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    マクロビオティック

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    マクロビオティックとは玄米菜食を中心とする食事で、その考えは身土不二(しんどふじ)、一物全体(いちぶつぜんたい)の二つに基づいています。また長寿食・食養料理・自然食の意味で、1930年以降、桜沢如一によって提唱され世界に普及しています。そして、その手法は時代・指導者により多少の相違はありますが、基本理念は変わりありません。

    身土不二とは、身体(=身)と住んでいる土地(=土)は、切り離せない(=不二)ということであり、その土地で、その季節に獲れたものを食べるのが理想的なのです。
    今の時代にあった言い方をすれば「地産地消」ということになります。

    そのようなマクロビオティックの基本概念に基づいて、当店では富士宮市の提携農家で採れる、旬の無農薬有機野菜を使っています。

    一物全体とは、野菜を例にした場合、葉・茎・皮・根を全て食べるということです。
    そうすることによって、栄養面で見てもバランスが良くなるのです。それゆえマクロビオティックでは、玄米つまり籾を取り除いたものを食べるのです。
    玄米は精白しないことで色々な栄養素が残ります。

    但し、“捨てるような”部分を食べるためには安全なものでなくてはならず、無農薬あるいはオーガニックな食材でなくてはなりません。

    また使う調味料も化学的に合成されたものでなく、伝統的古式製法によって作られたものです。上白糖などの精白されたものも使いません。

    そして、玄米菜食を中心とするため、動物性食品つまり肉・卵・牛乳は殆ど食べませんし、魚介類については小魚類、なかでも新鮮なものに限るとされています。ただこれらの考えもその時代によって解釈が異なります。

    先の二つの考えを補足するものとして、陰陽調和(いんようちょうわ)があります。

    食べ物には、身体を冷やすもの(=陰)と温めるもの(=陽)があり、バランスよく食べなくてはなりません。例を挙げると、夏にはすやトマトのような陰性食品を食べることで、身体を冷ますことが出来るのです。

    マクロビオティックの食事は、健康維持、体質改善などを目的としたものであり、現在ではアンチエイジング対策を主たる目的としています。

    [ 雑穀粥 ] 当店のお食事メニューです。

    マクロビオティックの料理は、旬の素材を古式製法で作られた調味料を用いて作られたものです。
    言い方を換えれば、伝統的日本型食膳とも言えます。

    本来、人間は穀物を食べる動物です。このことは人間の歯の構造を見れば一目瞭然です。
    人間の歯は32本あり、20本が臼歯、8本は切歯、4本が犬歯で、この構造に合った食べ物を食べる必要性があります。

    そういった点から見て、穀物を中心とした食事、つまりマクロビオティックの食事がふさわしいことになります。

    また、先に述べた方法で作られた料理は“身体にやさしい、美味しい日本料理”であるのは、ごく自然のことです。さらに言えば、人間にとって必要なのは身体と心の健康を保つ事であり「長く健康でいたい」という普遍の真理を、実現できる料理でもあります。

    [ 小豆南京(あずきなんきん) ]
    マクロビオティックを代表する料理の一つです。

    そもそも私がマクロビオティックに興味を持ったのは、偶然発芽玄米を食べたことによります。

    それまで玄米など全く食べた事などありませんでした。その時玄米の美味しさを初めて感じ、生来の性格ゆえ、さまざまな銘柄の玄米を食べ始めました。

    玄米が主食となると、野菜の美味しさを再認識するようになり、かつては肉類中心の食事であったのですが、次第に肉類を食べる機会も減っていきました。

    マクロビオティックを実践した結果、私の体重は約10キロ減り、長年悩まされてきた花粉症も治りました。
    また身体も軽く感じられるようになり、心なしか疲れにくくなったような気もします。

    そんな中で、言葉としてしか知らなかったマクロビオティックに関心を持つようになり、幾つもの文献を読み、マクロビオティックが食べ物だけでなく、森羅万象に当てはまることも多いことを認識するようになりました。

    身土不二とあるように、地元のもの、国産のものを食べるようになれば、輸送手段のための燃料を消費する必要もなくなり、二酸化炭素の排出も自然と減少します。結果として、地球環境にも“やさしく”できます。

    また地場産品を大切にすることで、隣近所の人たちとのつき合いも自ずと増え、地域の活性化にもつながります。

    食材も一物全体とあるように、全て食べるのが理想的なのかもしれませんが、中には食味には適さないもの、現代の食習慣とは異なるものもあります。

    それゆえ、私は自らの畑にそれらを肥料として使います。こうすることで、別の形で一物全体を実践できます。その上、これらをゴミとして焼却しないので、二酸化炭素も排出しなくなり、先と同様のことが言えます。また当店では自家農園で採れた野菜も使っており、提携農家の野菜同様、無農薬です。

    文字通りマクロとあるように、大きな視野に立つことによって、人間の生命の尊厳にかかわるような事柄もホリスティック(包括的)に捉えられるようになり、現在の医学に新しいスタイルをも確立できるようにもなりました。

    私は、何もマクロビオティックが万能だと言うつもりはありませんが、「現代社会の多くの問題点を解決するための糸口である。」ような気がしてなりません。

    このマクロビオティックの考え方が当店の料理の大きな柱となっていますが、突き詰めると精進料理のようになってしまい、食事を楽しむことも出来なくなってしまいます。お客様には、食べたいものを好きなように召し上がって頂くことが私の喜びです。ただ使う食材は、自らの目で選び、納得の上で仕入れたものです。そんな”想い”を、感じて頂ければ、料理人冥利につきることこの上ありません。