色素沈着って消える?

大田です。

 

 

 

 

 

 

 
アトピー性皮膚炎で、色素沈着(炎症部位の肌の黒ずみ)が気になる方は、意外と多くおられます。
先日も、Sさんから、色素沈着についてのご相談をメールでいただきました。

こんにちはSです。
息子が薬をやめてオムバスを始めてから一年になります。
なかなか良くならないなーなんて思っていましたが、近頃やっと良くなって来たように思います。
手、足、背中など、全身にアトピーが拡がっていましたが、自分で手が届く所はどうしても掻いてしまいます。

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それでも皮膚は強くなってきているようで、血が出ることは前よりも少なくなりました。
まだまだ先は長いのでしょうが、回復の兆しを感じられることはうれしく思います。
ところで以前症状が強かったところの肌の黒ずみが気になります。
これまで掻き壊しや炎症の赤みがあったので気づかなかったのですが、本来色白なのでその白い肌の部分と黒ずんだ部分との差がはっきりとしていて、これも治るのかなーとか思ってしまいます。
日焼けでもさせて均一に黒くした方が良いのでしょうか。
いやいや、そんなことはしない方が良いですよね。

 
掻き壊しが多かった部位などは、掻いた刺激などにより、皮膚が黒ずむことがあります。
これにはメラニン色素が関係していますが、部分的に黒ずんだ状態はどうしても気になることと思います。
私からSさんには、次のようなメールを返信しました。

 
●大田からのメール
Sさんこんにちは。
おっしゃるとおり息子さんの肌は確実に強くなっているようですね。
以前には無かった、肌の弾力性、伸縮性がよくなって多少の掻き方なら傷がつきにくくなっているのでしょう。
これは回復の兆しというより、明らかに回復そのものとも言えるでしょう。
今後もいっそう肌の回復が順調に進むように、入浴やスキンケア、規則正しい生活などに気をつけ元気に秋冬を乗り切って行きましょう。

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ところで最近Sさんは息子さんの肌の黒ずみ(色素沈着)を気になさっておられるとのことですね。
おそらく元々アトピーの炎症があった部分で、今はほぼ回復、もしくは回復しつつあるような場所が黒ずんでいることと思います。
「日焼けで全体的に均一にならしてしまおう」とされるのはちょっと待ってください!

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その前にこの「肌の色素沈着」について、考えてみましょう。

少し難しい話かもしれませんが、皮膚の構造は表面の部分から

となっており、またここまでを表皮と言います。

 

 

 

 

 

さらに表皮の下は

・真皮
・皮下組織

と呼ばれる部分になっています。
ちなみに、基底層の部分で表皮細胞ができて、有棘層→顆粒層→角層へと順次押し上げられてゆき、最後に垢になって剥がれ落ちるまでをターンオーバーといって4~6週間がかりで繰り返していると言われます。

皮膚は摩擦や紫外線などの刺激を受けると、これらの刺激から細胞を守るためメラノサイト(色素細胞)からメラニン色素が分泌されて黒ずみます。
これが色素沈着です。
色素細胞は表皮の最下層の基底層のところで、メラニン色素をつくって周りの表皮細胞に渡しているのです。

ところが炎症の影響や、長期間摩擦など刺激が続くと、大量のメラニン色素が造られ、新陳代謝されにくい皮膚の奥底(真皮)に残留して堆積していきます。
皮膚の浅い部分のメラニン色素は新陳代謝にともなって消えますが、皮膚の奥底のものは新陳代謝ではなく、メラノファージ(メラニンを食べる細胞)によって消えていきます。

このような理由から、日焼けで均一に黒くしたとしても、表皮の部分のメラニン色素が増えることはあっても、皮膚の奥底のものが減ることは、ないということになりますね。
今、息子さんの身体がフル稼働でメラニン色素を処理しているところに、さらに余分な仕事を増やすことになりかねませんので、お薦めすることはできません。
やはり、入浴と規則正しい生活やスキンケアといった普段の積み重ねが大事ということです。
幸い肌の回復は明らかにみられますので、今後も痒みが減ってゆくことでしょう。
そして肌に加わる刺激も少なくなって行きますので、徐々にそして確実に黒ずみが薄くなってゆきますから安心してください。

では、状況を見ながら、また連絡をいただければと思います。
頑張ってください。

 

色素沈着の要因としては、先ほどあげた、紫外線や機械的な摩擦刺激の他、加齢による増加、ホルモンバランスの異常、肝機能低下などによりデトックスできなかった老廃物などがあげられます。

このように考えると、色素沈着改善のポイントとしては、

 

・紫外線への対策を十分に行う。
・適切なスキンケアで痒みを感じる知覚神経を保護し、乾燥や刺激から守る。
・バランスのとれた食事でビタミン、ミネラル類を十分に摂取する。

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・規則正しい生活で内分泌、自律神経など身体の諸機能を正す。
・入浴や適度な運動により血行促進や新陳代謝をあげる。

 

ということに行きつきます。
いずれはメラノファージの働きで自然にとれていきますが、私たちは日々の生活改善で身体の回復を後押ししてあげることが大事ということです。

色素沈着を悩まれている方は、時間をかけることで少しずつ変化してきますので、焦らずに取り組んでいただければと思います。

 
おまけ★★★★東のつぶやき

以前、スキンケアで某大学病院の皮膚科教授の先生を取材させていただいたとき、アトピー性皮膚炎の方の長引いている色素沈着とは「路地に溜まったゴミ」のようなものだから、根気よく時間をかけて処理してあげることが大切だ、というお話をいただいたことがあります。
部分的に黒ずんだ肌は、どうしても気になるとは思います。
でも、どんなに美白効果が高いものを使用しても、今日の大田さんのブログで書いてあったような真皮層のメラニン色素には効果はあまり期待できません。
それよりも、体がそのメラニン色素に対処してくれるよう、睡眠・食事・運動といった毎日の生活習慣に気をつけるようにしたいものですね。