クッシング症候群の症状と原因

症状 - どんな症状がでるか

潜伏期間と初期症状

胴体まわり、とくに背中の上部に脂肪がつき、丸くふくらんだ顔になります(満月様顔貌)。おなかに妊娠線のようなスジが入ることがありますが、その反対に腕や足は細くなります。腕や下肢の皮膚が薄くなることで、毛細血管が透けて皮膚がピンク色のまだら模様になる場合や、打撲傷や切り傷が治りにくくなります。また、筋肉が衰えるため力が弱くなり、疲れやすくなります。

進行時の症状

初期にあらわれている症状が進行します。男性は性欲減退や勃起不全、女性は月経異常がみられる場合や、ひげが濃くなることがあります。
また、うつ病や幻覚などの精神障害がおこる場合や、血圧が高くなる、骨粗しょう症による骨折がおこることがあります。免疫力が低下することにより感染症にかかりやすくなり(易感染性)、カンジダ症や肺炎などにかかる恐れがあります。

疫学 - かかりやすさ、かかりやすい人

かかる割合(罹患率)

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年齢によるリスクの上昇度合

40代半ばの女性に多く、男女比は約1:4とされています。

原因や遺伝の影響 - 病気になる理由

コルチゾールは、下垂体から分泌される副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の刺激によりつくられます。
クッシング症候群は下垂体やその他の部位にできた腫瘍によりACTHが過剰に分泌されたり、副腎に腫瘍ができることでコルチゾールの産生が増加する病気です。また、他の病気の治療のためにグルココルチコイドを長期的に投与することによりおこることもあり、これを医原性クッシング症候群といいます。
コルチゾールは通常、血糖値の上昇、血圧の上昇、タンパク質の分解、脂質の分解や合成、免疫の抑制などに働くため、過剰な分泌はからだにさまざまな影響を及ぼします。
遺伝との関連はほとんどないとされていますが、まれに、家族性となる例が報告されています。

分類 - 病気の種類や段階

原因によって大きく以下の4種類に分けられます。
■クッシング病:下垂体にできた腫瘍が原因のもの
■副腎性クッシング症候群:副腎にできた腫瘍が原因のもの
■異所性ACTH症候群:下垂体、副腎以外にできた腫瘍が原因のもの
■医原性クッシング症候群:グルココルチコイドの長期投与が原因のもの

発症の頻度は、下垂体にできた腫瘍が原因のクッシング病がもっとも多いといわれています。
また、クッシング病、異所性ACTH症候群は、腫瘍から過剰に分泌されたACTHが原因であるため、ACTH依存性クッシング症候群といい、その他は非ACTH依存性クッシング症候群といいます。

検査 - 病気の特定方法

コルチゾール検査(血液検査) 病気の有無

採血を行い、血液中のコルチゾールという副腎皮質ホルモンの値を測定することがあります。正常であれば、コルチゾールの値は午前中のみ高く、その後低下しますが、クッシング症候群は1日中高い値になります。

尿検査 診断の補助

尿を採取し、尿中のコルチゾールの値を測定することで、診断の補助とする場合があります。

デキサメタゾン抑制試験 確定診断

クッシング症候群が疑われた場合に行う検査です。検査前日の夜にデキサメタゾンというコルチゾールの作用を強くした薬を服用し、翌朝の採血でコルチゾールの濃度を測定します。
下垂体に原因がある場合、正常値にはならないもののある程度の低下がみられ、副腎やその他の臓器に原因がある場合ではコルチゾール値は高くなります。採血をするため、痛みを少しともないます。

CT検査(画像検査) 確定診断

からだの内部に20分ほどエックス線の照射を行い、からだの内部を輪切りにした断層撮影を行うことで、撮影した画像を元に診断を行う検査です。
必要に応じて造影剤を使用して検査を行う場合もあるため、ヨードアレルギーのある方は、あらかじめ医師に申しでるようにしましょう。
また、磁気を使用しないため、体内にペースメーカーなどの金属が入っている方も検査ができますが、エックス線を使用した検査のため、ごく微量ながらも放射線被爆をともないます。食事制限が必要な場合もありますので、事前に確認しておきましょう。

MRI検査(核磁気共鳴検査、画像検査) 確定診断

電磁波、磁力を利用してからだの断面図を約20~40分にかけて撮影し、周辺臓器への転移を確認する検査です。からだの内部をさまざまな角度で輪切りにすることにより診断を行います。からだへの負担が比較的少ない検査ですが、ペースメーカーなど体内に金属を埋め込んでいる方、閉所恐怖症の方などには実施できない場合がありますので、前もって確認しておきましょう。

予後 - 治療の経過と再発

治療後フォローと再発

下垂体を切除した後、腫瘍以外の正常な部分からのACTHの分泌が回復するまでに1~2年程度かかるといわれています。手術後に腫瘍が再発した場合は、再度手術を検討する必要があります。
また、副腎を切除した後は、コルチコステロイドを補充する必要があるため、術後の定期検診が必要になります。

合併症と転移

症状がすすむにつれて高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を引きおこす可能性が高まります。またその他にも、骨が折れやすくなる骨粗しょう症やカンジダ症、肺炎などの感染症がおこりえます。

クッシング症候群を経験した人からのアドバイス

参照元:(難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jp/entry/78(閲覧日:2015年11月5日),慶応義塾大学病院医療・健康情報サイトhttp://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000143.html(閲覧日:2015年11月5日),名古屋大学医学部附属病院乳腺内分泌外科腹腔鏡下副腎摘出術http://www.med.nagoya-u.ac.jp/nyusen/sick/adrenal/a_cure_kind4.html(閲覧日:2015年11月5日),医薬品医療機器総合機構Pmdahttp://www.pmda.go.jp/(閲覧日:2015年11月5日))

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更新日:2016年12月27日