皮膚に関する医学用語!痂皮・丘疹・結節・腫瘤・びらんなど
皮膚の状態には個別に医学用語がある
痂皮(かひ)
痂皮とはかさぶたの別名であり、病院や医学書などで頻繁に使われる単語です。かさぶたは皮膚が傷ついたときに、表面ににじみ出た血液や膿が乾燥して、固まってできます。
乾燥した結果、かさぶたができますが、この状態は皮膚をきれいに再生するためにはあまりよくありません。
かさぶたは表皮と真皮が死んでしまった状態であり、死んでしまった表皮や真皮からは、新しい皮膚が再生しません。
そのため、傷の乾燥は治りを妨げることになります。すり傷や切り傷においても、傷は乾燥させるより、湿度が高い環境を保持することが、実は早くきれいに治す方法です。
丘疹(きゅうしん)
丘疹は皮膚が膨らんで盛り上がった直径1cm以下の隆起を意味します。針先から大豆までの小さな盛り上がりのことです。
蚊に刺されて皮膚が赤く膨らんだ状態も丘疹です。多くは赤みを帯びていますが、白っぽくなることもあります。
丘疹はひっかくと表面の皮膚が破れて、水が出てジメジメすることがあるため、湿疹の「疹」という文字が使われています。
結節(けっせつ)
結節とは皮膚が膨らんで、盛り上がった部分を指します。硬くて比較的大きな盛り上がりで、丘疹よりも大きな状態です。
ただ、最近ではあまり使われない言葉になってきました。大きさは直径1cm以上で、詰まって少し硬めに隆起しています。丘疹よりも深く真皮や皮下組織にまで根付いていることが特徴です。
皮膚細胞が炎症したり、腫瘍が水分を膨らんだり、老廃物の蓄積によって形成されます。
腫瘤(しゅりゅう)
腫瘤とは腫瘍が原因で皮膚が膨らんで、1cm以上盛り上がった部分を意味します。いわゆる腫れ物やコブのことであり、広義で出来物を指します。
腫瘤は体の一部の組織や細胞が、病的に増殖した状態です。ほとんどの場合は増殖した組織や細胞が腫れ物を作ります。
また、腫瘤は腫瘍の一部などと混合されやすいですが、まずはでき物である腫瘤が見つかり、それが腫瘍、水泡、嚢胞などに区別される流れです。
ちなみに腫瘤が腫瘍であった場合、その腫瘍の細胞が悪性になるとがんと診断されますし、良性の場合は良性腫瘍と呼びます。
水疱(すいほう)
水疱は皮膚が水分を含んで盛り上がった状態で、写真は赤いですが、透明が多いです。
水泡は米粒大から卵くらいまで、大きさにはばらつきがあります。水疱疹や水ぶくれとも呼ばれ、皮膚にできると盛り上がります。
軽いやけどなどでもよく見られます。年齢とともに体内にもよくできますが、悪影響がない場合は放置しても大丈夫です。
膿疱(のうほう)
皮膚が水分を含んで、盛り上がった状態は水疱と一緒ですが、膿疱は中に膿(うみ)が溜まった状態です。
手の平や足の裏に、ひどい場合は手首や足首にも広がり、一見すると水虫のような症状がでます。赤い点々や小さい豆状の小ぶくれができることもあります。
この水ぶくれを「膿疱症」と呼びます。2~3週間もすれば、自然と治りますが、根本を絶たないと再発する恐れがあります。
斑(はん)
斑とはまだらやぶちのことです。皮膚は表面の色が変化していき、1つではなく複数同時に発生することが多いです。
斑は色ごとに紅斑、紫斑、白斑に分類できます。白斑は2013年に美白化粧品で白斑になる健康被害があったことで有名になりました。
| 名称 | 説明 |
|---|---|
| 紅斑(こうはん) | 赤くて、指で強く押すと一時的に消えますが、再度赤くなります。一過性の血管拡張によって起こります。 |
| 紫斑(しはん) | 紫色であり、指で強く押しても消えません。出血によって起こります。 |
| 白斑(はくはん) | 正常の皮膚よりも白い部分を指します。メラニン色素が減少しています。 |
斑の原因はメラニン色素の増加や出血による色素沈着があげられますが、どうしてそのような現象が起こるかは明確には判明していません。
びらん
びらんとは皮膚や粘膜の上層の細胞が剥がれて、ジクジクとただれた状態を指します。水疱や膿疱でよく起こり、水ぶくれが潰れて、赤い皮膚が露出することもあります。
例えば、胃内部びらんでは胃壁が剥がれることを意味します。このように皮膚がただれて剥がれ落ちる状態は、すべてびらんです。
子宮膣部びらんでは膣の奥にある子宮頸管の赤い粘膜が、ホルモンの影響などで膣部表面にはみ出し、その部分がただれたように見える状態です。
口角びらんでは唇の角の部分に割れ目ができ、口を大きく開けると痛んだり、出血したりする症状です。細菌の感染や機械的な刺激で起こりますが、全身疾患の一部として出てきやすいです。
膨疹(ぼうしん)
膨疹は皮膚が薄いピンク色でやや盛り上がった状態になります。皮膚の上部に発生するために比較的柔らかく、特別な病気の症状などではありません。
膨疹は学術的には「一過性の浮腫」と定義されていて、短時間であとかたもなく消えてしまうことがほとんどです。
血管から物質が外に出ていく血管透過性が強まり、真皮内に流出した血漿タンパク質が真皮の隙間に入って、抑制されて浮腫となることで発症します。
ヒスタミンやブラディキニン、SRS-A、アセチルコリンなどの化学物質が分泌されて、血管透過性がしやすくなりますが、これは必ずしもアレルギー反応などで起きるわけではありません。
鱗屑(りんせつ)
鱗屑とは皮膚の最も外側にある角層が、フケのようにはがれかかった状態です。
著しく角質化した角層が皮膚に乗っている状態で、表面は炎症していますが、真皮は炎症がないこともあります。
鱗屑がよく見られる皮膚病ではアトピー性皮膚炎やじんましんなどが典型例です。そのような皮膚病により鱗屑が発生して、実際に角質が剥離した場合は「落屑」と呼ばれています。
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更新日 2015.07.14
Kirito Nakano