番外編★【海外ワーキングガール事情 Vol.3 前編】香港でエステサロンを経営 アジア各国に美容情報も発信中
本コラムでは、日本とは異なる習慣や文化の中で、自分らしく輝いて生きている女性たちのお仕事や暮らしにスポットをあて、海外から「生」の声をお伝えいたします。
Vol.3でご紹介するのは、香港の一等地でエステサロンを経営する
杉村さとりさん。予約でいっぱいの人気サロンを創り上げた杉村さんが香港で学んだこととは? 活気あふれる香港の様子、そして同じアジアでありながらも日本では考えられないような香港人の生活習慣などあわせて、興味深いレポートをご紹介します。
香港の一等地にサロンをオープン
(以下香港在住の杉村さとりさんよりお伝えいたします)
私は香港でエステティックサロンを経営しています。まずは私が暮らす香港について少しお話しましょう。
中国の特別行政区・香港は、「自由港」(自国の関税法を適用しないで外国貨物の自由な出入が認められる)のため、世界の金融や流通の要所となっています。また、多国籍企業がアジアの拠点として進出してきている場所でもあることから、世界でも有数の文化発信地でもあります。
東京都の約半分の面積のこの土地には、700万人を超える人々が住んでおり、最も多い人種は「華人」と
呼ばれる中国系で全体の95%近くを占めます。華人以外だとインド、フィリピン、アメリカ人と続き、日本人は約2万人程だと言われています。
狭い土地の中に700万人もの人が住んでいるため、土地価格は世界1位!
土地もなく、地震があまり起きないため、オフィス街だけでなく生活をする場所でさえも50階建て、80階建てなどの高層が多いのが特徴です。
食の香港と言われるだけあり、中華料理とひとくちに言っても、北京、広東、四川、上海と分かれ、イタリアン、フレンチ、インド、ベトナム、タイ、もちろん日本食もいたる所にあります。また香港では家で食べるよりも外食をする人が多く、屋台から高級料理までスタイルが様々。日本では考えられないことですが、毎日外食という家族も珍しくありません。
気候は亜熱帯地域に位置するため、基本的には28度〜34度程ですが、12月から2月までは10度を下回ることもあります。3月に入ると急に暖かくなり湿度が90%とじめじめした暑さで、湿気を取るために年中冷房がついています。冬の寒い時期でさえも冷房をつけるレストランが多く存在します。
観光といえば100万ドルの夜景が一望できるビクトリアピークが有名ですが、道にせり出した派手な看板を見ながら九龍側のメインストリートを歩くのも日本人に根強い人気です。これは香港名物のひとつなので、みなさんもテレビや映画などで一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
私はもともと日本で大手エステサロンに勤務していましたが、結婚を期にいわゆる駐在の妻として香港に
移住。手に職があったため、有り余る時間を有効活用したい‼ と思い、現地でエステベッドやマシンを購入したのが、渡港して1ヵ月後の事でした。自宅マンションの一室を使い、口コミ、紹介のみでエステを営んでいましたが、その後夫とは離婚。それを機に本格的にサロンを展開してみようと、マンションの一室に新たにプライベートサロンをオープンさせました。
その当時は宣伝をする財力もなかったため、とにかくブログを活用しよう‼ とブログに施術の効果を載せ集客しました。すると、有り難いことにあっという間に予約がとれないまでになったのです。海外に住む日本人にとっては、ブログからの情報がとても重要視されていたようです。
その後、現地でスタッフを雇い、プライベート空間も大きくしていったあと、2013年9月に香港の中心街「Cause Way Bay」の一等地にサロン「Shine」をオープンすることが出来ました。渡港して9年目のことです。
大所帯でエステに来る華人
私のサロンの顧客は約90%が現地に住む日本人です。残り10 %が現地のお客様という訳ですが、彼女たちの
対応をしていて日本人と決定的に違うこと ーそれは《時間にルーズ》ということです。日本人にとっては
5分前行動というのが普通ですが、現地の人は、30分の遅刻は普通、1時間遅れてくるのに連絡もなかなか
いただけないという事も多々あります。そのため、時間通りに施術が出来ない事もあります。
また、考え方が利己的で、せっかちです。それと習慣だと思いますが 決まった施術金額や商品の価格も必ず交渉してくるという人が多く、こうした現地の人に慣れるのにとても時間がかかりました。
現地の人は、親族との絆がとても深いのが特徴です。エステの予約ですら、大勢で(親戚数名と)一緒に来られ、一度に沢山の方の対応を強いられる事があります(その代わり一度気に入っていただけると、親族、友人全ての方をご紹介いただけるというメリットもあります!)。
現地の人の採用面接をしたときなどは、旦那さんが一緒についてきたり、彼氏が面接に同伴するという事もありました。そのように、現地の人、いわゆる華人は家族、親族との付き合いをとても大事にするので、週2、3回は親族と食事をとる事が多いです。香港で有名な飲茶などでは、円卓を10名以上で囲む光景をよく見ます。また香港は、子供が親を食べさせる文化があり、ある一定の年になると親に毎月仕送りをするのが普通です。いつまでも親のすねをかじっている人がいる日本とはまったく違う文化ですね。
さて、<後編>では、香港の社会において重要なこと、起業して会社を設立した時に杉村さとりさんが感じたことをご紹介します。ぜひご覧ください。
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転載元「研修出版発行 月刊OLマニュアル 2014年3月号 35頁から40頁掲載」(WEB転載許諾取得済)