自宅で、オフィスで、カフェで、・・・。
コーヒーほど私たちの生活に身近な飲み物はないのではないでしょうか。一日の始まりに、ブレイクタイムに、眠気覚ましにと、日常生活のあらゆる場面で飲まれているコーヒーですが、実は高いダイエット効果があることが最新の研究でわかったのです。普段何気なく飲んでいるコーヒーで痩せることができるのなら、より積極的に飲みたいものですよね。
ということで、ここでは「コーヒーダイエット」と名付け、コーヒーに含まれている成分に焦点を当てて、その働きについてまとめてみました。ダイエットしないといけない人はもちろん、コーヒー好きの人も是非見ておきたい内容です。

コーヒーダイエットとは

コーヒーダイエットとは、その名の通り、コーヒーを飲むことで痩せようとするダイエット法のことです。コーヒーには「クロロゲン酸」という物質が含まれているのですが、このクロロゲン酸がダイエット効果をもたらすことが、最新の研究でわかってきました。コーヒーという私たちの生活に身近な飲み物で痩せることができるのが、コーヒーダイエットの大きな特長でもあります。

クロロゲン酸とは

クロロゲン酸は、ポリフェノールの一種で、特にコーヒー豆には多く含まれており、コーヒー豆に含まれている全成分の5%~10%を占めています。コーヒーの苦味や渋み、香りのもとになっている物質でもあります。クロロゲン酸は、ポリフェノール特有の性質である強い抗酸化作用を持っていることから、様々な美容・健康効果が期待されるようになりました。中でも近年注目されているのがダイエット効果で、クロロゲン酸に焦点を当てた研究が次々と行われており、肯定的な成果が相次いで報告されています。

ポリフェノールが豊富に含まれている飲み物として赤ワインが挙げられますが、コーヒーにはそれに匹敵する量のポリフェノールが含まれています。ただ、赤ワインよりコーヒーのほうが日常的に飲む頻度が高いことから、コーヒーはポリフェノール摂取源として代表的な飲み物と言えるでしょう。

<抗酸化作用とは>
私たちは生きていくために酸素が必要ですが、体内に入るとその一部が「活性酸素」という物質に変化してしまいます。活性酸素は私たち人間の体にダメージを与え、生活習慣病や老化など、様々な悪影響を招きます。物が酸化すると錆びたり腐ったりするのと同じで、人間の体も活性酸素の働きによって酸化するのです。その酸化を防ぐ作用が「抗酸化作用」です。

カフェインとは

カフェインは、アルカロイドという有機化合物の一種で、コーヒーの他、コーラ、緑茶、紅茶、ココア、チョコレートなどに多く含まれています。クロロゲン酸とともにコーヒーの代表的な成分ですが、脂肪を燃焼させる働きがあることから、カフェインが含まれている飲食物にはダイエット効果が期待されるようになりました。一方で、不眠、めまい、頭痛などの原因にもなるため、過剰な摂取は控えることが望まれています。

カフェインの含有量ですが、この成分が含まれている飲み物の中でも、やはりコーヒーに多いようです。同じコーヒーでも抽出方法によってカフェイン含有量は変わってきますが、それでも他の飲み物よりも効率的に摂取できるようです。

コーヒーは血糖値を下げる

出典:珈琲とコーヒー豆の店 デイズ

コーヒーの研究が進むにつれ、様々な効果がわかるようになってきましたが、中でも注目されているのがコーヒーと糖尿病の関係です。コーヒーが糖尿病の発症を抑えるというデータが示されて以来、世界中でこの関係についての研究が行われるようになりました。

糖尿病の発症率が3割減

コーヒーと糖尿病の関係についての研究はすでに海外で行われていましたが、後を追うように日本でも研究が盛んになりました。そうした中、ハーバード大学の研究によると、毎日コーヒーを一定量以上飲む人は、まったく飲まない人に比べて、2型糖尿病を発症するリスクが少ないことがわかりました。他の多くの研究でも同様の結果が得られていることから、コーヒーの糖尿病抑制効果はほぼ間違いないものと考えられています。

では、コーヒーの中のどんな成分が糖尿病の抑制に働いているのか?これについては今なお研究が続いていますが、今のところ有力なのが「クロロゲン酸」です。

糖尿病というのは、ホルモンの一つであるインスリンが正常に働かないことによって糖分が異常に増加し、引き起こされる病気です。クロロゲン酸がこのインスリンの働きを良くして血糖値を下げることで、糖尿病が抑制されるのではないかと考えられています。

クロロゲン酸の濃度と食後血糖値の関係

クロロゲン酸が糖尿病を抑制する力を持っている可能性があるということですが、それを裏付けるような実験結果がありますのでご紹介します。

クロロゲン酸と食後血糖値の関係を調べる実験ですが、水だけを飲んだ場合よりも、クロロゲン酸が含まれた飲料を飲んだ場合のほうが、血糖値の上昇が抑えられました。さらに、食後血糖値が平均より高かった人を対象に改めて行なった実験では、その傾向がよりはっきりと見られます。

このことから、クロロゲン酸が豊富に含まれる飲料であるコーヒーを飲むことで、糖尿病の発症を抑制できることがわかります。

これはダイエットの視点からも大事なことになります。食後に血糖値が急上昇すると、その血糖値を下げようとしてインスリンが分泌されますが、それによって脂肪が燃焼しにくくなり、蓄積されるようになります。

コーヒーを飲むことで、クロロゲン酸が血糖値の上昇を穏やかにしてくれますので、糖尿病を予防できるだけでなく、余計な脂肪が付くのを防ぐこともできるのです。糖尿病予備軍の人にはもちろん、ダイエットを考えている人にも、コーヒーは力になってくれるというわけです。

ネスレ社員の血糖値は?

コーヒーに血糖値を下げる働きがあるのなら、日常的にコーヒーを飲んでいる人は血糖値が低いはず。コーヒーをたくさん飲んでいそうな人たちといえば、やはりコーヒーメーカーで働いている人たちではないでしょうか?

主力商品としてコーヒーの販売に力を入れているネスレ日本株式会社が、テレビ番組「みんなの家庭の医学」の取材を受けたのですが、調査を受けた社員の中に血糖値に異常がある人は一人もいませんでした。

ネスレの給湯室にはコーヒーマシンがたくさんあって、社員の人たちは好きなコーヒーを何杯でも飲むことができるそうで、皆さん毎日6~7杯のコーヒーを飲んでいるそうです。

普段からクロロゲン酸を摂取していることで、自然に血糖値が抑えられているものと考えられますが、納得の結果です。

コーヒーで痩せる仕組みとは

ダイエットをするということは、脂肪をコントロールすることに他なりません。コーヒーには、クロロゲン酸とカフェインという代表的な2つの成分が含まれていますが、それぞれに脂肪に対する働き方があるようです。

クロロゲン酸が脂肪と糖質の吸収を抑制

コーヒー特有のポリフェノールであるクロロゲン酸には、ダイエット効果が期待できるわけですが、そのメカニズムの一つとして、脂肪と糖質の吸収を抑える働きがあることがわかったのです。国際コーヒー科学会議で発表された研究なのですが、脱カフェインコーヒー生豆抽出物の濃度が高いほど、脂肪分解酵素であるすいリパーゼの働きを阻害する作用を示したのです。

しかも、この作用は同研究で行われた9種類すべてのクロロゲン酸類で見られたことから、クロロゲン酸類はすいリパーゼに働きかけて脂肪が消化・吸収されるのを抑え、皮下脂肪や内臓脂肪を蓄積させない働きがあることが示されたのです。

<補足>
すいリパーゼは、すい臓から分泌される消化酵素で、脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解します。これらが小腸から吸収されると再び脂肪となり、最終的には皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積されます。

また、糖質分解酵素に対して同様の実験を行ったところ、ここでも脱カフェインコーヒー生豆抽出物の濃度が高いほど、糖質分解酵素の活性が阻害されるという結果が出ました。

以上の実験結果から、クロロゲン酸には脂肪と糖質の吸収を抑制する働きがあるため、メタボ予防効果が期待できることがわかったのです。

クロロゲン酸が脂肪を燃えやすくする

クロロゲン酸には、脂肪や糖質の吸収を抑える働きがあることは上述のとおりですが、それだけではなく、脂肪を燃焼させやすくする働きもあります。

脂肪の燃焼は、肝臓や筋肉の細胞内にある「ミトコンドリア」という燃焼器官が担っているのですが、このミトコンドリアにある酵素の働きによって脂肪が燃焼し、エネルギーに変換されます。

クロロゲン酸は、ミトコンドリアに働きかけて脂肪の取り込みを促します。そのため、より多くの脂質が燃焼して、エネルギーに変換されるため、体脂肪が低減するのです。

クロロゲン酸のこの働きは、食事によって体内に入ってくる脂肪と、すでに体内にたまっている脂肪の、両方の脂質を燃焼させやすくするため、高いダイエット効果が期待できるのです。

カフェイン&運動の組み合わせがベスト

カフェインにも、脂肪を燃焼させる働きがあると言われていますが、それを裏付ける実験結果があります。東京慈恵会医科大学客員教授の鈴木政登さんらが行った実験によると、コーヒーに含まれているカフェインの働きで、内臓脂肪が燃焼したとする結果が出ました。

実験用にカフェインの量が調節されたコーヒーと、対照である白湯を被験者が飲み、その後に運動および起立をしたときの遊離脂肪酸(FFA)の濃度を測定したところ、コーヒーを飲んだ場合のほうが遊離脂肪酸の数値が上昇していました。また、単に起立しているだけでも同様の効果が得られたことから、コーヒーには脂肪の燃焼を促進する働きがあることがわかったのです。

<補足>
遊離脂肪酸というのは、中性脂肪が分解されてできる脂肪酸ですので、遊離脂肪酸が増えるということは、中性脂肪がそれだけ多く分解されたことを意味します。

また、鈴木教授らによる、ラットを使った別の実験でも、「カフェイン+運動」で内臓脂肪量が大きく減少したことがわかりました。

以上のことから、カフェインには脂肪の燃焼を促進する働きがあること、また、運動することによりその働きがより強くなることがわかったのです。

コーヒーは肌のシミを抑える効果も

コーヒーにダイエット効果があることについてはこれまで述べてきたとおりですが、何と肌のシミを抑える効果もあることがわかったのです。

肌のシミは、メラニンという色素の沈着によって起こるものですが、コーヒーに含まれるクロロゲン酸がメラニンの生成および取り込みを抑えるという実験結果が出ました。実際、コーヒーを1日2杯以上飲む人は1杯未満の人に比べてシミが少なかったのです。

コーヒーとシミの予防についてのより詳細な内容については今後の研究が待たれますが、ダイエットと並んで美肌に興味のある女性にとっては、この研究結果は嬉しい情報ではないでしょうか。

コーヒーQ&A

出典:jpkabegami

コーヒーがダイエットに効くといっても、飲む量や飲み方、煎り方やタイミングも様々ですので、どのようにすればよいのか迷いますよね。そこで、ここではコーヒーダイエットにまつわるQ&Aをまとめてみました。

Q1:1日何杯くらい飲めばよいのでしょうか?
A:飲む量が多いほど健康効果が高いという海外の研究結果もありますが、日本人は欧米人に比べて胃が弱いと言われていますので、飲み過ぎはおすすめできません。1日3杯程度であればダイエット効果があるという研究結果が多いので、日本人である私たちは1日3杯程度を目安に飲むのがよいと思います。

Q2:いつ飲むのがよいのでしょうか?
A:運動する前に飲むと脂肪がより燃焼しやすくなること、また、食前に飲めば食後血糖値の上昇を抑えられることから、できれば運動前と食前に飲むのがおすすめです。カフェインには覚醒作用があるため、寝る前に飲むのはNGです。

Q3:砂糖を入れてはダメでしょうか?
A:ダイエット目的でコーヒーを飲むのなら、砂糖は入れないのが基本です。普段から砂糖を入れて飲む習慣がある人でも、フレーバーコーヒーなら甘い香りが付いていますので、砂糖を入れなくても飲めると思います。

Q4:ミルクを入れてはダメでしょうか?
A:ダイエット目的でコーヒーを飲むのなら、ミルクは入れないのが基本です。どうしてもブラックが苦手という人は、フレーバーコーヒーを試されてはいかがでしょうか?

Q5:煎り方はどのようにすればよいでしょうか?
A:コーヒーに含まれているクロロゲン酸は焙煎の過程で少しずつ減っていきますので、深煎りよりも浅煎りのほうがおすすめです。ただ、コーヒーにはカフェインなど他の有用成分も含まれていますので、あまり気にすることなく、お好みの煎り方で飲めばよいと思います。

Q6:どんな淹れ方がよいでしょうか?
A:どのような淹れ方でもOKです。ペーパードリップ、サイフォン、フレンチプレスなどいろいろありますが、いずれもクロロゲン酸やカフェインなど脂肪燃焼効果のある成分は入っていますので、お好みの淹れ方で楽しめばよいと思います。

Q7:カフェインレスのコーヒーでもダイエット効果はありますか?
A:はい、あります。コーヒーにはカフェイン以外にも「クロロゲン酸」という成分が含まれており、血糖値を下げる働きや脂肪を燃えやすくする働きがありますので、ダイエット効果は期待できます。

Q8:コーヒーダイエットを控えたほうがよい人はいますか?
A:妊娠中の方は控えたほうがよいでしょう。コーヒーに含まれているカフェインは中枢神経を刺激するため、飲み過ぎると精神面への悪影響が考えられます。また、カフェインは胎盤を通して胎児も吸収するため、できれば妊婦さんは控えるか飲む量を減らしたほうがよいでしょう。

おすすめのダイエットコーヒー

コーヒーに含まれているクロロゲン酸とカフェインがダイエットに効果的な成分であることはこれまで述べてきたとおりですが、このうちのクロロゲン酸の含有量を高めた、ダイエットのためのコーヒー飲料がありますのでご紹介します。

生豆を使ったコーヒーで、焙煎豆の10倍以上のクロロゲン酸が含まれています。

また、脂肪酸をミトコンドリアに運んで脂肪がエネルギーに変わることをサポートするL-カルニチン、同じく脂肪のエネルギー変換をサポートするコエンザイムQ10が配合されていて、この3つの成分が働いて痩せやすい身体へと導いてくれます。


花王から販売されている「ヘルシアコーヒー」という商品ですが、これにはクロロゲン酸が一般的なコーヒーの約2倍に相当する270mg含まれています。脂肪が燃焼しやすくなるということで特定保健用食品(トクホ)になっています。

発売前に行われた臨床試験では、1日1本のヘルシアコーヒーを1週間飲み続けることで脂肪燃焼量が1.3倍に、また、1日1本を12週間飲み続けることでお腹の脂肪面積が平均9.3cm2低減するという結果になりました。

出典:コーヒークロロゲン酸 脂肪消費のはたらき

ちなみに、これらの実験は、被験者が1日のうちいつ飲んでもよいという設定で行われました。どのタイミングで飲んでも高いダイエット効果が期待できる商品ですので、忙しい人にはピッタリです。

まとめ

コーヒーにはクロロゲン酸とカフェインという、ともにコーヒー特有の成分が含まれており、これらの働きによって高いダイエット効果が生まれることがわかりました。

血糖値を下げる、脂肪・糖質の吸収を抑える、体脂肪を燃やす、といった働きがあることから、糖尿病予備軍の人や肥満体型の人にとってはもちろん、今の体型を維持して太らないようにしたい人にとっても、コーヒーは頼もしい味方になってくれるでしょう。

コーヒーを継続して飲むことで確実にダイエット効果が表れるというデータがありますので、体型が気になる人は1日3杯を目安に飲む習慣を付けるとよいと思います。

これまでいろんなダイエット法を試したけれど、どれも長く続かなかったという人は、今回ご紹介した「コーヒーダイエット」に取り組んでみてはいかがでしょうか?


(参考文献)
1日3杯が効く コーヒーダイエット



 
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