エイジングケア化粧品をはじめ化粧品を販売する際のルールに、「全成分表示」があります。
全成分表示とは、どんな化粧品でも、パッケージや能書などを見ると必ず記載している、化粧品に配合している全ての成分を表記したもののことです。
もちろん、エイジングケア化粧品もこのルールに従って、全成分を表示する義務があります。
しかし、この全成分表示のルールには、不思議な「抜け道」もあるのです。
また、全成分表示の背景やルールをしっかり理解しておけば、どんなエイジングケア化粧品を選ぶべきかの知識も高まります。
化粧品を理解するとは、
- 配合されている化粧品成分の特性・特徴・役割を理解する
- 配合されている化粧品濃度を理解する
ことです。
この2つをしっかり理解すれば、エイジングケア化粧品をはじめどんな化粧品でもどのようなものかを把握することができるのです。
全成分表示は、ちゃんと理解すれば、ランキングや口コミ、人気や評判に頼るのではなく、しっかり自分の知識で化粧品を選ぶ手助けをしてくれるものです。
- 化粧品を読み解く基本を理解したい
- 化粧品メーカーの広告に騙されたくない
- ランキングや口コミだけではなく、自分の知識や知恵でしっかり化粧品を選びたい
とお考えの方は、抜け道とそれを暴く(?)ための方法も公開していますので、ぜひ、続きをお読みくださいね。
<この記事でお伝えしたい大切なこと>
- 全成分表示を理解することは、化粧品を読み解く基本です。
- 全成分表示には、「表示をしなくて良い」例外があります。
- 全成分表示だけに頼りすぎると、化粧品を誤って理解することもあります。
- 医薬部外品には、全成分表示は適応されません。
- 私たちは、キャリーオーバー成分も含めて表示します。
1.全成分表示とは
全成分表示とは、その名の通り、化粧品に配合されている全成分の名称を表示することです。
2001年に、『成分の名称は、日本化粧品工業連合会作成の「化粧品の成分表示名称リスト」等を使用することにより、消費者における混乱を防ぐよう留意すること』と、厚生労働省からの通達が出され、「医薬品医療機器等法」(現「薬機法」=旧「薬事法」)で規定された法律です。
この法律によって、化粧品会社は、各企業責任のもとに成分の安全性を十分に確認した上で、化粧品成分を選択する義務を負うということの重要性が高まりました。
一方、消費者も自己責任で成分をしっかり理解して化粧品を選ぶ必要性が増したのです。
化粧品成分に商標名(ブランド名)を付けるのは自由ですが、化粧品のパッケージや能書などに記載の際は、全成分表示のルールの下で共通の名称で表示しなければならないのです。
例えば、エイジングケア化粧品成分である「ナールスゲン」は、表示名称は「カルボキシメチルフェニルアミノカルボキシプロピルホスホン酸メチル」です。
ナールスゲンは、ブランド名なので説明や全成分表示以外では、「ナールスゲン」と記載してよいのですが、全成分表示の際は、表示名称で記載することが義務付けられているのです。
この全成分表示によって、
- これまでに特定の成分で肌トラブルを起こしたことがある方は、それが配合されている製品の使用をあらかじめ避けることができる
- 化粧品で肌トラブルなどが起きた時は、全成分表示が書かれている容器、外箱などを持参し、皮膚科専門医などに見せれば原因の特定の可能性が高まり、対処がしやすくなる
などのメリットが生まれました。
つまり、全成分表示によって情報の透明性が高まることで、より安全に化粧品を使えるようになったのです。
2.全成分表示の以前の「旧表示指定成分」とは?
全成分表示が実施される前は、特定の成分だけを表示すればよいルールでした。
その特定の成分が、今で言うところの「旧表示指定成分」です。
旧表示指定成分とは、1980年に厚生労働省によって、「体質によってアレルギーなどの皮膚トラブルを起こす恐れがある」と指定された成分です。
これらは、102種類の原料に香料を加えた合計103種類あって、当時は、「表示指定成分」と呼ばれていました。
かつては、この成分だけを表示すれば良かったのです。
それでも、お肌の弱い人やアレルギーの不安がある方にとっては、化粧品を選ぶ際の目安として役立ちました。
しかし、その一方で、「これさえ入っていなければ安全である」という誤解も生じたのです。
さらに、アレルギーの原因となるアレルゲンはさまざまあり、さらには人によってどの成分が原因になるかはわからない、ということも明らかになってきました。
つまり、この制度の運用が一定期間続いた後、特定の化粧品成分だけを表示することが、返って化粧品の安全性を考える上で問題になるというリスクが大きいことがわかってきたのです。
こうした背景から、特定の成分のみの表示で済ませるこの制度は廃止され、2001年から全成分表示の制度に変わったのです。
先程も説明しましたが、現在、「旧表示指定成分」と呼ばれているものは、当時の「表示指定成分」のことです。
旧表示指定成分は、過去にアレルギーが比較的多く報告されていましたが、成分そのものだけによる問題ではなく、それに含まれる「不純物」が原因であることもわかってきました。
その後、化粧品原料を作る技術も進展し、不純物が入るリスクも減って、安全性は高まっています。
もちろん、数年前に発生した化粧品の副作用などは大きな社会問題にもなり、リスクは依然として残っていますが、全体的な化粧品成分の品質は過去よりは向上しています。
なお、全成分表示に変わった後、同じ成分であっても、旧表示指定成分における名称と、現在の全成分表示における名称が変わったものも出てきましたので、その点も覚えておきましょう。
ちなみに、無添加化粧品とは、当時、旧表示指定成分を配合しない化粧品のことをそう呼んでいましたが、今では定義が不明確なまま、無添加化粧品という呼び方が続いています。
ですから、無添加化粧品とは一体何が無添加なのかを確認せずに選ぶのは止めましょう。
こうした背景から、この記事でお伝えしたいことは、
「化粧品で使われる用語や言葉などのイメージで化粧品を判断せず、1つひとつの成分をしっかり理解することで判断しましょう」ということです。
特に、エイジングケア化粧品を使う世代の方のお肌は、年齢を重ねるごとに刺激に弱くなっていきます。
正しいエイジングケアのためには、エイジングケア化粧品に含まれる1つひとつの成分の理解が大切なのです。
3.全成分表示の読み方と利用方法
全成分表示を読み解くには、そのルールを理解しておくことも大切です。
まず、基本的には、配合量の多い順に記載されることです。
エイジングケア化粧品でも多くの場合は、「水」が1位です。
ただし、配合量が1%以下の成分は、順不同でもよいことになっています。
ですが、どこからどこまでが1%より多い濃度かは不明です。
また、香料・着色料は最後にまとめて表示されます。
全成分表示には、細かな取り決めがまだまだありますが、大枠のルールはたったこれだけなので、読み方そのものは簡単ですね。
■全成分表示の基本的な利用法
安全性のチェックとして、
- 全成分表示の中に、自分のお肌に合わない成分があるかどうかを確認する
- 表示の上位の中に、刺激の強い成分があるかどうかを確認する
有効性のチェックとして、
- 全成分表示の中に、自分のお肌の悩みにアプローチできる成分があるかどうかを確認する
- また、その成分の表示順で配合濃度を推測する
表示が下位であっても、刺激が強い成分もあるので、配合濃度が低いから必ずしも安心とはいえません。
また、有効成分では濃度が低くても効果が発揮できるような成分もあるので、表示が下位だから効果がないともいい切れません。
例えば、ナールスゲンは50μモル(0.05%)が推奨濃度なので、それ以上濃度を増やす意味がありません。そのため、配合濃度は低くても十分なので、上位に表示されることはありません。
全成分表示の読み方自体は簡単ですが、化粧品の成分そのものの知識がないと意味がないこともおわかりですね。
これが、エイジングケア化粧品ほか、化粧品成分の理解が必要な理由なのです。
改めて、全成分表示のポイントをまとめておきます。
<全成分表示のポイント>
①全成分を配合量の多い順で記載する。
②配合量の多い順に記載して、配合成分1%以下は順不同で記載する。
③着色料以外の成分を配合量の多い順に記載し、その後に着色料を順不同に記載する。
④混合物は、混合されている成分ごとに記載する。
⑤抽出物は、抽出された物質と、基になる抽出溶媒や希釈溶媒を分けて記載する。
⑥香料については、複数成分でできていても「香料」という表示が可能。
⑦決められた範囲内であれば、表示名称は選べる(「ヒアルロン酸ナトリウム」または「ヒアルロン酸Na」は、どちらでも良い)
⑥原則として、ボトルや外箱などわかりやすく読みやすい場所に表示する。ただし、それが小さい場合は、全成分を記載した紙などの同封も可。
4.全成分表示の抜け道「キャリーオーバー」とその暴き方
実は、この全成分表示、厳密にいえば完全なものではないのです。
そのキーワードの1つは「キャリーオーバー」です。
キャリーオーバーとは、『持ちこされた』という意味で、原料の製造の工程において「添加」されたり、「残留物」として残っていたりするものを指します。
全成分表示には、このキャリーオーバーした成分を表示する義務はないのです。
例えば、「化粧品成分X」の安定のために「防腐剤Y」などの成分を添加して化粧品原料を作ることがあります。この原料は、厳密に言えば「成分Y」が含まれます。
しかし、この原料を使用して化粧品を作った場合、表示するのは「X」だけで良く、「Y」を表示する義務はありません。
具体的な例を挙げます。
化粧品メーカーが、原料会社から購入した原料に「パラベン」が使われていても、化粧品を作る際に、パラベンを配合せず製造しているのであれば「パラベン無添加化粧品」といえるのです。
もちろん、キャリーオーバー成分は少量なので、それに刺激を感じない方にとっては問題ではありません。
しかし、パラベンなど特定の成分に刺激を感じる方は、あらかじめその情報を知りたいですよね?
法律的には、キャリーオーバー成分を表示しないことは問題ありませんが、お客さまのことを考えれば、その情報を開示すべきか?否か?
答えは明白ですね。
私たちは、キャリーオーバー成分であっても、何が配合されているかは全て開示するようにしています。
それが当たり前だと思いますし、お客さまにエイジングケア化粧品の成分で、お肌に合わないものが配合されている場合、事前にそれを知っていただきたいからです。
これは、「普通」の感覚だと思いますが、キャリーオーバーのことを開示する企業は少数派です。
それでは、キャリーオーバー成分の有無を見分けるにはどうしたらいいのでしょう?
残念ながら、化粧品のパッケージや能書ではわかりません。
でも答えは簡単です。
化粧品のメーカーに聞くことです。
メーカーがきっちりと答えてくれなければ・・・。
その企業の姿勢をどう考えるかのご判断はお任せしますが、お客さまのことを真摯に考える企業ならば、納得いく回答があると思います。
「オーガニックコスメ」、「自然派化粧品」、「無添加化粧品」など、安全イメージの言葉で“化粧”した基礎化粧品が多い中、化粧品に関する法律やルール、言葉の定義などを理解することこそが、正しく化粧品を選ぶ知恵になるのです。
エイジングケア化粧品の理解のためのも、業界を取り巻くルールを理解することも大切なのです。
なお、全成分表示の中で、もう1つ表示しなくてもよい成分があります。
それは、「企業秘密成分(非表示成分)」です。
企業が秘密にしたいと思う成分は、「その他」と記載できるのです。
しかし、厚労省の許可が必要であって、基本的には認めない方針のようです。
ですから、この点についてはあまり気にする必要はありません。
5.医薬部外品と全成分表示
医薬部外品とは「医薬品と化粧品の中間的な存在」です。
医薬品のように「治療」を目的とするものではないのですが、化粧品に配合できない有効成分が含まれているものや、高濃度で成分が含まれているものがあります。
「薬用化粧品」とも呼ばれます。
薬機法で医薬部外品と表示するように決まっているものとしては、パーマ液、浴用剤、美白化粧品、ニキビ用化粧品などがあります。
医薬部外品の全成分表示のルールは、これまで説明してきた化粧品の全成分表示とは異なります。
医薬部外品の全成分表示は、日本化粧品工業連合会の自主基準に基づいて2006年から実施されています。
そのポイントは
①医薬部外品では、有効成分を先に記載することが可能。また、分けて記載することも可能
②医薬部外品では、全成分表示の際に「化学名」を使える。例えば、「パラベン」を「パラオキシ安息香酸エステル」と記載することが可能
③同じ成分でも医薬部外品と化粧品で表示名が異なる場合がある。例えば、化粧品では「水」が、医薬部外品では「精製水」。
このように医薬部外品と化粧品では、全成分表示のルールが異なるのです。
これは、一般の消費者にとっては非常にわかりにくいことだと思います。
しかし、現時点ではこれがルールなので、そのことを知っておくことも大切なのです。
6.まとめ
化粧品の全成分表示のルールやそれができた背景、また抜け道などをご理解いただけたでしょうか?
私たちがエイジングケア化粧品を提供するようになってまだ日が浅いのですが、全成分表示のように、自分たちの「普通」からすれば、「不思議」なルールがあります。
私たちは、できるだけお客さまに情報を開示することで、正しいご理解のお役に立ちたいと願っていますが、実際にエイジングケア化粧品を選んで使うのはお客さまご自身です。
この記事が、エイジングケア化粧品を選ぶ際の一助になれば幸いです。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品は、可能な限りキャリーオーバー成分がある原料の使用を避けるように考えています。
しかし、製品設計上、どうしてもキャリーオーバー成分が含まれる原料を使わざるを得ない場合があります。
そんなエイジングケア化粧品が「ナールス ネオ」です。
ナールス ネオは、防腐剤を配合していません。
それは、キャリーオーバー成分にパラベンやフェノキシエタノールが配合されていて、追加で防腐剤を配合する必要がなかったからです。
そのため、「防腐剤無添加」のエイジングケア化粧品と言えなくはないのです。
しかし、実際には、微量であっても防腐剤が入っているが現実です。
そのため、全成分表示にはキャリーオーバー成分を明確に表示しています。
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