人前で泣いたり、怒ったりすることは悪いマナーだと言われてきました。感情のコントロールができない自制心の弱い人だとか、未熟だとか言われてきました。「男の子は泣いてはいけない」とか「女の子は大騒ぎしてはいけない」とか。でも、最近では、自分の気持ちに正直になることの大切さについても語られるようになりました。
確かに、感情を表現するのに適した、時(Time)と場所(Place)と場合(Occasion)、つまりTPOはあります。
それは、自分の感情を常にコントロールしたり、押し殺していなければいけないという意味ではありません。そうしなくても良い時と場所と場合もあるということです。
理性だけでなく、自分の感情や気持ちについて、意識することが大切です。
「心の知能指数」(EQ:Emotional Quotient)という言葉を聞いたことがありますか?
ピーター・サロベイ博士とジョン・メイヤー博士によってまとめられた理論で、心の知性(Emotional intelligence)を測ろうとしたものです。
でも、心そのものは、目に見えませんから客観的に測ることはできませんよね。そのため、心が健全であれば、表れてくるであろう行動や、他者との関係の築き方やコミュニケーションの質を測ることで、心の知能指数を測ろうとしたものです。
EQの高い人は、健康的な人間関係を構築でき、ストレス・マネジメントも上手で、会社でも幸せに過ごすことができると言われています。
EQを測定する際に考慮されるのが、以下の7つの項目です。
1. 感情の自覚
2. 感情の表現
3. 感情の自己管理 (Self-Management)
4. 感情の自己統制 (Self-Control)
5. 他者の感情の理解
6. 他者の感情の管理
7. 感情の推察力
ここでは、この7つの軸に沿って、EQが高い人の特徴をご紹介します。
感情の自覚
- “考え”と“気持ち”の違いを知っている: “考え”は、頭の中に浮かぶ文章やフレーズで、“気持ち”は、体に感じる感覚であることを知っています。そして、そうした“考え”と“気持ち”は、生まれては消えていくことも知っているので、“考え”や“気持ち”に対して何かをする必要がないこと、ただ、その存在を認識し、マインドフルにまっすぐに向き合い、受け入れるだけでよいことをしっています。
- 感情と共に起こる体の感覚を認知している: 罪の意識や、失恋、悲しみなどや、喜び、沸き起こる愛情など、“感情”によって起こる体の感覚を知っています。
- 自分の心の声を聞くことの大切さを知っている: いつも“論理的”な選択をするわけではありません。心の声、自分の直感を信頼することができます。
感情の表現
- “気持ち”を表す言葉を多く持っている: 例えば、“悲しい”という気持ちを表すのに、ひとつの表現だけではないことを知っています。「残念」だったり「悲観」していたり、「沈んでいる」のかもしれませんし、「空虚感」に襲われているのかもしれません。
感情の自己管理(セルフ・マネジメント)
- 自分の気持ちを恐れない。それが難しいものであっても: 自分の気持ちを否定したり、抑制したりしません。
感情の自己統制(セルフ・コントロール)
- 過剰反応しない: 何かを感じた時、反射的に反応するのではなく、考えて反応することができます。
- 反対意見や対立に対処することができる: 避けることもしませんが、攻撃的になることもありません。
他者の感情の理解
- 他者に感情移入できる: 他者の気持ちを想像し理解することができます。
他者の感情の管理
- 他者の感情を恐れない。それが難しいものであっても: 話題を変えたりすることなく、他者が感情を表せる安全な空間を提供することができます。
感情の推察力
- 言われる前に、パートナーや配偶者、友人や家族の気分を察することができる: 彼等を読み取ることができます。
- いっしょにいる人に合わせて行動を変えることができる: 何が社会的に好ましい行動か、その状況で許される行動とは何かを知っています。空気を読むことができます。(ただし、「空気が読める」ということと、「周囲に迎合する」ことの間には、大きな隔たりがあります。空気を読んだ上で、どう行動すべきかを、空気ではなく、自分の内なる指針に照らして判断できることが最も重要です。)
この指標の全てが完璧にできるような人は、それほど多くいませんから、安心してくださいね。私自身、特にサラリーマン時代の私のEQはかなり低かったように思います(笑)。
救いは、EQは高めていくことができるということです。
EQの高い人の特徴を知って、それをマネしてみることから始めてみませんか?「Fake it until you make it(それが自分のものになるまでフリをしろ)」という米国の諺があります。日本の茶道の「型」も同じですよね。まずは「型」を学ぶことから始めます。「型」が身についていくうちに、「型」が自然な「所作」となり、その過程で、心も次第に整っていくのです。
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