白く美しい最先端のセラミックe.max(イーマックス)
予防と知識
お口の治療
2016.03.29
歯の被せもの(クラウン)や詰め物(インレー)を低価格で白くしたいと思う方は多いのではないでしょうか。
代表的な治療法の一つとして「セラミック」という材質をよく聞くかもしれません。
e.max(イーマックス)は、従来のセラミックに比べて「審美性」「耐久性」を兼ね備えたセラミック素材です。主に前歯の治療に使用しますが、奥歯ともに使用できます。
今回は、e.maxの特徴や費用について解説します。ぜひ参考にしてください。
1.e.max(イーマックス)とは
オールセラミックの中で最新の素材で主成分はニケイ酸リチウムガラスです。
強度は360~400mPaと天然歯(エナメル質)の350mPaに近く、天然歯に近い強度、固さを持っている歯に優しい素材です。
2.メリット
2-1.オールセラミックの中で一番透明性が高い
透明感がとても高い素材で、豊富なシェード(色調)で天然歯のような透明感・審美性を再現することができます。
2-2.金属アレルギーを起こさない
金属ではないため、生体が異物として認識しない(生体親和性)材料であり、安全性高く耐熱性にも優れています。
2-3.硬さは天然歯と似ていて歯を傷めない
硬さが天然歯(エナメル質)の350mPaに近く(360mPa~400mPa)、天然歯を過度に摩耗させてしまうことがなく、歯に優しい素材です。
2-4.歯肉状態を健全状態に保つことが出来る
金属使用の物は金属イオン溶出によりマージン部(冠の際の歯肉部)が黒く変色したり、黒くみえることがあります。
3.デメリット
3-1.保険適用外で自費診療となる
保険診療ではできず、7~15万程の費用がかかってしまいます。
3-2.術者、技工士の技術で天然歯との色調再現性、適合が左右される
天然歯に近い透明感のある色調の再現ができますが、歯を削る量が比較的多く、形成する術者、作製する技工士の技術の差により、適合、色調再現性に差が出ることがあります。
3-3.応力のかかるブリッジには不向き
強度的に奥歯などの咬合力のかかるブリッジ、3本以上の長いブリッジではダミー連結部で折れる可能性が高いため、用いることができません。
3-4 透明感が高いため、良くも悪くも元の色をひろってしまう
e-max単体で透明性が高く、形成した元の歯の色が反映されてしまい、希望する歯の色を再現することが困難なことがあります。
4.こんな人におすすめ
4-1.見た目的に金属を白いものにかえたい人
口を開けた時などに見える金属を天然歯のように白く透明感のあるものにした人にはおすすめです。他にもジルコニア、ハイブリッドセラミック、ダイレクトボンディングなどもあります。
4-2.アレルギーなどにより金属を排除したい人
全身の不定愁訴、アトピーなどに悩まされている人にもおすすめです。あらゆる金属イオン、有害金属ミネラルにより難治性の症状に悩まされている方にはおすすめです。
4-3.ホワイトニングの効果以上に前歯を白くしたい
ホワイトニングをしたが、思い通りの結果が得られなかった人にもおすすめです。
幼少期の抗生剤投与により歯がもともと黒ずんでいる方にはラミネートベニアがおすすめです。
4-4.以前の被せ物が変色、被せの際が黒ずんでいる人
以前の被せものの白い部分が天然歯と同調せず気になる人、また以前の被せ物の骨組みとなっている金属が加齢などにより歯茎がやせたことによって黒ずんで見える人にはおすすめです。
5.e.maxで行う治療
5-1.e.maxクラウン
金属を使わない均一のセラミックの冠です。
生体親和性があり、歯肉を健全状態に保つことができます。
加齢などで生理的に歯茎がやせ、退縮に伴い、金属フレームが黒く見えることから防げます。
5-2.e.maxインレー
金属を使わない均一のセラミックの詰め物です。
変色もなく、審美性に優れており、生体への悪影響がありません。
5-3.ラミネートベニア
金属と使わない均一のセラミックのベニア(板状のもの)です。
5-4 ブリッジ、インプラントの土台には不向き
一部出来るものもありますが、奥歯など応力のかかる部分、ロングスパンのブリッジと咬合力の強くかかる部分のインプラントの土台には強度面から不向きといえます。
6.ジルコニアとの比較
| ジルコニア | e.max | |
| 素材 | キュービックジルコニア(人工ダイヤモンド) | 二ケイ酸リチウム |
| 強度(曲げ強さ) | 800Mpa以上 > 360~400Mpa | |
| 透明度 | 高い < より高い | |
| 費用 | 10~20万位 > 7~15万位 | |
| 適合 | CAD/CAM使用 < ハンドメイドなのでより良い | |
7.e.max治療の注意点
7-1.透明度が高すぎ、審美性に欠けることがある
天然歯全てが白く透明感が高いわけではないので、良くも悪くも元の歯の色をひろってしまいます。
そのためe.max単体ではなく、e.maxフレームにe.max専用のセラミックを盛り付けるなど色調再現し、適応させることが多いです。
7-2.強度的にブリッジなどで破折する可能性がある
強度的に奥歯など咬合力のかかるブリッジ、3本以上の長いブリッジではダミー直結部で折れる可能性が高いため用いることができません。
7-3.e.maxの仕上がりにドクター、技工士の技術が不可欠
e.maxの仕上がり、適合、精度、寿命を高めるためには、ドクターの精密な形成、技工士の精密な技工操作が必要です。
7-4.e.maxの寿命を左右するもの
歯ぎしり、食いしばりが強い人はe.maxが欠けるリスクが高くなります。また、歯周病など口腔内環境が悪い人はe.maxの寿命が短いことがあります。
寿命を延ばすためにはセット後のメンテナンスは必要不可欠です。
歯ぎしり、食いしばりが強い人には寿命を延ばすためにマウスピースを使用することもあります。
8.まとめ
昨今、金属の高騰、また金属による身体への悪影響が明るみに出ています。
1、2本の小さいケース、審美性を求めより御自身の歯と同調させたい方は、まず第一の選択肢としてご検討下さい。
Author: 小野澤 彰(歯科医師/歯科オノザワ院長)
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