2クール目のカウンセリングが始まったのは、大学の夏休みが明けた頃でした。

大学に行くと、当たり前のことですが沢山の学生たちがいました。

まだ二十歳そこそこの若いエネルギーが、そこにはありました。

ふと、「私もこの時期に戻りたい。」と言う感情が芽生えました。

私がカルト宗教に入ったのは、高校生の時でしたから、大学に進学するという考えすら抱けませんでした。

それよりも、合同結婚式に参加する人員として数えられていた私は、若い頃に経験したかったことを経験せずに青春を終えました。

それは、ヤコブ(信仰2世)である私には避けて通れなかった道でした。

 

「先生、何故か分かりませんが、学生たちを見ているのがとても辛いのです。

私も、彼ら彼女たちのように青春を謳歌してみたかったです。

また、学生たちがうらやましくもあります。

まだまだ未来のある学生たちを見ると、本当にうらやましく思ってしまう自分がいます。

それは、私の人生は失敗してしまったものだと思えるからです。」

 

私の目からは、ポロポロと涙があふれ出し、気づけば嗚咽している自分がいました。

 

「やっと、涙を見せてくれましたね。

貴女の中に眠っている怒りに気づくことは、とても大切です。

辛かった気持ちに気づいたり、今までの人生では考える暇すらなかったものが出てきたりすると思いますが、それも素直な感情の1つですよ。

あ~、自分はこんなに大変だったんだ。

頑張ったなぁ~って、沢山褒めてあげて下さい。」

 
その日から、毎週のように泣いてばかりいました。
自分の中に眠っていた、怒り・悲しみ・苦しみを少しずつ外に出していきました。
でも、その作業はとてもとても痛い作業でした。
見て見ない振りをしてきた感情を、一つずつ取り出して認識する作業は、大変勇気のいる作業でもありました。
時に、余りにも辛くて「行きたくない」と思ってしまうこともありました。
だけど、ここで逃げてしまったら私は変われないと思いました。
時には、口に出すのも恐ろしい感情も溢れて来ました。
 
「先生、私は子供たちは可愛いのですが、時にとても憎くなって当たってしまうことがありました。
そんな自分が怖くて、自己嫌悪に陥ります。」
 
「例えば、どんな時にそういう感情が湧いてくるのですか」
 
「自分自身の心に、余裕がなくなっている時が多いと思います。」
 
「本当はそうじゃないんじゃない」
 
「えっそうじゃないとは」
 
最初は言っている意味が分からなかったのですが、自分自身の胸に問いかけてみると。
 
「別れた夫に似ているからです。」
 
と言う答えにたどり着きました。
二人とも、分かれた夫に瓜二つでした。
反抗してくる姿は、夫そっくりでした。
夫への憎しみが、子供へと向けられていたのです。
 
「あなただけではありません。
ひどい親だと、落ち込む必要もありません。
そうやって悩んでいるシングルマザーは、世の中に沢山いて、みんなその思いと闘っているんですよ。
その思いに気づいて、口に出せたことに意味があると思います。
それにあなたは、子供たちを捨てずに連れて帰って来たではないですか。
母性のない人間に、そんなことは出来るはずがありませんよ。」
 
 
こうやって私は、自分の内面に初めて目を向けることが出来たのでした。
 
 
つづく
 
 
いつも、たくさんの「いいね」、コメントありがとうございます。

最近は、メンタル系のブログを書いている方たちからの「いいね」が増えました。

宣伝の為なのか、それとも私の為にと思って下さっているのかは分かりませんが、メンタルを扱う方たちがこういう「カルト問題」に少しでも興味を持って下さるというのは、嬉しいものです。

これからますます増えていくであろう、カルト問題。

理解してもらえる人に出会うのが、難しいというのも悩みの一つなのです。

 

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