どうして…? からはじまる自問自答の日々
失恋図 作成:雨宮まみ
★第1回はこちら【雨宮まみの失恋デトックス】プロローグ:失恋後の苦しみはひとりで引き受けるしかない。
合わせてお読みください。
失恋直後は、ショックのあまり自問自答の時期が続きます。
「私の何がいけなかったんだろう?」
「どうしてふられてしまったんだろう?」
「どうして彼は他の女に心変わりしてしまったんだろう?」
「どうして私達の関係はダメになっちゃったんだろう?」
どうしてどうして僕たちは出会ってしまったのだろう……。
心の中で松任谷由実が歌い出すほどに「どうして」が駆け巡る、「リフレインが叫んでる」期の始まりです。
ただでさえ失恋のショックで食欲が失せ、眠れず意識がモーローとしているこの時期に、考えごとをしたっていいことなんか何もありません。
最初は「どうして……?」と自分に問いかけるだけだったのに、
「もしかして、あのデートのときに言ったあのひとことが彼を深く傷つけていたのかも?」
「あのケンカがきっかけで、傷口が修復不可能なまでにひろがってしまったのかも」
と考え始め、答えを知りたいあまりに別れたばかりの彼に「やっぱりあれが悪かったの?」「それともあれが良くなかった?」「私のどういうところが嫌いになったの?」と質問責めのメールを送って答え合わせをしようとしたり、挙げ句の果てには「ねぇ、本当に私のこと好きだった……?」と、別れた直後なのに答えにくすぎるメールを送信してしまい、「そういうしつこいところが嫌い」というのがプンプン匂うそっけない返信にさらに傷つくという、失恋の階段落ちみたいな状況に陥ってしまう人も少なくありません。
そして、改めて「ふられた」という事実に直面すると、今度は自分を責め始めてしまいます。
「そういえば、私、今までの恋愛、全部ふられてる……!」
「今までの恋愛、全部ダメになってる(※次の人と付き合うには、基本的には前の人と別れなければいけないのだから当たり前です)」
このように、考えなくていいことまで考えてしまい、「やっぱり、何か私に根本的な原因があるんじゃないの……?」と、自分を責めに責める無限ループにはまりこんでしまうのです。
分析すべきは自分の「行動」と「思考」
自分自身が価値の低い人間であるわけではない
©By Helga Weber
恋愛がうまくいかなかった場合、そこに理由がない、ということはありません。
もしかするとその理由とは、あなたの「失敗」かもしれないと思います。
けれど、それはただ単に「失敗」しただけで、あなた自身が「恋愛するに値しない、価値の低い人間」だった、ということではないのです。
恋愛の失敗から学ぶべきこと、反省すべきことは、徹底して「思考」と「行動」だと、私は思います。
なぜ、その相手を好きだと感じたのか。
なぜ、その相手とならうまくやっていけると思ったのか。
まず、この恋愛の最初の時点で、相手の人格を読み違えている可能性がありますし、自分自身の性格をよくわかっていなければ、相手との相性の読みにも大きな誤差が出てくることが考えられます。
そして、交際に至るまでにどのような行動をしたか。
相手に軽く見られるようなふるまいや、本気になる相手ではないと判断されるような言動をしてはいなかったか。
交際中、相手が「この人となら」と思えるような、信頼を得られる言動をしたか。
一緒にいて居心地の良い相手、自分が向上していける相手、自信を持てる相手だと思わせるような存在でいられたか。
非常に分析が難しいところですが、自分でも「あれは良かった」と思えるような効果的な必殺技をかましていた場合、それはすばらしい武器になりますし、明らかに「あれは失敗だった」と思う点があれば、次回からは禁じ手にすることができます。
「あの場面で、もっとこうしておけば良かった」
と思うことがあれば、技のパターンを考えるのも、次の恋には確実に活かせるでしょう。
自己嫌悪や自己否定をするのではなく、あくまでも分析すべきなのは、自分の思考と行動です。
どこで相手の気持ちを見誤ったのか、相手の性格を読み違えたのか、自分のふるまいを間違えたのか。
なんなら自分の実力を「分析力・心を掴む握力・行動力・デート力・ベッド力」の五角形グラフでハッキリさせるぐらいの気持ちで、シビアに考えてみましょう。
これはTOEICの勉強ばりに難しいので、分析に必死に取り組んでいる間は、涙も乾きます。
めそめそしていては、冷静な分析ができないからです。
今なら自分にしっかり向き合える失恋後は自分分析に持ってこいの時期
失恋直後の「私がどうやらダメだったみたい」という気持ちは、鉄に例えるならばアツアツの真っ赤な状態。
熱いうちに打たなくてどうする! という時期です。
今なら、その後悔の勢いで、どこまでも自分にしっかりと向き合うことができます。
何より、失恋以上につらいことなんて、この世にそうそうありません。
失恋以上といえば、病気とか死とかめちゃくちゃ大変なものばかりです。
そんなショック状態にあるあなたには、普段なら分析するのが怖い自分の実力を、怖がらずに分析できるはずです。
分析にショックを受けても、ふられたあの瞬間よりもつらいことにはならないのですから。
雨宮まみ
ライター。九州生まれサブカル育ち。守備範囲は「セックス&自意識&女のあれこれ」。
赤裸々な半生を綴った『女子をこじらせて』(ポット出版)は全国のこじらせ女子に大きな影響を与える。
現在、「女子」を語らせたら、この人! という5人を迎えての対談集『だって、女子だもん!!』(ポット出版)が絶賛発売中。
ツイッター:@mamiamamiya
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