現場にアタック
担当:近堂かおり
いま人気になっている「ココナッツオイル」。
健康や美容にいいといわれ、
オーストラリア出身のスーパーモデル、
ミランダ・カーも愛用しているということで、いま女性たちの間でブーム!
(ミランダ・カーという名前が、女性たちにとって何よりの説得力!)
そこで街で、皆さんはココナッツオイルを使っていらっしゃるか、
お聞きしてみました。
*姉がココナッツオイルが好きでちょっと料理に混ぜたりとか。
この間、カレー作ってた時にちょっと混ぜてたのと、
いろんな料理を作りすぎてどこに混ぜているかさっぱり分からないですけど。
*買いました。メイク落としに使えるのと、パンに塗って食べたり。
モデルの人たちがみんな使ってるので。
*ボディオイル・・・マッサージする時に使ったり、保湿として使ってます。
*やせるとかいうけど・・・、どうなんだろうなぁと思ってみてます。
*コーヒーに入れて飲みます。前からお友達に勧められて。ボケ防止ですって。
いろんなことに使っていましたね~。
テレビや雑誌などでココナッツオイルは
かなり色々なことに使えると紹介されていて、
お声をかけた女性のほとんどはココナッツオイルこのことは知っていました。
実際に使っているという方は、料理に使ったり、体に塗ったり、アロマにしたり、
「ボケ防止にいいと聞いたから」という年配の女性もいらっしゃいました。
はたしてどこまで効果があるの・・・と思ってしまうが、実は私も最近買いました・・・(笑)
オイルの効果は気になるんですが、実はもっと気になる話を聞いたんです。
神奈川県藤沢市の樽川さんという男性なんですが、
家で今まで見たことのない光景に出くわしたというんです。
仕事から帰ってきて手洗い、うがいをしようとしたところ洗面台に水がすぐに上までたまってきちゃって。ぱっと見たら排水溝の穴の周りが真っ白く、ろうそくのろうみたいに固まっていたので、これは妻の使っているココナッツオイルだなって。
ココナッツオイルでうがいすると口の中の除菌とか歯が白くなるとかいろいろあるみたいで、「クチュクチュ、ペッ」ってやってるんですけど、多分それが原因ですね。
ほかにもクレンジングで顔に塗ったり、髪の毛にも塗ったり、コーヒーにも入れていたり、全身からココナッツの匂いがぷんぷんしてるんです。だから犯人がすぐに分かりました。
ココナッツオイルが固まって詰まってしまったんです・・・。
実はココナッツオイルは20~25℃を境に、
それ以下だと固体に、それ以上だと液体になります。
原産地であるタイやフィリピンなどの東南アジアは暑いけれど、
日本だとちょっと寒い時は固体になってしまう。
また気温は高くても、洗面所や台所のシンクだと冷たいので、
ろうそくのようなかたまりが残ることも。
ひどい場合は樽川さんのお宅のように排水が詰まってしまうこともあるんです。
実はこの樽川さん、ハウスクリーニングのお仕事をなさっている! だから、排水溝もお掃除は完璧で、いままで一度も詰まったことなんて無かったので、何事か!? とびっくりしたそうです。
そして、お仕事で最近、お掃除に伺うお宅でも、ココナッツオイルを見かけることが多くなったといいます。
お客様のお宅でココナッツオイルが置いてあると、「排水溝に流すと詰まっちゃいますよ」という注意は日々しています。うちのお店は30~50代の女性が多いですが、そのまま流している方も多いような印象は受けます。「そうなんだ、知らなかった」みたいなことを皆さんおっしゃいますね。
そのまま流したら詰まってしまう・・・詰まってしまったら困りますよね。
樽川さんは、お風呂よりやや低いぐらいの温度のお湯を流してブラシでこすって詰まりを取ったいうことですが、樽川さんはプロで、掃除の道具も技もお持ちだから、まだ良かったですよね。
樽川さんは、奥さんに、「もううがいのあとに直接捨てたらだめ!」と注意したそうです。
インターネットや雑誌などでも、うがいのあとは、流しに直接出さずに、ティッシュなどに出すように、と注意書きがありますからね。
ただ、ココナッツオイルをお風呂にスプーン1杯ぐらい入れるという使い方や、洗髪前にココナッツオイルでマッサージをするといい、といった使い方も紹介されているのですが、お湯を捨てる時の注意は特に触れられていないことが多いんです。
お湯を流して綺麗になるのは家の排水溝の入り口だけ・・・。その先は大丈夫なんでしょうか?
ココナッツオイル入りのお風呂のお湯は、そのまま捨てて大丈夫なの?
東京都下水道局・排水設備課の久本洋二さんに伺ってみました。
お風呂で使ったりするとその時はまだ温かいので溶けたままですけども、そのあと排水溝でも温度が高いのでそこで固まらずに、下水道管に入った時にどうしても冷えてしまいますので、その中で固まってしまうということがあると思います。管の中にびっちり詰まってしまうこともあります。そうすると元々流す能力があるのに流せなくなったり、大雨の時に固まった油が流れることになります。我々は「オイルボール」と呼んでいます。ボールといっても形はいびつで、20㎝ぐらいの大きさのものもあります。プカプカ浮いて、お台場のほうに流れ着いたことも昔はありました。そういうわけで東京都下水道局としては、ほかの油と同じように、使い切るか、拭き取るか、吸い取るかということをお願いしたいと思っています。
東京都や水道関係の会社にいくつか伺ったところ、ココナッツオイルが原因で排水が詰まったという相談はまだ目立っていないようですが、販売業者のみなさんは、お客さんにもっと注意を促したほうがいいのではないでしょうか。
また、美容や健康にいい! と流行するものって、今までのように食べ物の場合は、食べるだけだからよかったですが、使う私たちも、『ココナッツオイルは、その使い方だけではなくて、処理の仕方についてまで、きちんと気を遣わなくてはいけないものだ』 ということを知っておかないといけないな、と思いました。