速く、薄く、長持ちに変身!「バイオU」

デザイン、CPU、液晶、バッテリー、ポインター すべて新しくなった「PCG-U101」

2003年03月25日


 両手で持ちながら操作できる「モバイルグリップ・スタイル」が特徴のソニーの「バイオU」。スタイルだけでなく、A5サイズの小さなボディにきちんとXGA(1024×768ドット)表示ができるなど、基本も押さえモバイラーに人気を集めていた。それがパワーアップすると同時に新たな利用スタイルも可能になり、「PCG-U101」として生まれ変わった。発売開始は5月10日だが、その試作機を試用できたのでファーストインプレッションをお届けしよう。

●本体に収まるバッテリーで薄くなった!

 今回のU101は、大きさやコンセプトは初代の「PCG-U1」や前モデルの「同U3」のままに、デザインや機能では大きく進化している。まずは外観だが、ひと目でわかるのはバッテリーの扱いだ。U1/U3では本体底面の後方に装着していたバッテリーが、底面全体を覆う平たい形状となった。薄型化しやすいリチウムイオンポリマー電池を採用することで、厚さは1cm薄くなっている。バッテリー駆動時間は、バックライトを消せば最大5.5時間、バックライト点灯時でも最大5時間使用できる。別売のバッテリーパック(L)を利用すれば、最大で13.5時間とさらに長時間駆動が可能である。


初代機「PCG-U1」(左)と比べてみた。液晶周りの額縁部分が狭くなり、画面の大きさが6.4型から7.1型へと大きくなっているのが目立つ。バッテリーが本体内に収容され、厚みが約1cm薄くなっている

標準バッテリーは本体底面にスッポリはまる薄型リチウムイオンポリマー電池。両手で持ちやすいようにくぼみもつけられている。これで最大5.5時間(バックライトOFF時)の駆動が可能液晶ディスプレイ右側面には無線LANのスイッチがある。スイッチにランプが埋め込まれていて動作中かどうか、すぐに確認できる

 開けてみるとさらに違いがハッキリしてくる。まず液晶サイズが大きい。U1/U3では6.4型の低温ポリシリコン液晶だったが、U101では7.1型のCG(Continuous Grain:連続粒界結晶)シリコン液晶を搭載。大画面でより見やすくなった。またこの液晶、通常は一般的な透過型液晶のように使えるが、反射型としても利用できるタイプで、外光の豊富な戸外ではバックライトを消して使用できる。それが省電力になりバッテリー駆動時間を延ばすことにつながった。バックライトを消したときの見やすさだが、反射型液晶には及ばないものの、直射日光下などでは十分に使えるレベルだ。

●中身も一新、専用CPUでパフォーマンスも向上

 変わったのは外側だけではない。中身も一新されている。いちばん大きな変化はCPUが変わったこと。従来のCrusoe TM5800から超低電圧版モバイルCeleron 600A MHzになった。なんだCeleronの600MHzかと思うかもしれないが、このCPUはU101用に作られたもので最新のPentium M(低消費電力時)並みの性能を備えている。最近のノートに多く採用されている超低電圧版モバイルPentium III 1GHzよりも高いパフォーマンスを発揮してくれるハイパワーなCPUなのだ。

 このあたりはCPUパワーを使うMPEG2のエンコーディングなどを行ってみると実感できるだろう。Crusoeでは、多くのビデオ編集ソフトで「必要なCPU命令をサポートしていません。インストールを中止します」というメッセージが表示され、インストールさえできないこともある。そういったことがなくなるという意味でも、今回のCPUの変更は歓迎できる。

 CPUの変更にともない、チップセットも変わり、メモリーも高速なDDR SDRAMへと変わった。ビデオも3Dアクセラレーション対応の「ATI MOBILITY RADEON」に変更されている。インタフェース類では、USBが2.0対応になり、IEEE802.11b無線LANを内蔵するなどの強化がされている。

 ポインティングデバイスは、キーボード上でひときわ目立つ2つの白いリングの部分。この右側中央にあるスティック状の「マルチポインター」によりマウスカーソルを移動させ、左側のリング内にあるボタンをクリックすることで各種操作を行。この基本操作自体は従来機と変わらないが、U101ではマルチポインターに押す動作を加え、マウスの左ボタンの機能も付加した。これにより、マルチポインターの操作だけでダブルクリックやドラッグ&ドロップを実行できる。ただ使い勝手は、クリック感がないため押したという感覚がイマイチつかめないのが難点だ。


カーソルキーが、右上のマルチポインターを中心とした操作部「4wayマルチコントローラー」に移動したため、キー配列は一般的なノートとほぼ同じに。キーピッチはU1/U3よりも狭くなったが、配列のせいか打ちやすくなったように感じる

 キーボードも改善されている。U1/U3では一部のキーの配列が変則的だったが、U101では一般的なキー配列に近くなり、違和感がなくなった。ただし、カーソルキーがキーボード右上のマルチポインターの周囲に移ったため、カーソルキーを多用する人は慣れが必要だ。キーピッチはU1/U3よりも狭くなったが、配列がマトモになったのでかえって打ちやすく感じた。右Altや右Ctrl、右Fnキーもちゃんと装備されている。


ローテーションボタン(ズームボタン長押し)を押すと画面が90°回転し、「モバイルブック・スタイル」に。本のように持って電子書籍を読むこともできる




本体左右側面のインタフェース類は電源ジャックを除いてすべてカバーで保護されている。PCカードスロットは左側面後方にあり、手前にIEEE1394やUSB2.0を配置している。USB2.0は背面にも用意されている

 デザインも、中身もU1/U3とは大きく変わったPCG-U101。ここまでくるとコンセプトや大きさはそのままに、ほとんど別のマシンといっても過言ではなさそうだ。このサイズに、XGA画面と十分なパフォーマンスとポート類を備えており、気軽にどこでも持ち歩きたい人にはかなりオススメのミニノート。実売価格は15万9800円程度と手ごろ。ソニースタイルではOSをWindows XP Professionalに、メモリーを512MBにしたPCG-U101/Pも用意している。価格は17万9800円とお買い得。筆者はこちらを買うつもりだ。

(関 司=ライター)

機種名 PCG-U101
実売価格 15万9800円
CPU 超低電圧版モバイルCeleron 600A MHz
メモリー(最大) 256MB(512MB)
ディスプレイ 7.1型CGシリコンTFT液晶(1024×768ドット、最大約1677万色)
HDD 約30GB
無線機能 内蔵無線LAN(IEEE802.11b)
インタフェース USB2.0×2、IEEE1394、LAN、外部ディスプレイ出力、MG対応メモリースティックスロット、PCカードスロット(Type II)、ヘッドホン出力、マイク入力
バッテリー駆動時間 最大約5.5時間
外形寸法/重さ 178.8(W)×139.5(D)×34.1(H)mm/約880g
発売日 5月10日