血糖値が高いと糖尿病になるという意識は、多くの方が持っていると思います。ですから、血糖値は低い方が良いと思っていませんか。
実は血糖値が低くても病気や、体調不良を引き起こします。今回は血糖値が低い原因やその症状についてご紹介いたします。
血糖値が低い8つの原因!4つの対処法とは
1)正常な血糖値とは
(1)血糖値とは
血液中を流れるブドウ糖のことを血糖といいます。ブドウ糖は筋肉や脳の活動に欠くことのできないエネルギー源です。
ブドウ糖は常に一定の範囲で濃度が保たれて血液によって運ばれます。この血中ブドウ糖の濃度を血糖値といいます。
(2)血糖値の数値
正常値:70~120mg/dL
低血糖:70mg/dL以下
高血糖:140mg/dL以上
(3)血糖値が保たれるワケ
では、血糖値が一定に保たれているのはなぜでしょうか。それはアドレナリンやグルカゴン、インスリンというホルモンが作用しているからです。
アドレナリンとグルカゴンは、空腹になったり、激しい運動をしたりすると、エネルギー源のブドウ糖が不足するため、身体がブドウ糖を求め血糖値を上げるために作用しています。
(4)血糖値が下がる理由
食後など血糖値が高い状態になると、ネルギー源として消費されないブドウ糖はグリコーゲンへと形を変えて肝臓や筋肉に蓄えられ、余った分は中性脂肪となって脂肪細胞へ蓄積されます。
この糖代謝が行われることにより、血糖値が下がります。この糖代謝に作用しているのがインスリンです。
このインスリンの分泌が少ない、インスリンが作用しなくなると血糖値は下がらず、血糖値は上がったままになります。この状態が慢性的に続くことを糖尿病といいます。
2)血糖値が低い3つの症状
血糖値が低い時の症状は3つに分けることができます。
(1)自律神経(交感神経)症状
70mg/dL以下 警告症状
空腹、発汗、震え、不安、動悸、口唇乾燥など
(2)中枢神経症状
50mg/dL以下 危険症状
意識の混乱、不可解な言動、集中力散漫、眠気、頭痛、複視、けいれん、昏睡など
(3)無自覚性低血糖
血糖値が低い状態になっても、本人が低血糖症状を発しない、または本人が低血糖症状を自覚できず、他人の介助を必要とすることをいいます。
低血糖をしばしおこしていると、中枢神経や自律神経の症状をおこす閾値(症状を起こす起点の数値)が低下し、インスリン拮抗ホルモン反応も低下するため、無自覚性低血糖になるといわれています。
糖尿病障害があるうえ、無自覚性低血糖をおこすと、生命に危険を及ぼす可能性があります。
3)血糖値が低い8つの原因
(1)インスリンなど糖尿病治療薬によるもの
低糖を引き起こす1番多い原因。インスリンが過剰になった時に低血糖になる。
(2)アルコール摂取
空腹時の飲酒や、飲みすぎの時におこりやすい。
(3)朝食抜き、不規則な食事、無理な断食
食事を抜くと空腹になり糖分をエネルギーへ変えることができず、血糖値が低い状態になります。
(4)反応性低血糖
胃切除後のダンピング症候群、胃下垂の人、インスリン感受性の高い人
(5)高カロリー食品の摂りすぎ
スナック菓子や炭酸ジュースなど糖分が多く、高カロリーな食品の摂りすぎによる原因です。
糖質やカロリーの高いこれらの食品を食べ続ける生活をしていると膵臓が疲れてしまい、少しのお菓子をたべただけなのに、大量のインスリンを分泌したり、インスリンが必要ではない時に分泌をして、低糖症状を引き起こします。
(6)平滑筋肉腫、肝がんなどの腫瘍
初めはたまに低血糖症状をおこす程度だが、症状が重くなるにつれ低血糖症状をおこす回数が増える。
(7)インスリン自己免疫症候群
インスリン注射をしたことがない人が、自発性低血糖をおこして血中に大量のヒトインスリンと、このヒトインスリンの90%以上と結合した抗体が存在する疾患。
(8)抗不整脈薬などの薬剤によるもの
薬剤の作用により血糖値が低くなったり、食欲が増すことにより血糖値が急上昇し、血糖値の乱高下が激しくなることから低血糖症状がでることがあります。
4)血糖値が低い時の4つの対処法
血糖値が低いだけであるなら、通院や服薬の必要はありません。しかし、低血糖症状を度々繰り返す場合は、病院を受診しましょう。病気が隠れている可能性があります。
健康診断で血糖値が低いと言われた人や、低血糖症状にあてはまる人は、下記のⅡ~Ⅳを実践して、食生活の見直しを行いましょう。
(1)症状が現れたら糖分を取る
角砂糖やチョコレート、ジュースでも良いので少し摂ります。これで症状が落ち着けば問題ありません。
(2)1日3食食べる
朝食を抜くことは、低血糖の原因になるだけでなく、昼食後の血糖値を急激に上昇させるため、糖尿病の原因になります。糖尿病は一度発症すると完治することはありません。
(3)栄養バランスの良い食事を摂る
血糖値の乱高下をゆるめるために、炭水化物の量を減らし、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養バランスの良い食事を摂りましょう。
(4)1日3食タンパク質を摂る
朝食はパンだけしか食べないという人は、朝食のメニューを工夫して、タンパク質も摂るようにしましょう。
今回のまとめ
1)正常な血糖値は70~120mg/dL
2)血糖値が低い3つの症状は自律神経症状、中枢神経症状、無自覚性低血糖
3)血糖値が低い原因は病気や薬剤によるものと食生活の乱れ
4)血糖値が低い時の対処法は症状が出たら糖分を摂り食生活の見直しをする