書類の保管期間

書類作成の最初の段階で書類保管期限を決める

ドキュメントマネージメントフローの最後の工程「廃棄」は書類作成時に決めておくことが理想です。
廃棄のことを予め考えておかないと、本来必要がなくなったにも関わらず書類は溜まる一方になってしまいます。そのため書類作成時に「この書類はいつまで保管しておくものなのか?」を判断しておくことが大切なのです。
書類の廃棄時期別に書類を管理していくことは効率的な書類管理の第一歩です。

廃棄時期に関しては、まずは法律で保存期間が決まっている「法定保存文書」を理解しましょう。
文書の保存を義務づける法律には、会社法や各種の税法、労働基準法、健康保険法、厚生年金保険法など業種を問わずに普遍的に適用される法律のほかに、それぞれの業種に関する法律もあります。
税法関係や労働基準法関係などは、所定の期間、文書が保存されていないと罰則が適用される場合もあり不利益を被ることがありますのでしっかり把握しておく必要があります。

法律で保存が義務づけられている書類

文書の保存を義務づけている法律には次のようなものがあります。法律によって、保存期間の起算日が異なることにも注意しましょう。

なお、法定の保存期間はあくまで最低限度を定めた期間。そのため会社にとっての必要性や安全性などを考慮して、適宜期間を延長する必要がないかどうか社内ルールを決める必要があることも覚えておきましょう。

保存期間が比較的短い書類(短期保存)1〜3年

保存年限分類該当する文書
2年人事・労務関係健康保険・厚生年金保険に関する書類
2年人事・労務関係雇用保険に関する書類3年総務・庶務関係四半期報告書、半期報告書およびその訂正報告書の写し3年人事・労務関係労働者名簿3年人事・労務関係賃金台帳3年人事・労務関係雇入れ・解雇・退職に関する書類3年人事・労務関係賃金その他労働関係の重要書類
(労働時間を記録するタイムカード、残業命令書、残業報告書など)
3年人事・労務関係労災保険に関する書類3年人事・労務関係労働保険の徴収・納付等の関係書類3年人事・労務関係派遣元管理台帳3年人事・労務関係派遣先管理台帳3年人事・労務関係身体障害者等であることを明らかにすることができる書類
(診断書など)
4年人事・労務関係雇用保険の被保険者に関する書類

保存期間が長い書類(中期保存)5年

保存年限分類該当する文書
5年経理・税務関係監査報告
5年経理・税務関係会計監査報告
5年経理・税務関係会計参与が備え置くべき計算書類、附属明細書、会計参与報告
5年総務・庶務関係事業報告
5年総務・庶務関係有価証券届出書・有価証券報告書およびその添付書類、訂正届出(報告)書の写し
5年総務・庶務関係産業廃棄物管理票(マニフェスト)の写し
5年総務・庶務関係産業廃棄物処理の委託契約書
5年人事・労務関係従業員の身元保証書
5年人事・労務関係誓約書等の書類

保存期間がとても長い書類(長期保管)6〜10年

保存年限分類該当する文書
7年経理・税務関係取引に関する帳簿
(仕訳帳、現金出納帳、固定資産台帳、売掛帳、買掛帳など)
7年経理・税務関係決算に関して作成された書類(上に挙げた、会社法で10年保存が義務づけられている書類以外)
7年経理・税務関係現金の収受、払出し、預貯金の預入れ・引出しに際して作成された取引証憑書類(領収書、預金通帳、借用証など)
7年経理・税務関係有価証券の取引に際して作成された証憑書類
7年経理・税務関係取引証憑書類
(請求書、注文請書、契約書、見積書、仕入伝票など)
7年経理・税務関係電子取引の取引情報に係る電磁的記録(取引に関して受領または交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項の記録)
7年経理・税務関係源泉徴収簿(賃金台帳)
7年経理・税務関係課税仕入等の税額の控除に係る帳簿、請求書等(5年経過後は、帳簿または請求書等のいずれかを保存)
10年経理・税務関係計算書類および附属明細書(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表)
10年経理・税務関係会計帳簿および事業に関する重要書類(総勘定元帳、各種補助簿など)

破棄することができない書類(永久保管)

保存年限分類該当する文書
永久総務・庶務関係定款
永久総務・庶務関係株主名簿等
永久総務・庶務関係登記・訴訟関係書類等
永久総務・庶務関係知的所有権に関する関係書類(特許証や登録証、特許料や登録料の受領書など)
永久総務・庶務関係社規・社則およびこれに類する通達文書
永久総務・庶務関係効力の永続する契約に関する文書
永久総務・庶務関係重要な権利や財産の得喪等に関する文書
永久総務・庶務関係社報・社内報、重要刊行物
永久総務・庶務関係製品の開発・設計に関する重要な文書

法律で保存期間を定められていない書類(法定保存文書以外)

法律で規定されていない書類は、自社で保存期間を定めることになります。
全社一律に決められるものもありますが、部門ごとに決めるほうが現実的で守りやすいルールとなります。ただしその際には、同じ文書が部門によって期限がバラバラになることが無いように、最後には、全社で統一していきましょう。

文書を作成するタイミングで書類の廃棄の時期を決定することができない場合も多くあります。そこで具体的な期間が決められない場合は「短期保管」か「中長期保管」のどちらかだけでも判断してファイリングをしていきましょう。

保存期間を決める時の様々な基準

法定保存文書以外の書類についての保存期間を決める場合の基準には以下のようなことを含めて考えていくとよいでしょう。

一方、保管期限が単純なルールで決められないものとして契約書類があります。契約書はその有効期限が明確なものと自動更新で不定期に続いていくものがあります。このような契約書類は他の書類とは区別して管理方法を決めておくとよいでしょう。

  • ・会社の業務遂行上の必要性(経営上の視点)
  • ・トラブルや訴訟に巻き込まれた場合の立証上の必要性(訴訟を前提としたリスクマネジメントの視点)
  • ・会社の歴史上の重要性(社史の編纂時などにおける必要性の視点)

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