【北海道新聞】
古代ギリシャのアテネに「民会」と呼ばれる市民総会があったのは有名な話だ。18歳以上の市民権を持つ男性なら誰もが参加できたという▼政治や外交の議論を議員に任せるのではなく皆で考える。理想は高かったが、問題もあった。会場いっぱいの6千人が集う場合、発言が多くて審議がはかどらない。くだらない演説を繰・・・[続きを読む]
【河北新報】
手紙やメールに出てくる「PS」は英語の「ポストスクリプト」の略語で追伸、後文の意味がある。本文を書いていて後から読み返したら「あ、あれを書き忘れた」となった場合、後ろに「PS…」と書き添える。結構便利な用語である▼仙台港で建設が進む石炭火力発電所の仙台パワーステーション(出力11万2千キロワッ・・・[続きを読む]
【東奥日報】
金魚は、いまのように自分で掬(すく)うのではなく、好きな色のものを指さす。すると、金魚屋が小さな網で掬って容器に入れてくれたという。青いガラス瓶をみて、思わずゴクリと喉がなったのはラムネである。綿あめはデビューしたての、新しい甘味であったらしい。明治の終わりから大正にかけての、宵宮(よいみや)・・・[続きを読む]
【デーリー東北】
天鐘(6月15日)公園の砂場や遊具で遊んでいた子どもが帰っても、そこは楽しい気分にさせてくれる場所である。姿が見えなくなる直前までの遊びの形跡が砂上などに残されているからだ▼小さな足跡から、砂場を行ったり来たりした幼子もいただろう。詩人の千家元麿(もとまろ)の作品『初めて子供を』には「子供はそ・・・[続きを読む]
【秋田魁新報】
秋田市役所の新庁舎が開庁して1年以上たつというのに、たまに出掛けて中央エレベーターに乗るときは緊張する。エレベーター内の監視カメラが気になるのだ▼カメラが捉えた内部の様子は、各階エレベーターホールのモニター画面に映し出される。災害時などに人が閉じ込められていないか確認するための画面ではあっても・・・[続きを読む]
【山形新聞】
▼▽これまで蓄積された手数は無限に近く、その上さらに新戦法が次から次へと生まれ出る。だから将棋はとてつもなく「巨大な生きもの」なのだ。初の大卒プロ棋士、名観戦記者でもあった加藤治郎名誉九段の言である。▼▽ただしそれから30年余を経て、世の中にはさらに巨大な存在が姿を現したようでもある。超高速で学習・・・[続きを読む]
【岩手日報】
2017.6.15この季節になると、山本周五郎の短編「つゆのひぬま」を思い出す。題名の「つゆ」は梅雨のことだと思い込み、小説を読んでその意味を初めて知った記憶がある。同じような誤解をしている人も多いらしい▼種明かしをすれば、「露の干ぬ間」。朝露が乾いてしまうまでの短い時間を指す。舞台は深川の小・・・[続きを読む]
【福島民報】
走ってみようか(6月15日)ここ数日、朝夕、涼しい日が続く。郡山市の開成山公園周辺ではジョギングに汗を流す市民ランナーの姿が目立つ。心地よい風に吹かれ、さっそうと走る光景を見るにつけ、「走ってみようか」と衝動にかられる。郡山シティーマラソンは、ハーフマラソン部門の新設も手伝って過去最多の8100人・・・[続きを読む]
【福島民友新聞】
囲碁は中国文明の黎明期から伝わるゲームで、日本でも古代から親しまれている。碁盤に刻まれた361の目に黒石、白石を置き、囲った陣地が広い方が勝つ。シンプルなルールと、言語や文化に縛られない抽象性が特徴だ▼コンピュータープログラムを開発しているイギリス企業の囲碁ソフトが「世界で一番強い」とされる中・・・[続きを読む]
【下野新聞】
「栃木県」という県名が初めて登場したのは明治4(1871)年のことである。当時は現在の県南、県西部がエリアで、2年後に県北、県東部などで構成する「宇都宮県」と合併し、新たな栃木県が誕生した▼ただ、この時には群馬県館林市の一部も含まれており、県域が確定するまでにはさらに3年を要する。きょう15日は「・・・[続きを読む]
【茨城新聞】
郷土の大先輩を思い、あらためて綱の重みを感じたことだろう。大相撲の横綱稀勢の里が、水戸市にある第19代横綱常陸山の像の前で土俵入りを披露した。常陸山は明治後期の相撲の黄金時代の中心として活躍し「角聖」と呼ばれた大横綱だ▼高安の大関昇進もあり県民の関心が高まる大相撲。その勝負の場となる土俵には稲わら・・・[続きを読む]
【上毛新聞】
▼カタカイ、カマクラ、カワバタ、タチバナ、ハケ。前橋市内のこれらの地名は全て崖地に関係する。かつて利根川の浸食によって崖が形成された土地を示している。市内の内科医、小野久米夫さん(62)が教えてくれた▼中心市街地にある前橋プラザ元気21近くの坂道も、この地に利根川が流れていた名残という。現在の流路と・・・[続きを読む]
【信濃毎日新聞】
「野あそび」とタイトルが付いた絵は早春の野草摘みを描いているのだろう。伊予絣(がすり)のはんてんを羽織る女の子と綿入れの着物を着てびくを提げた少年。頬が赤く目が優しい。長野市の北野カルチュラルセンターで展示している一点だ◆松本市板場の布工芸作家、徳嵩(とくたけ)よし江さんが企画した「信州の針仕・・・[続きを読む]
【新潟日報】
6月15日しわが刻まれた手であろう。「いろは」を習う母がいた。貧しさのため小学校に通えなかった。息子に手紙を書きたくて毎晩こたつで背を丸め、字を習う。寝ても、わが子が拷問されている夢ばかり見て、目を覚ます▼息子は作家、小林多喜二。刑務所に入れられていた。不条理を描いた代表作「蟹工船」もそうだが・・・[続きを読む]
【中日新聞】
画家の熊谷守一(もりかず)さんは、庭で寝っ転がるのが好きだったそうだ。「地面の高さで見る庭はまた別の景色で、蟻(あり)たちの動きを見ているだけで夕方になった」ときもあったそうで、ついにはこんな“発見”をした▼「地面に頬杖(ほおづえ)つきながら、蟻の歩き方を幾年も見ていてわかったんですが、蟻は左・・・[続きを読む]
【伊勢新聞】
▼上岡龍太郎がテレビで「われわれジャーナリストは」と言った時は、えっ、お笑いタレントがジャーナリストだってとおかしかったが、思えば不明の至りだった。室町時代の二条河原の落書に始まり、明治時代の川上音二郎のオッペケペー節など、庶民の芸能には反権力の素地が脈々と息づいてきた▼上岡龍太郎が所属する漫・・・[続きを読む]
【静岡新聞】
2017年6月15日【大自在】(2017/6/1508:03)▼電話で伺った道順をたどるまでもなく、その場所はすぐに分かった。静岡市清水区の旧蒲原宿に先月オープンした「駄菓子ツバメ」。人通りの少ない旧東海道の街並みの一角に響く笑い声。店先は子どもたちで大にぎわいだった▼きなこ棒に酢コンブ、あめ玉。どれも10円から・・・[続きを読む]
【北國新聞】
きょうのコラム『時鐘』2017/06/1502:15街中(まちなか)の原(はら)っぱは遊(あそ)び場(ば)で、いつも土管(どかん)が転(ころ)がっていた。今(いま)の子(こ)どもたちは漫画(まんが)「ドラえもん」でしか知(し)らない戦後(せんご)日本(にほん)の風景(ふうけい)であるまさか平成(へいせい)の世(よ・・・[続きを読む]
【福井新聞】
【越山若水】「蛍火の明滅滅の深かりき細見綾子」。近くの川べりにホタルが飛び交っている。夜の闇をほの明るく照らす幾筋もの光が、見る者を幻想的な世界へといざなう▼時にはオス同士の発光が同調する集団明滅現象も見られる。マレーシアには大量のホタルが群がり、クリスマスツリーのように光る観光スポットがある・・・[続きを読む]
【京都新聞】
米国の初代大統領ワシントンといえば、少年時代に父親が大切にしていた桜の木を切った逸話が有名だ。そのことを父に打ち明け、逆に「正直さは桜の木千本よりも価値がある」とほめられたと伝わる▼正直さは米国人にとって最も重視されるべき規範であり、決してうそをついてはならないとの教訓である。ところが、第45・・・[続きを読む]
【神戸新聞】
落語「桃太郎」は桂米朝さんが好んだ演目である。「子どもを扱った落語では傑作の一つ」という。寝かしつけようと、父が桃太郎の昔話をし始めた。すると子どもがむっくり起きて…◆本当は奥の深い話と父を諭す。第一、舞台になる島も「渡る世間を鬼ヶ島にたとえてある。人間と生まれたら世の中の苦労をせんならん。こ・・・[続きを読む]
【奈良新聞】
現職に2新人が挑む大和郡山市の市長選も激戦模様で、終盤に突入した。県下の市長選は、このところ現職が厳しい戦いを強いられている。それだけに最後まで予断を許さない情勢だ。来月行われる県都・奈良市の市長選も、ようやく立候補予定者が固まり、それぞれの動きが活発化し出した。政党は今のところ自民党が新人を推・・・[続きを読む]
【紀伊民報】
半世紀に及ぶ新聞記者生活で書いた記事は数え切れない。けれども、それが全文、英字新聞に転載された記憶は少ない。その一つが2004年2月29日朝日新聞に掲載された「コウノトリ再び舞うか」である。「環境ルネサンス」という全ページ特集の1回目で、広く英語圏に発信された。▼そこでは、兵庫県豊岡市の山あいで行・・・[続きを読む]
【山陽新聞】
今月18日は、国連が定めた「持続可能な美食の日」だという。昨年暮れ、日本をはじめとする約40カ国が共同で提案し、採択された▼世界各地の食を支えている途上国で、重労働や貧困に苦しんでいる農家や漁業者は少なくない。美食の裏にある現実に目を向けながら食の在り方を考えようという趣旨である▼食べ物だけに・・・[続きを読む]
【中国新聞】
ドライブレコーダー2017/6/15何度見ても目を疑う。反対車線からいきなり乗用車が中央分離帯を跳び越え、宙を舞いながら突っ込んでくる。その瞬間の映像に思わず息をのんだ人も多かろう。愛知県の東名高速道で起きた信じ難い事故である▲空跳ぶ車の姿を捉えたのは衝突された観光バスのドライブレコーダーだった。文字通り・・・[続きを読む]
【日本海新聞】
兵庫県知事選挙が告示を迎えた。かつての五つの国で構成され、多様な文化と伝統、自然に彩られた広大な県域は、よく日本の縮図といわれる。大都会に山間集落、人口密集地に過疎地域が混在する中で、今後の県政のかじ取りを誰に託すのか◆県政課題では、これまで県土の均衡ある発展が掲げられてきた。課題解消に高速道・・・[続きを読む]
【山陰中央新報】
5月末にあった島根県立大の中期目標を検討する会議での議論を聞き、思わずうなずいた。委員の一人が、新卒で就職して3年以内に転職を志す「第二新卒」のUターンに力を入れてはどうかと提案した▼第二新卒は大卒で3割を超える。昨年度23%だった浜田キャンパスの卒業生の県内就職率を上げるには、県外に出た卒業・・・[続きを読む]
【山口新聞】
〈はるばるとたづね秋穂の浦浪にともに散るとはあわれなりけり〉−。幕末、山口市秋穂で心中した吉岡新太郎と山村まさ。その、まさの墓に刻まれているのがこの追善和歌▼吉岡は幕府討伐軍に加わった諸隊の「鋭武隊」小隊司令、まさは大阪・難波の商人の娘。2人が出会ったのは明治と改元される1868年の正月。吉岡・・・[続きを読む]
【愛媛新聞】
かつてタイの高速道路を走行中、反対車線から大型バスが飛び出してくる恐怖に直面した。衝突の難を逃れられたのは中央分離帯のおかげ。路面が深く掘り下げられプールのようになっており、バスは落ち込んで水しぶきを上げながら止まった▲平たんな土地が広がる国だからこそ可能な造り。安価で仕上げられるとも聞いた。・・・[続きを読む]
【徳島新聞】
どこの国だってほんとうの善人は多くない、はなはだ少ない。美しい人も多くはない、はなはだ少ない。しかしいないことはない。ただそういう人にめったに会うことができないだけだ−武者小路実篤「友情」「上司の許可なく外部に流出させた場合、国家公務員法違反になる」。記録文書を流出させた内部告発者に関して、義・・・[続きを読む]
【高知新聞】
半世紀ぶりに大阪・新世界の通天閣に登った。名物の串カツ屋をはじめ付近は小ぎれいになり、外国人観光客の姿が目立つ。前回はいなかった「ビリケンさん」にも会うことができた。ビリケンは1908年に米国で生まれた幸福の神様。程なく日本でも人気を博し、16年に首相に就任した陸軍大将の寺内正毅は「ビリケン宰・・・[続きを読む]
【西日本新聞】
「日本に女性の天皇は何人?」。テレビのクイズ番組の問題。推古、皇極、持統…。思いつくままに折る指がこのあたりで止まった。すべて答えられる人はどれくらいいようか▼正解は「10代8人」。数字が2通りあるのは、退位後、もう一度即位した人が2人いるからだ。皇極、孝謙天皇が、それぞれ斉明、称徳天皇として・・・[続きを読む]
【宮崎日日新聞】
ほとんど人のいない傍聴席、自治会の要望と変わらないささいな質問-。県内のいくつかの市町村議会を傍聴したが、時々、地方議会の存在意義について悩むことがあった。その度に、住民自治の理念を確立するには相応のコストがかかるんだと自分に言い聞かせてきたが、まさかこんなウルトラCがあるとは知らなかった。高知・・・[続きを読む]
【長崎新聞】
「超」が付くほど博学で、旅人でもあったドイツ人が17世紀、出島から古浄瑠璃の"台本"をこっそり持ち出した。それが320年ほどの時を経て今月、ロンドンで上演された−という話を先日の本欄で書いたら、長崎に来た「旅人」をもう一人、読者に手紙で教えてもらった▲「ガリバー旅行記」の主人公という。あまり知られ・・・[続きを読む]
【佐賀新聞】
作家の書斎2017年06月15日05時00分「黒々とした波の壁は、さらにせり上がって屹立(きつりつ)した峰と化した」「家屋は、たたきつけられて圧壊し、海岸一帯には白く泡立つ海水が渦巻いた」−。東日本大震災の描写ではない。121年前のきょう、1896(明治29)年に東北地方を襲った「明治三陸地震」の巨大津波であ・・・[続きを読む]
【南日本新聞】
「信なくば立たず」。政治に対する民衆の信頼がなければ、国は立ち行かないという論語の教えである。大詰めを迎えた国会は国民の目にどう映っているだろう。「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の審議を巡り、与党は参院法務委員会の採決を省いて本会議での採決をうかがい、成立へ向け一気にかじを切っ・・・[続きを読む]
【琉球新報】
学生時代に助っ人として都内でみこしを担いだことがある。終わった後、祭りの世話役がくれた缶ビールを手に見入った華やかな舞いが阿波踊りだった▼本場は徳島だが、関東など各地の祭りで踊られる。その踊り手の集団は「連」と呼ばれる。エイサーで言えば青年団や演舞集団に当たるだろうか。「エイサーしんか」といっ・・・[続きを読む]
【沖縄タイムス】
「戦前は決して平和な時代ではなかった」。先日、読者からお叱りのメールが届いた。5日付1面で報じた朝日新聞記者が撮影した戦前の沖縄の写真発見との記事の「82年前、平和世の記憶」との見出しへの指摘である▼1931年に満州事変が起き、戦前の沖縄では徴兵忌避もあった。第2次大戦前で平和的な雰囲気はあっ・・・[続きを読む]