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さあ、汚れた靴を洗ってみよう! 起毛系編

今回の「シューケア技術向上講座」は、大好評だった前回に引き続き、スエードやヌバックなど起毛系の革の「洗い方」をご指南申し上げます。前回の「一般編」がマスターできれば、こちらの方がむしろ簡単です。

起毛系の靴も、洗えます!

スエードなどの起毛系の靴を「洗う」ために準備したいものです。左上から起毛革用スポンジブラシ、起毛革用ワイヤーブラシ、雑巾、スポンジ、スエードシャンプー。もちろん水も忘れずに!



前回は革靴を「洗う」という、多くの方が驚かれたであろう方法についてお話いたしました。何度も言いますが、やり方さえ間違えなければ大抵の革靴は面白いくらいキレイサッパリになるんですよ! まずは手始めに使い古しの靴、できれば濃い色のものでやってみて、勘所を掴んでみて下さい。

さて今回は、その際宿題となった、スエードやヌバックといった「起毛系の靴」の洗い方について、じっくり見てゆきたいと思います。前回の最後にも触れました通り、起毛系の靴も洗えるのですが、その方法は一般の靴とは異なります。 だだ、ご安心下さい。通常のケアと同様、この「洗う」においても起毛系の方が遥かに簡単!カジュアル系の靴に多く用いられる起毛系ゆえ、その分ブラッシングで対処できなくなるほど汚れる可能性も大ですが、そうなってしまったら次ページの方法で洗っちゃいましょう。


次のページでは、靴を洗う具体的な方法をご紹介!

あっけないくらい簡単です!

では実際に、起毛系の靴を洗う手順を追ってみましょう。これもスムースレザーの場合と同様、用具や方法自体は別に複雑なものではありませんので、焦らず対処してください。

1:まずこのページの1:のように、表面を逆目にブラッシングして、取れる汚れは予め取ってしまいましょう。汚れの加減によっては、このページの5:のように専用のワイヤーブラシを用いても構いません。


2:1:に続いて、雑巾か何かで靴全体をムラなく湿らせます。いきなり水に浸してしまうと、変に水ジミが起きてしまう危険があるのは、普通の革と同じです。丁寧に扱うに越したことはありません。


3:スポンジにスエードシャンプーをしみ込ませ、靴を洗ってゆきます。泡立ちはサドルソープより若干落ちる気もしますが、スポンジを洗車感覚で用いるのは、変わりません。アッパーだけでなく内側やアウトソールを一緒に洗ってしまっても、特に問題ないようです。


4:同じく水とスポンジを用いて、今度は浮き出た汚れとシャンプーの成分を完全に取り除きます。通常の革と決定的に異なる工程が、ここです。起毛系のものはスエードシャンプーの成分を残すことなく、完全に除去して下さい。


5:乾燥し風通しの良い屋外で、靴の内外共に十分乾くまで陰干しをします。ある程度乾燥したところで靴に合ったシューキーパーを入れておくと、靴に付いた小ジワも若干回復できます。


6:十分乾燥させた後でこのページの5:以降のケアを行います。特に濃い色のものは、洗ってしまうと色合いがどうしても白んでしまうので、栄養を入れると同時に着色してあげて下さい。



何故起毛系は「ソープ」でなくて「シャンプー」なのか? は、
次のページをご覧下さい。

髪の毛を洗うのと同じです!

スエードシャンプー読んで字のごとくシャンプー。液体状のものとフォーム状のものがありますが、基本的に同じです。


皆さんは普段、髪の毛を洗う時に何を用いますか? 昨今では体質や環境に配慮して石鹸と仰る方もいらっしゃるでのしょうが(何を隠そう小生がそう!ただ理由は情けないことに専ら前者)、大抵の方はシャンプーですよね。間違って石鹸で洗ってしまい、髪の毛が妙にパサパサ・ギシギシしてしまったこと、ありませんか? 起毛系のレザーにサドルソープではなく、専用のシャンプーを用いるのも、実はこれとほぼ同じ理由です!

極めて簡単に申せば、一般的なスムースレザーを洗う際に用いる石鹸、つまりサドルソープはアルカリ性でして、起毛系の革にこれを用いてしまうと、そのアルカリが細かい毛先を傷めてしまい、持ち味の起毛感を損ねてしまう可能性が高いからなのです。一方シャンプーは通常中性もしくは弱酸性ですから、その危険が無いわけです。

なおこのスエードシャンプーですが、液体状のものとフォーム状のものがありますが、特にどちらが強力、と言うことはありません。ただし液体のものは、メーカーやブランドによって「原液のまま使用できるもの」と「予め水に希釈させる必要があるもの」と2通りありますので、チョッと注意が必要です。取扱説明書をよく読んで、どちらなのかをよく確認した上で用いて下さいね。

また白色系の起毛レザーをスエードシャンプーで洗うと、「さらに白く」ではなく、僅かに黄みがかって仕上がる傾向がありますが、これは皮を革に鞣す際添加する「増白蛍光剤」がスエードシャンプーで抜けてしまうためです。この点は予めご承知置きいただければと思うのですが、そういう自然な黄ばみもまた、靴のアジのうちのような気がしますよ!

と言うことで、次回からは起毛系以外のちょっと面白い革のケアについて解説致しますので、乞うご期待!



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