痛風①-原因・症状
痛風とは
痛風とは、体の中に「尿酸」が大量にたまる病気です。血清尿酸値が上昇すると(7.0mg/dl以上)「高尿酸血症」といい、この状態がさらに進んで炎症や発作が起きた時に「痛風」といわれます。

ある日突然足の親指のつけ根が激痛に見舞われ、たちまち赤く腫れ、ほんの少し動くだけで足に響き新たな激痛を覚えます。まさに字のごとく「風が当たっただけでも痛い」病気が痛風です。
痛風は「ぜいたく病」といわれていましたが、高度経済成長とともに食生活が欧米化し、飽食の時代といわれる現代には一般的な病気になりました。その患者の多くは中高年の男性と閉経後以後の女性にみられます。
尿酸とは…

細胞内の核酸を構成する成分である「プリン体」が分解されて生じる物質です。高尿酸血症が続くと、体内の関節部分などに沈着し、発作や炎症を引き起こします。尿酸は健康な時には液体に溶けた形で存在していますが、これが過剰に増えてしまうと、針で刺したような強烈な痛みを伴います。悪化すると腎臓の病気を引き起こすこともあるため、注意が必要です。
尿酸値は男性の方が女性よりも高い傾向にあります。これは女性ホルモンが尿酸の尿中排泄を促すため、女性の方が体内に尿酸がたまりにくいためだと考えられています。
原因
尿酸のもとになるプリン体は食事から摂りこまれるだけではなく、新陳代謝によっても産生され、肝臓で代謝されて尿酸となります。
尿酸は腎臓で老廃物となり、排泄されます。つまり、人の細胞が生命活動をする中で、その老廃物として尿酸がつくられています。

尿酸が体内に増えてくるタイプには以下の3つがあります。

  1. 尿酸が作り出されやすいタイプ
  2. 尿酸が排出されにくいタイプ
  3. 両方を併せ持つタイプ

健康な人の場合は常に約1,200mlの尿酸が蓄積されています。そのうち半分以上の尿酸が毎日入れ替わっており、排泄される尿酸のうち3/4は尿として、残りは汗や便として排泄されます。しかし、この排泄がうまくいかなくなるとバランスが崩れてしまい、尿酸が体内にたまってしまいます。

尿酸のバランスを崩す原因としては、栄養の過剰摂取やアルコールの飲み過ぎ、精神的ストレス、肥満、運動不足などが考えられます。また、痛風患者の20%は親や兄弟、親戚に痛風の人がいることから、遺伝的な要因も考えられます。

【食生活の欧米化と肥満の増加】
高度経済成長、生活が豊かになるとともに食卓に肉があがる機会が増え、今では高タンパク・高脂肪の食生活が日常的になりました。その結果、肥満や生活習慣病の患者数が増えていき、高尿酸血症の患者も増加してきました。肥満指数(BMI)が上がるとともに高尿酸血症にかかる人も増え、肥満指数25以上の人の約70%が高尿酸血症にかかっているというデータもあります。

【アルコールの飲み過ぎ】
アルコールは尿酸のもとになるプリン体を増加させる上に、尿酸の排泄量を低下させるので、結果として尿酸値を上げる原因になってしまいます。特にビールには尿酸のもとになるプリン体が多く含まれているので注意が必要です。

【激しい運動】
運動は体に良いものですが、体力を消耗するような激しい運動は尿酸値を上昇させてしまいます。エネルギーの消耗で尿酸が増えるほか、腎臓への血流量が減るため、排出量も低下するためだと考えられています。
ただし、軽い運動はおすすめです。適度な運動をすることで肥満を解消し、併発しやすい生活習慣病を改善するなど様々な効果が期待できます。運動で汗をかくと体内の水分量が減少し、血液が濃縮される事で尿酸値が高くなってしまいます。運動で汗をかく際には、水分を欠かさず補給する必要があります。

【ストレス】
痛風の原因として食生活の問題点だけ考えられがちですが、ストレスも無視できない問題です。痛風患者をみてみると、活動的で責任感の強いタイプなどストレスを受けやすい立場の人ほど痛風にかかりやすいというデータがあります。痛風の改善には、食生活を見直すだけではなく、ストレスを適度に解消するなど環境改善も必要となってきます。

【尿酸値を上げる疾患や薬物】
病気や薬(利尿薬や喘息薬など)の服用によっても尿酸値が上がる事があります。また、核酸を大量に含んだ健康食品にも尿酸値を上げる働きがあります。

【ほかの病気の影響】
腎機能が低下したり、血液の病気があったりすると尿酸値が上がることがあります。悪性腫瘍が原因で高尿酸血症になることもありますので、注意が必要です。
症状
高尿酸血症の状態が続くと、尿酸は体液に溶けに くい性質のため、体の色々な部位に沈着を起こすことがあります。関節の内部を包んでいる滑膜と、尿をつくっている腎臓の尿細管に沈着しやすくなります。
-痛風の起こりやすい箇所-

【痛風腎】
腎臓の尿細管に尿酸が沈着すると、尿細管から再吸収されるはずのタンパク質が尿中にもれたり、尿 を濃縮する能力が低下するなど、腎臓の働きが低下 して腎不全になります。

痛風発作・通風性関節炎
関節の滑膜に尿酸が沈着し、そこの刺激が加わる と、急性の炎症が起こり関節に耐え難い痛みが起こります。
しかし、初期の激烈な痛風発作は、放置しておいても早ければ2~3日、遅くても2週間以内には治まるのが普通です。

【合併症】
痛風は食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足などの生活習慣が原因のため、高血圧、糖尿病などとともに生活習慣病の合併症状がみられることが多くなります。合併症は、本人が気付かない間に進行していき、自覚症状を感じないままに、腎臓障害により機能が落ちてきたり、動脈硬化が少しずつ進行していくこともあります。

-痛風の合併症-
・腎障害  ・尿路結石  ・糖尿病  ・虚血性心疾患  ・脳血管障害 
・脂質異常症(痛風患者の約60%にみられる) ・高血圧(痛風患者の約50%にみられる)