去年の暮れに父に肺癌が見つかり、ステージは1Aで1月末に手術により切除しました。...
去年の暮れに父に肺癌が見つかり、ステージは1Aで1月末に手術により切除しました。
検査の結果小細胞癌とのことで抗がん剤による治療を行い、6月頭に終了したところです。
ですが、今月初めに術後のPET検査により、脳と腰への転移が見られました。
今後は残りの検査を行い放射線治療をしていくのですが、サイバーナイフによる治療が体への負担が少なく新しい治療法だということで本人もそれでやりたいと言っているのですが、もしこの他にも有効な治療方法などありましたら教えてください。
あと、転移した癌でも早期発見なら回復の見込みはあるのでしょうか。
検査結果を聞いたのがつい先日で私も気が動転してしまい、無知で申し訳ありませんが教えてください。
ベストアンサーに選ばれた回答
がんの他臓器に転移し,そこでまた増殖し再発するという性質はよく知られていますが,このがん特有の転移が,がん治療を困難にし,生存率を低下させています。
正常細胞には互いの細胞と細胞を結びつける細胞接着分子というものが存在します。この接着分子により,各臓器はその形態を維持しているとも言えるのですが,がん細胞はこの接着分子の機能が低下し,がん細胞の集団から個々のがん細胞がはがれやすくなっているのです。
この接着分子の性質が失われたがんほど,未分化がんと呼ばれ,悪性度が高く,転移しやすいがんです。
さらにがん細胞には組織の中を動いていく「遊走」という性質を持っているものがあります。がん細胞は細胞が放出する成長因子や増殖因子があるとそれを追いかけるように移動する性質があります。
がん細胞はこれらの因子を自ら放出して自ら受け止めるという奇妙な性質があります。
このメカニズムにより,がん細胞は自らを増殖させる信号を出し,それらを自ら追いかけ運動を開始し,また増殖するという異常な動きを見せます。
このような性質により,浸潤とよばれる正常細胞の中にがん細胞が散らばるようにして拡がる現象が見られるのです。
また,がん細胞はタンパク質分解酵素を分泌し,血管壁を溶かし,血管の中に潜り込んだり,血流に乗って全身をめぐり,血管の外へ出て,再び増殖したりします。
さらに,転移したがん細胞はそこで,普通の血管へ血管新生因子を送り,がん細胞への血管を新たに作ることで,酸素や栄養分を吸収して,増殖を早めるのです。
しかし,最初の治療で放射線治療を実施している場合,組織が腫れたり,壊死したりするなど深刻な副作用をともなうことが多いので,放射線治療は困難で,抗がん剤治療が選択肢となります。
ただし,既に述べたように,最初の治療で使用した抗がん剤は生き残ったがんが耐性を持っているため,同じものは使えず,抗がん剤の種類の選択肢も限られてしまいます。
いずれにせよ再発がんの治療は困難なことが多く,本人の全身状態が芳しくない場合や抗がん剤や放射線治療の効果が期待できない場合などは積極的治療により症状を悪化させることも考えられ,症状を軽くする緩和治療が優先されます。
現在,手術,抗がん剤,放射線の三大治療で治療が困難な場合,免疫療法や温熱療法など代替療法を組み合わせた統合医療が注目されています。
代替療法を軽視する人もいますが,抗がん剤治療と比較して,良好なQOLを保てるケースも多く,再発がんの治療においては,選択肢の一つとして考える価値は十分にあります。
免疫細胞療法とは,がん免疫療法とも言われ,私たちの体に本来備わっている免疫機能を活性化させ,がん細胞を消滅させようというがん治療の一つです。
免疫細胞療法は患者自身の免疫細胞を増殖,活性化させることでがん細胞に対する攻撃力を高めようとする治療方法であり,副作用もほとんどなく,手術,放射線治療,抗がん剤治療の三大治療につぐ第四のがん治療法として近年注目されるようになってきました。
現在,免疫細胞療法はより効果的な治療法を求めて,様々な機関で研究が進められている発展途上の治療法,研究段階の治療法でもあります。
この治療法は,再発の予防の手だてとして,また,手術では切除が不可能な場合などの代替療法としても有効といわれています。
抗がん剤治療と比較して,患者のQOLを高く維持できるため,緩和医療としても有効であり,三大治療と併用してそれぞれの治療効果を高めることも可能です。
ただ,この免疫治療を軽視する人もいます。 「手術や抗がん剤,放射線治療でがんを治すのであって,免疫治療ではがんは治せない。」と主張する医師もいます。
しかし「抗がん剤治療や放射線治療などの標準治療といえど,免疫細胞の力を借りなければ効果がでない。」ということを示唆する実験結果が多く発表されています。
そして2010年代の現在では多くの機関,施設でこの免疫細胞療法の研究が行われ,その治療法も進化しています。
これは,患者の体質は一人ひとり異なるため,患者の体質をよく見極め,その患者にあった治療法をおこなうという考え方です。
免疫細胞療法においてもこの個別化治療が進んでいます。たとえば,同じがんの患者においてもがん細胞上にある分子であるMHCクラス1が発現している場合と発現していない場合があります。
最近では免疫組織化学染色検査により,このMHCクラス1がどれだけ発現しているかが判明し,適切な治療法が選択できるようにもなりました。
さらに,免疫細胞療法とは異なりますが,免疫療法の一種であるがんワクチン療法も普及しはじめ,手術をしてがん細胞を獲得できる場合は抗原として利用しますが,手術が不能な場合,人工抗原(がんペプチド)を利用できるようにもなり,よりきめ細かい治療が可能となってきたのです。
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