過去に入手したイヤホンの中から適当に選んで紹介してきましたが、これまでの記事で紹介したのはすべてここ4ヶ月で入手した物ばかりです。それより前に入手した物も順次紹介したいので、今回はその中からAUGLAMOUR R8(AG-R8)というイヤホンを選んでレビューを書きます。

私がAG-R8を入手したのは今年の1月で、Amazonから買いました。AliExpressで中華イヤホンを買うようになる前で、Amazonのレビューで評価が高かったことに惹かれたことが理由でした。

中華イヤホンを買い始めた頃に私が主に参考にしていたのはAmazonのカスタマーレビューでした。しかし、オーディオ製品に関するAmazonのレビューは信頼性が低いことが段々判ってきて、いまはそれらは参考情報としての価値は低いと思っています。中華イヤホンの場合、Amazonのレビューは販売店からサンプル提供を受けた人が書いているもの(所謂「サクラ・レビュー」)が多く、それ以外のレビュー投稿者はほとんど一般ユーザーだからです。はっきり言ってしまうと、オーディオ・マニアでない耳の肥えていない一般ユーザーのレビューはあまり当てになりません。いまは主にHead-Fiのレビュー記事、中華イヤホン・マニヤのブログ記事、2chの中華イヤホン・スレの投稿などを参考にしています。もちろんAliExpressのフィードバックも丹念に読んでいます。これらはいずれもオーディオ・マニアの情報である可能性が高いです。経験を積んだので、最近はイヤホンの音質に対する直感が大分働くようになってきました。いまではAliExpressのストアから直接製品情報を教えてもらうこともあるので、私は中華イヤホンで外れを引いてしまう確率はかなり低くなっています。

特徴、外観










AG-R8の搭載ドライバはダイナミック1基です。低価格イヤホンでは一番多いドライバ構成ですが、高級イヤホンでもダイナミックドライバ1基のみ機種はあります。ダイナミックドライバは振動板の素材などに独自の工夫を加え易いからでしょう。

AG-R8の造りはしっかりしており細部の精度も高いです。サイズは標準的ですが、手に持つと結構重さがあります。ステム径は標準より少し細いです。ケーブルは取り付け方式になっており、ケーブル・コネクタはUE TF10と互換性があるらしいです。

AG-R8はSHURE掛け専用の形状をしていますが、その装着感はかなり悪いです。付属のイヤーピースでは、どんなに工夫しても装着位置からズレてきます。イヤーピースの交換は必須だと考えた方が良いです。私はfinal製イヤホン用イヤーピース Eタイプ,Lサイズを使っています。本レビューも同イヤーピースを使って試聴した結果に基いて書いています。

音質印象


高音域の量感はそこそこありますが、伸びは大分物足らないです。低音域の量感は充分にありますが、締りがなく少し篭った感じがします。中音域はしっかりとした存在感があり、一番質の高さが感じられます。ダイナミックドライバ1基にしては頑張っている音域感で、自然で聴き易いフラット系のトーンバランスだと思います。やや中高音寄りに重心のある色付けの少ない印象の音質ですが、全体的に透明感が感じられる点は評価できます。

音場の広さはごく普通で、残響は少なめです。分離感はあまり感じられず、定位感もほとんどありません。楽器やボーカルがすべて団子状態になっていて鳴っている位置が判り難く、奥行き感もありません。全体的に物足なさがある凡庸な印象の音場感です。

ヴァイオリンは倍音が少なく硬めな印象で、ピアノも響きが不足しています。フルートの音はいまいち伸びがありません。ベースやドラムはそこそこ存在感がありますが軽めな鳴り方です。どの楽器も特別目立つことなく平均的に鳴っている感じは良いのですが、全体的にこれと言った主張の感じられないドライな印象の音です。音楽ジャンルとの相性としては、大人しめのポップス系が向いているような気がします。乗りの良いロック系は合わない感じがします。音場感が平凡なので、クラシック系の音楽を聴くと大分物足りなさを感じます。

音質傾向


フラット系、クール系、モニタ系

音質評価


高音域:★★★☆
中音域:★★★☆
低音域:★★★
音場感:★★☆

総合評価


AG-R8の音質はすべての要素が平均点レベルで、これと言った特徴が感じられません。逆に言うと、それが評価すべき点なのかもしれません。低価格イヤホンはドンシャリばかりなので、AG-R8のようなフラット系のトーンバランスは珍しい存在です。また、低価格イヤホンに多い無理な脚色によるアクの強さはまったく感じられず、AG-R8の音には控えめで上品な印象があります。AG-R8のレビューで高評価が多いのは、2~3千円クラスからのステップアップとしてAG-R8を入手して、これらの音質印象を新鮮に感じた人が多かったからではないでしょうか。Amazonやeイヤホンなどで買えるので、中華イヤホンの入門機としてならAG-R8は悪くはない選択だと思います。

AG-R8が登場した頃、Amazonで買える中華イヤホンの種類はまだそれほど多くありませんでした。2~3千円クラスからステップアップするときに、それらと音色の違うイヤホンとしてAG-R8は手頃な存在でした。しかし、1万円以上クラスのイヤホンの音を知っている身からすると、AG-R8の音は物足りなさばかりが目立ちます。最近になって5千円クラスには音質の優れたイヤホンが多く登場しています。2chの低価格イヤホン・スレにもそういう情報はたくさん流れていますし、ググればそういう情報は結構見つかります。Amazonで販売されている中華イヤホンの種類も増えています。AmazonやAliExpressで探せばAG-R8を超える5千円以下のイヤホンはいくつも見つかります。同価格帯の他のイヤホンと比較して特別音質が優れている訳ではないので、私にはいまあえてこのAG-R8を選択する理由はあまりないように思えます。

評価ランク:★★★

商品ページ


AUGLAMOUR R8

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