皮膚と水分の関係
年齢を重ねるとともにしだいに減少していく身体全体の水分量の変化に伴って、皮膚の水分量も変化していきます。このことは、肌のうるおい、あるいはみずみずしい肌を保つことと大きな関わりを持っており、そこには複雑なメカニズムが働いている事がわかります。
肌のなめらかさには、皮膚の水分量が大きく関わっています。健康で、正常な肌の状態を保っている場合、水分量は角質層で15020%、角質層より内部の表皮や真皮では60070%となります。角質層とより内部の皮膚でこれだけ差が出るのは、角質層が水分の通過に対して強力な壁となるバリアゾーンのためです。
肌荒れと角質層の状態
肌荒れは、角質層の水分保持力が低下して水分が奪われ、肌が乾燥するトラブルです。荒れた肌は、水分や油分を補わないと小じわになりやすくなります。
(参考文献:美容皮膚科学事典より)
角質層の水分保持メカニズム
角質層は外的環境からの影響を受けやすいので、角質層の水分量と、気温・湿度との関係は密接です。ことに湿度との関連性は深く、湿度が高ければ角質層の水分量は増し、空気が乾燥していれば角質層の水分量は減少します。冬の乾燥した風にさらされたり、冷暖房のきいた室内に長くいたりすると肌がかさついたようになるのはこのためである。角質層の水分量が10%以下になると、肌がカサカサになってうるおいが無く、柔軟性は失われます。
乾燥肌に注意
冬の空気は乾燥しがちで、暖房してある室内ではなおさらです。一般的に湿度が50%以下になると肌がかさつくといわれます。空気が乾燥していると、肌の水分もどんどん蒸発し、肌荒れや小じわへと進行していきます。水分を充分補給し、油分の膜をつくり、肌から水分を失わないようにしなければなりません。
乾燥肌と脂性肌の特徴
ヒトの脂質はまさに十人十色、百人百様です。自己判断では、自分は乾燥肌と思っている人は全体の3割強、脂性肌と思っている人は5割弱、普通肌と思っている人は5割弱。
ところが皮脂の分析(視診・触診・科学的観察)をしてみると実際の皮膚状態と多少食い違う結果がでました。そこで、脂質の特徴を定義的にまとめると次の通りになります。
測定結果乾燥肌と脂性肌の特徴
| 肌質 | 特徴と手入れのポイント |
|---|---|
| 乾燥肌 (ドライスキン) | 皮脂分泌量の低下により、常に乾燥気味です。角質の水分含有量も低下気味である。肌の状態は、かさついて荒れやすく、キメは細かいが乱れがちです。pHはアルカリ性に傾きがちで、皮膚表面で細菌が繁殖しやすくなり、カブレの症状をきたすこともあります。乾燥肌は表面のうるおいが無く、ザラザラしたり、フケ状の角片が浮いたりするので荒れ性肌とも言われています。
|
| 脂性肌 (オイリースキン・あぶら性肌) | 敏感肌と正反対に位置しているのが脂性肌です。皮脂分泌が過剰な事から、顔全体があぶらっぽく光っています。皮膚が肥厚していて、キメが細かく、毛穴が大きめで開いており、とくに目立つのは鼻から両頬にかけてのあたりで赤みをおびてみえ、ニキビや吹き出物ができやすい肌でもあります。皮膚表面はうるおいがあるように見えますが、皮脂は多くても水分が不足していることもあります。一般にpHは酸性に傾いています。
|
| 普通肌(ノーマルスキン) | 乾燥肌でもなく脂性肌でもない両者の中間的な肌の事です。皮脂腺・汗腺の分泌バランスがとれており健康な状態です。悩みの少ない肌ではありますが、部分的にかさつくこともあります。通常、pHも4.506.0の弱酸性となっています。 |
若々しい肌と老化した肌
皮膚の衰えは、外見的にはこのような状態で現れます。うるおいやなめらかさの変化は皮脂腺や汗腺の機能低下、角質層の水分保持低下により起こり、張りや弾力、血色の変化は皮膚の内部の老化の結果と言えます。
加齢現象と「保湿」の大切さ
年齢を加えることによぅて生じる様々な変化を加齢(エイジング)といいます。具体的には、肌の張り・弾力がなくなる、小じわが生じる、シミがでてくる・・・等の変化が肌の上に現れます。(加齢の現れ方は、個人差があります。)老化減少をまねいてしまう要因としては、肌の手入れ法に誤りがあった場合や、日常生活での不摂生による悪影響などが考えられます。温度や湿度、紫外線を浴びすぎるなどの外的要因もあれば、現代人にみられがちなストレスといった内的要因もある。
年を重ねるごとに起こる肌の衰えは避けがたい事実ではありますが、そのメカニズムを知り、老化を促進させる因子をひとつひとつ取り除く事で、少しでもブレーキをかける事は可能です。そして、その中でも「保湿」は、加齢現象に大きく影響してくるといえるでしょう。