- 網膜組織の新陳代謝亢進
- 網膜組織呼吸の亢進
- 網膜色素上皮の再生促進
製品情報
概要
ヨウレチンは主に眼科領域、小児科領域で用いる医療用医薬品です。眼科領域では中心性網膜炎、網膜出血、硝子体出血・混濁、網膜中心静脈閉塞症に、小児科領域では小児気管支喘息、喘息様気管支炎などに適用されます。本来、甲状腺疾患のヨウ素欠乏に対する薬ですが、網膜に対しては新陳代謝を亢進するとされ、網膜色素上皮の再生を促すと考えられます。
特長
- ヨウレチンは網膜組織の新陳代謝を亢進することが認められています。
- 網膜組織呼吸の亢進をすることが認められました。
- 網膜色素上皮の再生を促進すると考えられています。
製品内容
| 販売名 | ヨウレチン錠「50」 | ヨウレチン錠「100」 | ヨウレチン散 0.02% |
|---|---|---|---|
| 一般名 | ヨウ素レシチン | ヨウ素レシチン | ヨウ素レシチン |
| 組成・性状 | 1錠中ヨウ素レシチン0.75mg(ヨウ素量50μg)を含有する橙色糖衣錠 | 1錠中ヨウ素レシチン1.5mg(ヨウ素量100μg)を含有する白色糖衣錠 | 1g中ヨウ素レシチン3.0mg(ヨウ素量200μg)を含有する淡黄白色粉末 |
| 製剤の性状 | 賦形剤として甘草末を含み、サイズは直径8.1mm、厚さ4.4mm、重さ0.23g | 賦形剤として甘草末を含み、サイズは直径8.1mm、厚さ4.4mm、重さ0.23g | カンゾウエキス、乳糖淡黄白色、細粒状の散剤 |
| 用法・用量 | 通常成人1日300~600μgをヨウ素として、1日2~3回に分割経口投与する 1日量ヨウレチン錠「50」6~12錠服用 | 通常成人1日300~600μgをヨウ素として、1日2~3回に分割経口投与する 1日量ヨウレチン錠「100」3~6錠服用 | 通常ヨウ素として10μg/kgを1日2~3回に分割経口投与する |
| 効能・効果 | ヨード不足による甲状腺腫、ヨード不足による甲状腺機能低下症、中心性網膜炎、網膜出血、硝子体出血・混濁、網膜中心静脈閉塞症、小児気管支喘息、喘息様気管支炎 |
|---|
治療効果
1.眼科治療剤としての治療効果
丸尾※1らは最近の教科書「眼科学」に、ヨウレチンを中心性漿液性脈絡網膜症、多発性後極部網膜色素上皮症の薬として教示している。落合※2は、眼科適応症は中心性漿液性網脈絡膜症(中心性網膜炎)、網膜出血、硝子体出血・混濁、網膜中心静脈閉塞症であり、網膜に対しては組織呼吸を促進し新陳代謝を亢進するとし、網膜色素上皮の再生を促すとの考えを示している。
- 中心性漿液性網脈絡膜症(中心性網脈絡膜炎)
長南※3は、二重盲検法によりヨウレチンの臨床的効果を検討し以下の結果を得た。中心性漿液性網脈絡膜症に対しては、視力・中心比較暗点・黄斑部浮腫の3症状の変化を、それぞれ6点を満点とする採点法により臨床的効果の判定を行った。その結果、- ヨウレチン使用例においては、視力では平均3.10±2.06、中心比較暗点では平均3.00±2.09、浮腫では平均3.85±2.19であった。
- 一方、プラセボ使用例においては、視力では平均2.30±2.59、中心比較暗点では平均2.47±2.52、浮腫では平均3.64±2.40であった。
- その他の眼科疾患
ヨウレチンは、表1、表2に記載された網膜・硝子体ほか、広範な疾患に対する治療効果が実証されている。
2.アレルギー疾患治療剤としての治療効果
- 小児気管支喘息
島貫ら※4は、20例の喘息患者でヨウレチン単独経口投与の治療効果を検討し、著効25%、有効30%、やや有効15%、無効30%で有効率70%であった。またタイプ別有効率はアトピー型66.7%、混合型100%、感染型40%と特異抗原によるアトピー傾向患者で有効性が高いと報告している。治療期間は1年<1~2年<2年以上と有効率が高まった。
村上ら※5は、主要抗原に対して特異抗体が陰性であった非アトピー型乳幼児気管支喘息29例にヨウ素量10µg/kg/day相当のヨウレチンを継続的に経口投与し、15.6±5.6ヵ月後に効果を判定して下記の如く非アトピー型でも有効性を確認した。- 全般改善度では、著明改善10例、改善11例、やや改善5例、不変・悪化3例で、改善以上の効果を示したものは72.4%であった。また、保護者の評価も高かった。
- 性別・年齢別・重症度別など背景別全般改善度に大きな差異はなかった。
- 効果は使用後1ヵ月でみられたものもあるが、7ヵ月以前に効果を示したものは約半数であり症例によって差があった。
- ヨウレチンによる治療後の検査で、IgEの上昇をみたものは30%であった。特異抗体検査実施例の90.9%は陰性のままであり、何れかの抗原に陽性になった症例は8例(27.6%)であった。
- 小児反復性上気道炎
鈴木※6らは、6歳までの反復性上気道炎を呈する小児に6ヵ月間ヨウレチンを投与し、鼻汁・鼻閉・発熱・咳噺・喘鳴などの各主要症状の改善具合を検討した。その結果、下記の如く喘息予備軍たるアレルギー傾向児の本疾患に対し有効かつ副作用の少ない薬剤であることが実証された。- 服用後の効果はすべての症状が服用1ヵ月頃より有意に改善し、不変例は3~10%であった。
- 症状の内訳として鼻汁・発熱・咳漱の有効率は6ヵ月の投与で70%以上を示し、やや有効以上を含めると80~90%以上を示した。
- 効果は使用後1ヵ月でみられたものもあるが、7ヵ月以前に効果を示したものは約半数であり症例によって差があった。
- 鼻閉・喘鳴に対する効果は50~60%に有効性を示した。
- 副作用と思われる症例は166例中7例(4.2%)に認められた。内訳は胃腸障害4例(2.4%)、発疹が3例(1.8%)といずれも軽微であった。
- ※1
- 丸尾敏夫ほか:眼科学、第1版2刷、1044、2002
- ※2
- 落合淳一:シリーズ・眼科疾患の薬物療法(8)中心性漿液性網脈絡膜症の薬物療法、薬事新報2231、986-991、2002
- ※3
- 長南常男:二重盲検法によるヨウ素レシチン(ヨウレチン)の臨床的効果の検討 眼科臨床医報70、569-580、1976
- ※4
- 島貫金男ほか:レシチン結合ヨード(ヨウレチン)による小児気管支喘息の治療効果 小児科臨床29(3)、449-455、1976
- ※5
- 村上理子ほか:乳幼児の気管支喘息に対するヨウレチン(Licorice lecithin-bound iodine:L-LBI)の効果 小児科臨床51(5)、1029-1037、1998
- ※6
- 鈴木五男ほか:小児反復性上気道炎のヨウ素レシチン(ヨウレチン)による臨床効果の検討 小児科臨床51(1)、155-167、1998
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