現代人に増えている病気の背景に経皮毒?
ここ最近は、昔の日本人にはありえなかった病気が増えているといいます。そしてその原因の1つになっているのが経皮吸収された化学物質という主張があります。アレルギー症状であったり、性機能に関係する異常や病気は特にその影響が強いといいますが、果たして....。
経皮毒がありとあらゆる病気を引き起こす?
経皮毒はとにかく「化学物質=悪」という色眼鏡でもって世の中を見ているので、他の可能性をすべて無視して何でも化学物質のせいと極端に走りがちです。それが一番よく表れているのが、現代人のさまざまな病気の原因には経皮毒が関わっていると言い切っていること。
科学的な根拠も裏付けもなしにです。
アレルギー疾患への関与
有害化学物質を含む日用品を使い続けることで、過剰な免疫反応が起こるようになり、アレルギーを発症させたり、花粉症、化粧品アレルギーを悪化させるといいます。
婦人科系の病気への関与
身の回りに溢れる化学物質のなかには女性ホルモンに似た作用があるものがあるため、生理不順、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣膿腫、不妊症と関連しているといわれています。
脳への関与
化学物質は脂溶性のものが多く脂肪に蓄積されます。脳は脂肪が多い部位であり、認知症、パーキンソン病、学習障害、自閉症、適応障害に関連しているといわれています。
発がん性への関与
発がん性のある化学物質が皮下脂肪に長期間残留して皮膚がんの原因になるほか、乳がん、子宮がん、前立腺がんも誘発するといわれています。
子供・孫への影響
有毒化学物質は母親から胎児へと受け継がれます。子供に多い喘息やアトピー性皮膚炎は胎児期に胎内で有害化学物質を取り込んでしまったことで免疫システムに異常を起こしてしまったことが原因です。
いかがでしょうか?
他の原因や可能性には一切触れないでありとあらゆる病気に化学物質の関与があると言い切ってしまうのは見事の一言です。繰り返しますが、根拠も検証したデータもありません。すべて経皮毒を肯定する人の「意見・希望的観測」です。
戦後、日本人の死亡原因となる病気が変わってきたり、昔は珍しかった病気が当たり前になってきたということがあるのは事実なんですが、食生活に代表される生活習慣の変化、生活環境の変化、ストレスの増大、出産回数が減ったことによるエストロゲン依存性の問題などいろいろ可能性があるんですね。
化学物質の影響もないとは言い切れないので、原因の1つとして挙げるというのであれば問題ないと思うんですが、科学的な根拠もないし、化学物質の影響を検証した実験もやっていない状態で、経皮毒が関係していると言い切るのはいかがなものか?と思います。
経皮毒がさまざまな病気に関与しているという話のなかで結構話題になるのが生理用のナプキンについてです。いわゆる紙ナプキンには多くの有害化学物質が使用されており、経皮吸収率の高い性器からどんどんそれが浸透して婦人科系の病気や皮膚ガンなっているという話があるんですね。
この話は結局、布ナプキンにしましょうという話につながるので、布ナプキンを売りたい業者が経皮毒を利用して、ロハスとかエコとかオーガニック、ナチュラルなんてワードに反応する女性に仕掛けたマーケティングのような気がします。
布ナプキンに変えてから調子がよくなったという人もいるみたいですが、プラセボ効果というものもありますからね。肌やカラダにいいというものを使えば気分はよくなるし、逆に肌やカラダに悪いモノを使っているといるといわれるとその途端、気分が悪くなります。
そういうもんだと思います。
「経皮毒」が問題視されて、批判される理由というのは、不安を煽られるうえ、その後に何かを売りつけられるからなんですよね。「経済のために経皮毒の恐ろしさが隠ぺいされている」という人は多いんですが、「自然派」「植物性」「オーガニック」を売りにした商品を売るために経皮毒を利用している人達もたくさんいるんですよね。
金儲けのために経皮毒を利用しているのはどっちだって話です。これぞ、まさに目糞鼻糞を笑うという奴です。「経皮毒」という言葉を見かけたら売り込まれると思ったほうがよさそうです。
環境ホルモンってその後どうなったの?
専門家や公的機関に無視されている経皮毒と違って、多くの国で真剣にその人体への影響が研究されているのが環境ホルモン(内分泌かく乱物質)です。
環境ホルモンというのはもともと環境問題として取り上げられたもので、人間が使っている化学物質(農薬や殺虫剤など)が生態系に影響を与えているというところから注目されました。
そして人間も生態系の一部である以上は影響が考えられるのでは?ということで調査・研究が行われているわけですが、日本でも環境省が中心になって長期的な調査が現在も行われている状況です。
環境ホルモンの問題というのは、「一部の化学物質が体内に取り込まれた後、ホルモンのように作用して内分泌(系)の働きに影響を与え複雑な機能調節のメカニズムをかく乱して障害や有害な影響を引き起こす懸念がある」ということです。
経皮毒とはテーマが似ているので、よく混同されてます。というか経皮毒を説明する例として環境ホルモンはよく利用されてます。
で、一番気になるのは環境ホルモンが人体に影響があるのか?結論からいえば、今のところ「環境ホルモンによる内分泌かく乱作用は認められていない」というのが環境省の見解になります。
環境ホルモンの影響は生殖機能にでてきやすいといわれており、男性の無精子症や精子の数の減少との因果関係が疑われているんですが、はっきりとした結論は出ていないというのが現状です。
「危険だということは証明されていないけれど、だからと言って安全だとも証明されていない」という結果なわけですが、これをを知って、どういう選択をするか、行動するかはその人の価値観によって変わってくるということです。