冬になると、かかとはガサガサしてきてひび割れを起こします。
多くの女性を悩ませている冬の足トラブルのひとつが、かかとのガサガサとひび割れです。
しかし、考えようによっては冬より夏のほうが素足(かかと)を露出する機会が多いため、深刻かもしれません。
かかとの角質ケアに使う塗り薬はケラチナミンが有名ですが、皮膚科ではサリチル酸ワセリンを使用することも多いです。
サリチル酸ワセリンを使った、かかとガサガサ対策は健康保険が使えます。
※本記事の「かかとひび割れ」とは、かかとが乾燥して白くなり割れたように見える状態を指します。
かかとひび割れの原因
かかとひび割れの原因はいくつかありますが、原因の多くは乾燥と圧迫です。
歩いている間や立っている間は、かかとは絶えず圧迫されています。
圧迫を受けたかかとの弾力性は下がり、乾燥が加わりガサガサしてひび割れてきます。
スポンサーリンク
かかとひび割れは水虫かも
足水虫は爪水虫(爪白癬)や指間水虫(指の間の水虫)が多いですが、かかと水虫もあります。
かかと水虫は見た目がかかとひび割れに似ていてガサガサしています。
皮膚科医もかかとを見ただけでは、水虫orかかとひび割れを断定できず、かかとひび割れ部分の角質を採取して、顕微鏡で水虫菌(白癬菌)の有無を確かめてから確定診断します。
かかと水虫はかゆみがほとんどなく、知らない間に進行してしまう厄介な水虫でもあります。
もし、そのかかとひび割れが水虫だった場合、サリチル酸ワセリンやケラチナミンを塗り続けても、ひび割れはいつまでたっても改善しません。
かかと水虫であるならば、ルリコン、ラミシール、イトリゾールなどの抗真菌薬を使用して水虫の治療を行います。
(サリチル酸ワセリンを併用する場合もある)
サリチル酸ワセリンとは
サリチル酸ワセリンとは、その名のとおりサリチル酸と(白色)ワセリンを混合して作った黄色~白色の塗り薬です。
サリチル酸ワセリンを上から見た画
サリチル酸ワセリン(10%)1g中
- サリチル酸 0.1g
- 白色ワセリン 0.9g
サリチル酸ワセリンは、2種類のワセリン(10%と5%)があります。
※本記事のサリチル酸ワセリンとは10%のサリチル酸を含む塗り薬を指します。
サリチル酸ワセリンの効能効果
サリチル酸には角質軟化溶解作用(皮膚を溶かす作用)と弱い抗菌作用があります。
サリチル酸ワセリンは、水虫、にきび、アトピー、かかとひび割れ・・・。
多くの皮膚病に効果があり使用できます。
乾癬、白癬(水虫)、癜風(でんぷう)、角化症(かかとひび割れなど)、湿疹(角化を伴う)、口囲皮膚炎、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、アトピー性皮膚炎、ざ瘡(ニキビ)、多汗症、その他角化性の皮膚疾患。
サリチル酸ワセリン添付文書より抜粋、加筆
サリチル酸ワセリンの使い方
(かかとひび割れ)
1日1回入浴後、かかとがガサガサしてひび割れているところ、白くなっている角質に限定してサリチル酸ワセリンを塗ります。
さらに、朝も塗ると効果大です。
サリチル酸ワセリンをかかとに塗った後は、忘れずに靴下などを履きます。
さもないと、サリチル酸ワセリンがフローリングにべたべたついて掃除が必要になります。
サリチル酸ワセリンはいつまで使う?
かかとひび割れが改善してきたら、サリチル酸ワセリンは減量または中止します。
サリチル酸ワセリンは角質軟化溶解作用があるため、正常な状態の皮膚に塗り続けると、皮膚がうすくなり痛みが出てくる場合があるからです。
中止後は、かかとひび割れ予防にヒルドイドなどの保湿剤や、プロペトなど皮膚保護剤を塗り続けるのが望ましいです。
サリチル酸ワセリンの副作用
サリチル酸ワセリンは、使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査は行われていません。
角質に(かかとに?)合わない場合、赤み、かゆみなどの副作用が出る可能性があります。
サリチル酸ピーリング
にきびの原因の毛穴のつまりを改善したり、古い角質をはがす目的で、ケミカルピーリング剤の成分のひとつとしてサリチル酸は使用されています。
(サリチル酸マクロゴールピーリング)
ケミカルピーリング剤にも使われるサリチル酸をかかとに塗ることで、かかとの角質がやわらかくなり、かかとひび割れの改善が期待できます。
サリチル酸ワセリンの市販
サリチル酸ワセリンは市販されていません。
スピール軟膏
代わりに、タコ(ベンチ)、魚の目(鶏眼:けいがん)の治療薬として有名なスピール膏(サリチル酸含有)であれば、ドラッグストアでも市販されています。
スピール膏には高濃度サリチル酸(50%)が使われており、サリチル酸の角質軟化溶解作用でたこ、魚の目を柔らかくします。
たこ、魚の目に似た症状にイボ(ウイルス性疣贅:ゆうぜい)がありますが、サリチル酸はイボに無効です。
(イボコロリもサリチル酸を使用していますので、イボには無効です)
イボは液体窒素でジュッとする痛い治療(冷凍凝固療法)やヨクイニンが有効です。
スピールジェル
スピールシリーズの市販には、貼り薬タイプ以外にサリチル酸15%を配合した塗り薬(ジェル、液)タイプもあります。
スピールジェルはサリチル酸を含む塗り薬ですので、理論上はかかとに塗ればひび割れは改善する可能性がありますが、薬効の適応外ですのでおすすめできません。
(スピールシリーズは魚の目・たこ治療薬)
まとめ
- かかとの角質ケアに使う塗り薬はケラチナミンが有名ですが、皮膚科ではサリチル酸ワセリンを使うことも多い
- かかとひび割れの原因が水虫の可能性もあるため、皮膚科の受診がおすすめ
- サリチル酸ワセリンには角質軟化溶解作用、弱い抗菌作用、皮膚保護作用がある
- サリチル酸ワセリンは、1日1回~2回かかとひび割れに塗布して、改善してきたら減量または中止する
- サリチル酸を含む市販にスピールシリーズがあるが、これらは魚の目・たこの治療薬