アトルバスタチン(リピトール)の副作用と効果とは?
アトルバスタチン(リピトール)は、コレステロールを下げるのに処方される薬です。
効果のある薬には、副作用がつきものです。
必ず出るというものではありませんが、重篤な病気の初期症状に注意が必要です。
アトルバスタチンの効果
アトルバスタチンは、肝臓内でのコレステロールを合成する酵素(HMG-CoA還元酵素)の働きを阻害し、コレステロールの合成を抑える薬です。
コレステロールは、ほとんどが食事由来ではなく、食べたものをもとに体内で合成されます。
肝臓で50%、小腸で15%といわれる合成率を下げることによって血液中のコレステロール値を低くするのが目的の薬です。
呼び名は二つありますが、「リピトール」は英語のLipid(脂質という意味)から来たもので、一般的にはアトルバスタチンと呼ばれています。
アトルバスタチンの副作用
横紋筋融解症
アトルバスタチンには特に注意したい副作用があります。
横紋筋融解症という症状で、腎臓の悪い人や高齢者に多く発症します。
副作用として発現する事例自体は少なく、まれな副作用です。
横紋筋融解症とは、骨格筋の細胞が融解し、壊死することによって筋肉の痛みや脱力が引き起こされる病気です。
融解する際に大量の筋肉の成分(ミオグロビン)が血液中に流れ出し、腎臓の尿細管にダメージが与えられます。
腎機能に障害を与えるほか、呼吸筋に影響を与えることによる呼吸困難、他の臓器に影響を及ぼすことに寄ろう多臓器不全などを引き起こす可能性があります。
厚生労働省が平成18年に発表した重篤副作用疾患別対応マニュアルには、高脂血症薬、ニューキノロン系の抗生物質で発症するほか、夏場の脱水や熱中症でも起こることがあります。
横紋筋融解症の初期症状
筋肉を使った覚えがないのに筋肉痛になる、手足のしびれ、こわばり、全身のだるさ、赤褐色の尿などが初期症状として挙げられます。
その他の副作用
過敏症として、発疹やじんましん、咳こみ、息苦しさを感じることがあります。
血液を固まりにくくする作用があるので、歯肉出血や鼻出血、皮下出血などの症状を生じることもあります。
肉体労働であざが普段からできやすい方は、注意が必要です。
粘膜障害も報告されています。発疹から始まり、皮膚の痛みや痒み、目の充血などがこの副作用に当たります。
少し動くと息切れするようになってしまったら、間質性肺炎の疑いがあります。
多くは発熱と空咳を伴います。
ごくごくまれに、肝機能値が上昇してくることがあります。
このような初期症状を感じたら、できるだけ早く医師に相談しましょう。
コレステロールを低くするための薬は、自己判断でやめることは危険です。
飲まないことにより副作用の低下を期待するのではなく、コレステロールを下げながら副作用の出にくい薬や治療法に移行できるよう、早く医療機関を受診してください。
アトルバスタチンの副作用を強めたり、薬の効果を打ち消してしまう恐れがあるとして、「グレープフルーツジュースと一緒に飲まない」という注意点があります。
なぜグレープフルーツジュースなのでしょうか。
アトルバスタチンは、なぜグレープフルーツジュースと一緒に飲めないか
グレープフルーツには、肝臓や消化管粘膜にある薬を代謝する酵素(CYB3A4)の働きを阻害してしまう天然フラボノイドが含まれています。
この天然フラボノイドが、アトルバスタチンの代謝も妨げてしまうために、肝臓に負担をかけてしまったり、薬の血中濃度を上げてしまうことにより、副作用が重篤化しやすくなります。
グレープフルーツジュースの中の天然フラボノイドは、グレープフルーツの収穫時期や産地によっても濃さが異なります。
そのため、天然フラボノイドの効果は24時間~長いもので4日くらい続くものもあります。
アトルバスタチンを飲んでいる期間は、グレープフルーツジュースは避けてください。
グレープフルーツはジュースだけではなく、近年、果皮や果肉の部分も天然フラボノイドを含むことが分かりました。
ジュースだけではなく、果肉なども食べてはいけません。
CYB3A4を阻害する天然フラボノイドは、グレープフルーツのほか、八朔、晩白柚(バンペイユ)、サワーオレンジ、夏ミカン、ポンカン、伊予かん、キンカンなどにも含まれています。
温州ミカンには含まれていませんので、アトルバスタチンを服用する際は温州ミカン以外のかんきつ系は食べないほうがよさそうです。
アトルバスタチンの注意点
コレステロールが生体内で合成されるのは夜間が多いので、アトルバスタチンを飲む際は夕食後の服用が効果的です。
腎臓の機能が弱っている方、妊娠を考えている女性、妊婦さんは飲むことができません。
妊婦さんや妊娠を考えている女性は特に、おなかの赤ちゃんの発育に良くない影響が出る可能性があります。
飲み合わせの悪い薬があります。特に、C型肝炎の薬やフィブラート系高脂血症治療薬などを服用している人は注意が必要です。
病院へ行くときにはおくすり手帳を持っていき、医師に見せて処方を仰ぐようにしましょう。
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2017/04/19