肌の乾燥はあらゆる肌トラブルの原因になり、シミもその一つです。20代の頃はどんなに日焼けしても秋になると静まるし、冬になると元通り、といった場合は肌のターンオーバーがうまくいっている証拠だったのです。
ところが、年を重ねると肌のターンオーバーが遅くなったり、乱れたりしてうまくいかなくなりシミとして残ります。肌が乾燥するとダメ押しになってしまい、シミがしっかり肌に残ってしまいます。
今あるシミを消したい、これ以上シミを増やしたくない、といった悩みへの対処方法をご紹介します。
乾燥肌はシミができやすい?シミができる原因
シミにもいろいろな種類があり、原因もそれぞれ違いますが、一つ言えることは肌が乾燥しているとシミができやすく、治りにくいということです。
紫外線を浴びると肌が黒くなるのは、紫外線から皮膚を守るためにメラニン色素を分泌させているからです。ただし、日々新しい皮膚細胞が内側から生まれているので、メラニン色素が分泌された細胞は、肌が生まれ変わりにあわせて外側へ排出されるので、最終的には垢となって落ちるのです。
ところが肌が乾燥していると、肌の生まれ変わりがスムーズにいかなくなり、メラニン色素が皮膚の深い層に落ちてしまってシミになります。
もちろん、紫外線を受けた段階で肌が乾燥していると、ダメージが大きくなって一層乾燥が進んでしまいます。
紫外線を浴びてシミになる人、ならない人の違いって?
同じ時間だけ外で日差しを浴びているのに、シミができる人とできない人、何が違うのでしょうか。
年齢、肌質、日焼け止めのぬり方などいくつか条件が考えられます。
20代メラニンは肌の代謝で落ちる。30代、40代は代謝に倍の時間がかかる
20歳をすぎれば誰でも肌のターンオーバーが遅くなってきます。
肌の生まれ変わりは28日周期であることは有名ですが、28日で生まれ変わるのは20代。
年齢を重ねるごとに周期はどんどん伸びて、40代になれば肌の生まれ変わりには平均で約55日かかります。
食生活や運動などを気を付けてある程度代謝を上げることができますが、20代と同じというわけにはいきません。
自分で思っている肌質、本当に合っている?思っているよりも肌の水分は失われている
肌質の違いは乾燥気味とか混合肌などがありますが、自分で思っている肌質と、皮膚科などで調べた肌質とは隔たりがある場合が多いです。
20歳をすぎるとほとんどの人は乾燥肌に傾きます。それなのにいつまでも10代の頃と同じ化粧品を使ったり、暴飲暴食や深夜まで起きているなど生活が乱れていると、乾燥が進んでしまうし、肌の生まれかわり(ターンオーバー)も乱れ始めます。
日焼け止めぬったつもりになっているけどほとんどの人が全然足りない
最後に、みんなやっているつもりでできていないのが日焼け止めによる紫外線対策の違いです。
顔は化粧下地やファンデーションに入っているので、重ね塗りなどをしている場合が多いのですが、体に関しては必要な量よりも少なく、薄く塗っている場合がほとんどです。
皮膚1平方センチメートルあたり、日焼け止めは2gほど必要です。薄く塗っていると、紫外線防止効果は半分も得られませんし、日焼け止めは肌へダメージを与える成分も多いのでただ肌を傷めるだけになってしまいます。
日焼け止めを使っている半数以上の人が、必要な使用量の半分から1/4ほどしか塗っていないという調査結果もあります。
結局、シミができにくい人というのは、食生活も睡眠も十分で、日焼け止めなどの紫外線対策もぬかりなくしているということになるのです。
市販されているシミ対策商品のほとんどが予防で直接消す力はない
では、シミ対策で多く取り入れらている方法とはなんでしょうか?CMなどでなじみがある、「美白化粧品」がほとんどではないでしょうか?
しかし、「美白化粧品」の効能は「シミになる前の予防」であって、「シミを消す」ことではありません。「シミになる前の予防」ですら、薬事法で厳しく規制されて、厚生労働省で認められてはじめて表記できるのです。
では、「シミになる前の予防」は、すでにシミが出来ている人には無駄なことなのかといえば、そうではありません。シミがあるところへ、さらにシミができると濃くなり、ますます目立つようになってしまいます。
すでにシミができている人に「シミになる前の予防」もとても重要なことなのです。
出来てしまったシミを消す方法は?
出来てしまったシミを消すには色々な方法があります。シミを消したいときは、これからできるシミを予防しつつ、今あるシミの治療を行うことがベストです。
シミにも種類があり、消えやすいシミや消えにくいシミなどがありますし、シミの種類と治療方法があっていないと消すことが難しくなります。
自分にできているシミと、シミを消す方法の組み合わせが重要なので、どんなシミにどんな治療法があっているのかを知っておきましょう。
シミの種類と治療法
一般的にシミと呼ばれている物の中で多くみられるのは「老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)」「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」「雀卵斑(じゃくらんはん)」「炎症性色素沈着(えんしょうせいしきそちんちゃく)」「肝斑(かんぱん)」「花弁状色素斑(かべんじょうしきそはん)」などです。
もっとも多いのが「老人性色素斑」であり、直接の原因は紫外線を浴びたことによる影響です。
一番多い!老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)
老人性色素斑は「日光性黒子(にっこうせいこくし)」とも呼ばれています。紫外線を浴びた影響ででき、ほほの一番高い部分にできやすく、数ミリから数十ミリの色素斑です。丸い形でできることが多く、最初は薄い茶色でできるけれど、時間経過とともに濃くはっきりと見えるようになります。
年数が経過すると浮き出てくることがあります。
老人性色素斑に有効な治療法はレーザー
シミの輪郭がはっきりしてきたならば、レーザー治療が有効です。
レーザー治療は皮膚科や美容外科で受けられます。
1回の治療で終わることが多いですが、症状により効果は違います。費用は1センチ平方メートルあたり、約3000円~約1万円くらいと病院によってバラツキがあります。
治療中は輪ゴムがパッチンと飛んできたくらいの痛みがありますが、治療後は特に痛みがないことがほとんどです。
レーザー治療の施術後はかさぶたのようになります。
かさぶたが剥がれ落ちて肌色が落ち着くとシミがほとんど消えた状態になりますが、落ち着くまでの期間には個人差があります。
また、女性ホルモンが活発な間つまり生理が終わるまで(50代前後になるまで)シミは再発しやすい人がほとんどです。
イボのような脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)
シミからいぼのように盛り上がってきたもので、表面がボツボツとしていて手の甲などにもできやすいのが特徴です。
脂漏性角化症に有効な治療法はレーザーと液体窒素療法
老人性色素斑と同じくレーザー治療が有効です。また、液体窒素による凍結療法が適用できる場合があります。
液体窒素療法は「凍結」と「融解」を繰り返す治療法です。マイナス196℃の超低温の液体を綿棒などに浸み込ませて患部を急激に冷やし、皮膚表面の異常組織を壊死させます。
すると、壊死した細胞の下に新しい皮膚が再生します。
治療は数回続ける必要がありますが、治療中、後に痛みが強い場合があります。
一般的にはソバカス。雀卵斑(じゃくらんはん)
小さいシミで、子どもにもみられるのが雀卵斑です。厳密には遺伝的なものだけを雀卵斑といいます。
10代の頃からでき始めて、小さくポツポツとしたシミが鼻を中心に散らばったように現れます。白人に多くみられていますが、日本人ではもともと色白の人に多く現れています。
雀卵斑に有効な治療法はレーザー
老人性色素斑と同じくレーザー治療が有効ですが、遺伝的要素があるため、再発することもあります。
ニキビをつぶしてしまった後は炎症性色素沈着(えんしょうせいしきそちんちゃく)
ニキビをつぶしたり、傷跡などが茶色くシミになって残ったものを炎症性色素沈着といいます。顔だけでなく、体の虫刺され後、傷跡にも同様に現れます。
ムダ毛を毛抜きなどで抜いた後に、毛穴の周りが園主をおこして黒く跡残りしたのも炎症性色素沈着です。
炎症性色素沈着に有効な治療法はピーリング
ピーリングを行うことで、即消えるまたは薄くなることが期待されます。ピーリングは自宅でできる石けんや化粧品もありますが、皮膚科などの病院で行ってもらった方が確実にきれいになります。
ピーリングとは、一種の酸(AHA、フルーツ酸など)を皮膚に塗り、角質をはがして新しい皮膚を再生する治療です。コラーゲンが増えるのでシワやたるみにも効くなど副効果もあります。
1回の費用は5000円から2万円と幅がありますので、ピーリングを検討している人は事前に病院に問い合わせましょう。
治療期間は2~4週に1回の頻度で5回くらい行うケースが多いです。治療当日はピリピリすることが多いですが、当日からメイクすることが可能です。
女性ホルモンのバランスが崩れたら現れる肝斑(かんぱん)
妊娠中やストレスなど女性ホルモンが崩れたときに、ほほの一番高いところに現れます。左右非対称でできることが多く、色は茶色や灰色など様々で、ほほの他には鼻の下やおでこなどにもみられます。
ピルを飲んでいるときや、更年期にも現れることがあります。
肝斑に有効な治療法は漢方薬かトラネキサム酸
他のシミに効果的な治療法はレーザーですが、肝斑の治療にはレーザーは不向きです。
肝斑には、TVのCMで有名になったトラネキサム酸を、1か月~数か月服用すると薄くなることが多いです。病院でも処方されますが基本的には自費での治療となるので、ドラッグストアで購入してもあまり変わりがありません。
漢方薬では、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」「加味逍遥散(かみしょうようさん)」などが効果的です。血のめぐりを良くし、美白効果も期待できます。漢方取扱いの病院でも処方してもらえますが、ドラッグストアで漢方エキスが入った薬であれば手軽に購入できます。
なお、トラネキサム酸であれば1か月分の費用は約4000円弱です。
急な日焼けの後がシミになった花弁状色素斑(かべんじょうしきそはん
夏の海やレジャーなどで急激に日焼けをしたら、花弁状色素斑として肩や背中に残ることがあります。小さなシミですが、丸い形ではなく花弁のような形をしています。
花弁状色素斑に有効な治療法はレーザー
レーザー治療以外の方法で消すことは難しいのが現状です
シミを消すハイドロキノンという塗り薬について
上記で種類ごとのシミ治療法をご紹介しましたが、これ以外にも、ハイドロキノンという塗り薬でシミを薄くすることができます。
ハイドロキノンは肝斑や雀卵斑など、表皮にできたシミに有効で、早ければ塗り始めて2週間ほどでシミが薄くなる効果を実感できます。
シミの原因であるメラニン色素の生産を抑え、メラノサイトそのものを減少させます。絵画ではシミや色素沈着の治療薬として早くから化粧品などに配合されていましたが、日本では歴史が浅く認知度は高くありません。
ハイドロキノンは化粧品に配合されているものもありますが、皮膚科や美容外科で処方してもらうと濃度が高く、効果が高い塗り薬が処方されます。
また、病院で処方されるときはトレチノインというビタミンAを含む塗り薬が同時に処方されます。トレチノインは角質をはがし、表皮の細胞分裂を促進して皮膚の再生を促す薬です。
ハイドロキノンとトレチノインを同時に使うと、3~5日ほどで塗った場所が日焼け後のようにぽろぽろととれて新しい皮膚が再生され、皮がむけた後にシミが薄くなったきれいな肌が現れます。
ただ、効果には個人差があり、思ったように薄くならないこともありますし、強い薬なので人によっては炎症がおこる場合があります。必ず医師に経過を見てもらって使うようにしましょう。
また、費用は病院によってまちまちですので、あらかじめ病院に確認しましょう。
ハイドロキノンで治療中は、絶対に紫外線を浴びないように対策を万全にします。また、治療薬は日持ちしないので、1か月以上たった薬は使用しないようにしましょう。
これからできるシミを予防する方法は?
シミができてしまった人も、これから新しいシミを増やさないために、予防は必須です。
紫外線カットのための対策はもちろん、日ごろから美白化粧品を使用することも重要です。ただし、美白化粧品に含まれる成分は肌を乾燥させてしまうものもあります。
乾燥肌の人は、肌にあった美白化粧品をつかいつつ、保湿もしっかりしておきましょう。
シミ生成を抑える美白成分と働き
シミができるにはいくつかの過程がありますが、美白成分がどの段階で効果があるのかは成分によって違いがあります。
メラニンを作る指令が出される過程で、指令そのものを邪魔する働きをする代表的な美白成分はトラネキサム酸、カモミラETなどがあります。
・トラネキサム酸
肝斑の治療薬にも使われている成分で、酵素チロシナーゼを分解する
・カモミラET
カモミールという植物に含まれ成分で抗炎症作用もある
メラニンがつくられ始めるときに、メラニン色素に変化してしまう「チロシナーゼ」という酸化酵素の働きを抑えるのは、以下にあげる美白成分です。
・ビタミンC誘導体
リン酸化がビタミンCなどを肌に吸収しやすい形に変えたもの。メラニンを還元させるほかに抗酸化作用もあり、ニキビの炎症を抑えるのにも役立つ
・アルブチン
コケモモから抽出された成分でメラニンができる際に働く酵素チロシナーゼの働きを阻害する
・コウジ酸
みそやしょうゆなどのコウジ菌由来の成分
・プラセンタエキス
豚の胎盤から抽出された成分、アミノ酸やビタミンなどを含んでいる。メラニン生成の抑制、代謝促進の作用もある
・エラグ酸
いちご由来の成分で抗酸化作用がある
・ルシノール
メラニンが生成されるときに起こるチロシンとチロシナーゼの結合を防ぐ働きがある。
・リノール酸
ベニバナなどの植物油から抽出される成分。チロシナーゼ自体を減らします。
上記の美白成分は、厚生労働省がその効果を認めている成分です。美白化粧品を選ぶのに参考にするとよいですが、ではどの成分が自分にいいのか?と迷ってしまう人も多いです。
一つ言えることは、化粧品には様々な成分が配合されているので、結局肌につけて感触をためしてみないとわからない部分が大きいということです。
乾燥肌の人は特に、ビタミンC誘導体など肌を乾燥気味にさせてしまう成分が強く反応してしまうと、ピリピリと痛みを感じることがありますので注意しましょう。
美白化粧品は美容液を中心に一年中使う
美白化粧品は、紫外線が強い時期にライン全体で使い分けるという人もいますが、美白美容液を一年中使う方が効果が高いです。
日差しが強いのは夏前後ですが、紫外線自体は一年中降り注いでいますし、化粧水から乳液、美容液などの商品をころころ変えるよりも、美容液を肌に合った美白成分配合のものを使う方が、コストも安くすむし効果的です。
そもそも最初に述べたように美白化粧品は「シミの予防」に使われるものですので、一定の時期しか使わないというのであれば、予防効果が発揮できません。
毎日しっかり美白美容液を使って、コツコツシミを予防しましょう。
今回はシミを消すことと予防することの違いをご紹介しましたが、乾燥肌の人に特に注意していただきたいのが、治療にともなう乾燥です。
レーザーや塗り薬、飲み薬といろいろな方法がありますが、もし治療の際に炎症がでたら、治まってからでもしっかりと保湿することを忘れないようにしましょう。
レーザー治療をした際は、病院から炎症と乾燥を抑える軟膏や、肌を保護するシートなどを処方されることがありますので、しっかりと使うようにしましょう。
肌の健康は保湿から、ということを忘れないでください