讀賣新聞 平成12年11月17日 金曜日 朝刊 39面 社会面より引用
無資格なら医師法違反
Yomiuri On-Line2000年11月17日 金曜日
http://www.yomiuri.co.jp/04/20001117i101.htmより引用

 エステティックサロンで肌のシミやしわが取れると大人気の「ケミカルピーリング」や「レーサー脱毛」による皮膚障害や熱傷の被害が、全国的に急増している。事態を重視した厚生省は十六日までに、これらを医師しか行えない「医療行為」とする通知を都道府県や日本医師会に出した。反した場合は医師法違反に問われる。肌や体に影響を与える“治療”を行いながら、医師がおらず、資格も不必要で、安全基準もないエステ業界。「需要がある以上、規制は難しい」との声が強いが、健全化に向けて待ったなしの状況となった。

 ケミカルピーリングはAHA(アルファヒドロキシ酸)などを皮膚に塗って角質をはがす美顔技法。肌はつるつるになるが、シミやあざ、しわが完全に取れることはまずなく、高濃度の溶液を使えば皮膚に障害が出ることもある。
 レーザー脱毛は、黒色に反応するレーザーを照射して毛に熱をため、その放熱で毛の発生部分を焼く技法。宣伝文旬に使われる永久脱毛の効果はなく、照射量が多かったり、日焼けに行ったりすると、熱傷などを起こす恐れがある。
 これらは三年前からエステ業界で普及し、日本エステティック研究財団(東京都港区)によると、現在、約一万一千軒のサロンのうちそれぞれ四分の一、六分の」が行っている。
 ピーリングについて、米国食品医薬品局や化粧品業界は、溶液濃度により「化粧品」「教育を受けた技術者」、「医師」と取り扱いのレベルを三段階に分けているが、日本ではこうした基準は一切ない。レーザー機器でも資格は必要とされない。
 同財団は「基礎的な知識を欠き、利益だけを優先しようとするサロンで被害が出ている」と指摘する。
 厚生省の通知のきっかけは、今年六月、大阪府誓が摘発したエステサロンの医師法違反事件。警察庁からピーリングなどが「医療行為」にあたるか照会を受け、その回答内容を文書で医師会などにも送付した。
 同省は八九年、皮盾に針を刺して色素を注入するアートメイク」について「医療行為」とする見解を示した。今回ケミカルピーリングとレーザー脱毛にも同様の判断を下したことについて、同省健康政策局医事課は「安全性の基準は示しにくいが、人体への影響やけがを及ぼしうるものは医療行為と考える」と説明する。
 一万、エステ業界を管轄する同省生活衛生局指導課は「現実に多くのサロンが行っている以上、建前だけの禁止は難しい。安全基準を作成するよう案界に求める」とする。
 経営者団体の全日本エステティック業連絡協議会(港区)では「サロンの技術者に公的な資格制度を設け、レベルアップを図りたい。しかし、業界はばらばらで、統一の基準作りは難しい」としている。
 警察当局は、個別に検討し、被害が出るなど悪質なケースは摘発していく方針だ。

痛み、はれ・・・・被害報告急増

 国民生活センターによると、ケミカルピーリングの被害件数は、九七年度の三件から九九年度は四十件と急増。レーサー脱毛の被害も、九七年度の一件が九九年に二十八件に増え、さらに今年度は十月末ですでに二十九件に上っている。
 「酸を塗った後、唇が裂け、あごの周りや顔面が膨れ、ポコボコになった」(二十三歳女性)
 「レーザー脱毛をしたわきが真っ赤にはれ、激痛が止ま」らない」(三十代女性)
 同センターによると、トラブルは、顧客の皮膚の状態や体質の基本的な“診察“を怠ったり、リスクの説明をしないまま施術をしたりしたことが原因で、「通報があるケースは氷山の一角」としている。
 日本エステティック研究財団では、今年六月から業界の実態調査を進めているが、これまでに、通常の十倍近い50~70%濃度のピーリング溶液を購入しているサロンがある、出力の抑制装置が付いていない医療用のレーザー機器がサロンに出回っている - などの情報を得ているという。
 また、医師を交えた安全基準作りについては、「機種などが多様なレーザー機器では難しい」としている。

この記事に

コメント投稿
名前パスワードブログ
絵文字
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4