さて、一旦薬の力を借りて陰嚢湿疹を発症前の状態に戻したとしましょう。
問題は「この状態をいかにしてキープするか」ということと、「本当の意味で完治するために何をしていけばいいか」ということです。
別のページでもお話しした通り、ステロイドも含めた薬剤投与によって肌の状態をよくしても、そのままにしておくと遅かれ早かれまた症状が出てきます。
ここで、そもそもどういう順番で陰嚢湿疹が発症するかをもう一度考えてみましょう。
陰嚢湿疹は突如として耐え難いほどのかゆみに襲われ、ついかきむしってしまうことで症状が急速に悪化していきます。
ポイントは「かゆみが発生する」ことと、「かきこわして症状が悪化してしまう」という2点。
これらをコントロールすることが完治への近道です。
皮膚のバリア機能とは
ここでは後者にフォーカスしたいのですが、陰嚢湿疹を含め、かゆみを伴う皮膚の病気でよく言われることに
「皮膚のバリア機能が失われる」ということがあります。
通常、皮膚にはある程度の皮脂が存在していて、これが皮膚をなめらかに保っています。また、皮膚の水分を一定に保つ役割も果たしているのです。これらを称して皮膚のバリア機能というわけですね。
ところが、何らかの原因でこの皮脂の分泌がうまくできなくなると、水分を保つことができなくなった皮膚はどんどん乾燥がすすんでしまいます。
さらに、乾燥した皮膚はだんだんとけばだってきて、刺激に敏感になってきます。
これ自体がかゆみを誘発することもありますし、別の原因で生じたかゆみが皮膚の乾燥で増幅されることもあります。そして、乾燥した皮膚は縮んでしまい、そのすきまから異物の進入を許すことにもなります。
いずれにせよ、この状態の皮膚をひっかいてしまうと、皮膚に傷がついてますますバリア機能が失われることになってしまいます。
陰嚢湿疹に負けないための保湿剤は?
バリア機能の保護のため、皮膚の保湿が重要になってきます。皮膚が弱い人の特徴として、うまくこの機能が働いていないので、外から油分などを補ってあげるわけですね。
保湿剤としておすすめしたいのは何といっても
ワセリン
です。
塗った感じはしっとりしていて、それほどべたつきません。下着にもほとんどつかないのでとても使いやすいです。1回塗れば半日ほどはもつと考えていいと思います。
ワセリンについては理研が以前、アトピー性皮膚炎の予防に効果があるという記事を出していました。陰嚢湿疹に苦しむ我々にとっても、これは朗報だと思います。
というのも、ワセリンが皮膚のバリア機能を効果的に補うことで、発症を予防していることが明らかになったからです。
かゆみそのものを止めるわけではないにせよ、かきこわしてしまう可能性を下げるという意味ではワセリンの保湿効果には期待大。陰嚢湿疹に対抗する主力兵器のひとつとして常備したいですね!
一点だけ注意事項。
ワセリンの原料は石油です。皮膚に塗った後長時間紫外線にあたると皮膚が黒ずんだり、シミができることがあるそうですのでご注意。まあ、部位が部位なので可能性は低いと思いますが・・・。
あと、どうしても石油を肌に塗ることそのものに抵抗がある・・・という方にはヘパリンという保湿成分の入った別の保湿剤をおすすめしておきます。
ちなみに、ヘパリンという物質は女性におなじみのヒアルロン酸と同じ「ムコ多糖類」という物質の仲間です。これでもうお分かりのとおり、細胞の中の水分を保つだけでなく、血行促進にも効果を発揮します。
また、一定の抗炎症作用もあるようで、そうした意味でも心強いですね。
ヘパリンの入った薬ですと、医者で処方される「ヒルドイド」や「ビーソフテン」という名前の薬を思い浮かべる人が多いようです。たしかに、ネットで見ていると「ヒルドイドは最強の保湿剤」みたいな言い方をされていて、別に肌が悪いわけでもない人がこれ欲しさに皮膚科に行くということすら行われているようです。
しかし、意外と知られていないのですが、市販薬でもまったく同じ成分が同割合で配合されているものがあります。それがこちらです。
HPクリーム
実はこのほかにもいくつかあるのですが、こちらはお値段もそれほど高くなくていいと思います。
※個人的な意見ですが、ヒルドイドやビーソフテンを、特に事情なく皮膚科で処方してもらうのは、健康保険制度上もちょっとよろしくないかなと・・・。いや、事情があればいいんですよ。事情がね・・・。
あと、ヘパリンについても1点だけ注意。
ヘパリンは血液凝固を防ぐ成分なので、重症の陰部湿疹でかきこわしてジュクジュクしてしまっている場合は症状を悪化させる可能性が高いので、決して塗らないようお願いします!
ヘパリンに限らず、すべて容量・用法を守って正しくお使いくださいね。
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