性もあります。リスクを避けるための目安として『有機JASマーク』がついた玄米をおすすめします。これは、化学合成肥料や農薬を使わず、農林水産省の定めた品質基準をクリアした正真正銘の有機食品につけられるマークです。

上手な食べ方

玄米食を食事に取り入れるときは、ふだんの食事を白米だけでなく、胚芽玄米や発芽玄米、3分づき米、5分づき米なども試す、また、週に数回は玄米、あるいは白米に何割かの玄米をブレンドするという具合に、自分の体調を見ながら取り入れていくとよいでしょう。

ひと昔前までは、玄米を炊くときは圧力鍋が必要でしたが、炊飯器が進化した現在では、手間と時間をかけなくても、玄米を炊けるようになってきました。硬くて食べにくいと感じる人には、玄米リゾットや玄米がゆという食べ方もおすすめです。玄米を食べる際には水分をたっぷりとりながら、ときにはアレンジして、無理せずに楽しんでください。