日記
SP盤を聴く(アムトランス試聴会)
アムトランス試聴会。新忠篤氏によるミニコンサート。今日はSPを思う存分聴けるとあって楽しみにしていた。
調整用にクライスラーによる「ユーモレスク」が流れていました。今や原曲のドヴォルザークのピアノ曲よりクライスラー編曲のヴァイオリンの方が演奏される機会が多い。そのクライスラーの自作・自演。
これに続いて、クライスラーのヴァイオリンでベートーヴェンの第8番のソナタ。いずれにしても、音が甘く艶やかで、フレーズの出だしが丸くピアニッシモが絹の糸のように美しい。こんな天使のような美音はいまでもなかなかないのではないか。
新氏は「CDの復刻盤を聴くと古臭く感じるが、SPだとそう感じない。すっとその空間の中に入っていける…」と言っていましたが、まさにその通りに感じる。
音出しは、氏製作のEQアンプとパワーアンプ。オール直熱管のシステム。パワーは33というラジオ用の真空管が使われている。高昇圧比トランス入力による単段という実にシンプルなアンプです。スピーカーはいつものGIP製のウェスタンのレプリカ、励磁型3ウェイシステム。
イコライザーカーブは、年代やレーベルによってまちまちで、正確に本来のカーブに合わせる必要がある。このクライスラーは1927年録音の米国ビクターなのでロールオフはフラット、ターンオーバーは500Hzという具合。このEQアンプは時定数の抵抗値を可変抵抗器で連続的に変更できる。新氏は、針音があるので「適当に…」と言ってロールオフを調整。その後も、各々の盤を聴きながら少しずつダイヤルを調整していた。本当は、針音はハイカットフィルターで落とすべきなのだろうが、まあ、そこは「適当に」(苦笑)。杓子定規に考えないところが音楽芸術(笑)。
コルトーのいささか大時代がかったバッハのチェンバロ協奏曲のピアノ編曲版や、カザルス、ティボーなどの巨匠の演奏を聴いていく。ティボーの「G線上のアリア」のところで、グッディーズによる復刻CDとの聴き比べが始まった。CDプレーヤーは終段に真空管バッファーを使ったオーストリア製のもの。
新氏は、このCDプレーヤーはなかなかだと誉める。CDで聴いてもなかなかよいなどと冒頭のコメントとは逆のことを言い出した。
ティボーが嫌いな私だが、CDではなくSPで聴いてみると、クレッシェンドなど微妙な起伏など細部がよくわかる。ティボーがやろうとしていること、やっていることがとてもよくわかる。すると不思議なもので、多用するポルタメントなどの節回しが気にならなくなり、すっとティボーの世界に入って行けた。CD復刻にはそれがない。まあ、新氏といえども代理店の方の目の前では、営業協力ということだろう。
すごいと思ったのは、メンゲルベルグがコンセルトヘボウと録音したグルックの「アルチェステ序曲」。正直言って初めて聴く曲だが、音も音楽もとても濃密でしかもフレッシュ。オケの磨き方が尋常ではない。こういうセッション録音は今や望むべくもないだろう。
レス一覧
ベルウッド様、こんにちは、森図春人です。
私もSP盤を集めていますが、電気再生はイコライザーの特性合わせが難しいというので、もっぱらEMGinnとCASCADEという2台のラッパ型蓄音器で聴いています。
電気吹き込みになってからは、SP盤も広域を上げて、低域を落としているのでしょうか。
プレーヤはガラード301なので、そのうちに電気再生もトライしたいと思いますが、新先生のSP盤用のイコライザーは市販されていますか。
本朝、イギリスからクライスラーのメンデルスゾーンVn協奏曲(旧録音)が届きましたので、今から聴きます。by森図春人 at2011-10-19 14:51
森図春人さん こんにちは。
新先生のイコライザーは市販されていません。「ラジオ技術」にその全容が紹介されていますので自作されてみてはいかがでしょうか。その後、いろいろなSPや古いLPを聴かせていただいていますが、SPばかりでなく初期LPはイコライザーカーブがまちまちなのでイコライザー可変のこのアンプは便利です。SPを聴かれているかたにはこの機能は必須かもしれませんよ。ベルウッド様、こんにちは、森図春人です。
初期LPレコードはRIAA以外で録音しているものがあると聞いております。イギリスのDECCA当りがそうらしいですな。
自作と申しましても、難しそうですから、ツカダアンプのT氏に相談してみます。
ところで、終段に真空管バッファーを使ったオーストリア製のCDプレーヤーは、何という会社の何ですか?by森図春人 at2011-10-21 12:44
森図春人さん こんにちは。
手持ちの米国DECCA(LONDONレーベル)のLP(クリフォード・カーゾンのグリーグピアノ協奏曲)を持ち込んで聴かせていただいたことがあります。ジャケットには堂々と「RIAA Curve」と表示してありますが、盤そのものはMade in England。米国でRIAA統一された直後の頃のLPですが、現在のシステムではうまく鳴りません。新氏は、「録音が悪い」と笑ってましたが、プリでイコカーブを調整するとやはり聴きやすくなりました。
CDプレヤーは、ayon audioというメーカーのものです。
↓
http://www.amtrans.co.jp/audio/ayon/cd-07.shtmlベルウッドさま、
こんばんは、森図春人です。
どなたかが言ってましたが、DECCAのLPレコードはDECCAのカートリッジでかければ丁度いいそうです。
カーゾンは録音嫌いでレコードが少ないですな。ガラスのように繊細なピアノですから、そもそも再生が難しいですね。
AyonのCD-07を見ました。角が丸くなかなか洒落たデザインですね。CDは上面から出し入れするんですか。積めませんな。
ウイーンフィルのような音がするとありますが、どんな音なんでしょうか。
42万円はお高い気がしますが、最近はCDプレーヤの相場はそんなものなんでしょうか。by森図春人 at2011-10-22 17:25
森図春人さん
カートリッジの相性は間違いなくあるでしょう。新忠篤氏のお話しでもLPやSPから板起こしで復刻する際にもカートリッジ使い回しの秘術があるようです。
ただし、「DECCAにはDECCAが丁度いい」というのはいかがでしょう。
DECCA盤を再生する際には、たとえDECCAカートリッジであっもEQカーブはffrrカーブにする必要があります。古いLPやSPをきちんと再生しようと思うならEQカーブ可変のアンプが必須です。