【医師が教える】やっぱりハゲは遺伝する? 母方の祖父が薄毛だとリスクが高まる理由
薄毛治療監修医師のご紹介
AGAヘアクリニック 院長 水島 豪太
2009年 日本大学医学部卒業。大学病院および市中病院で研鑽を積み、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)への留学を経て、2016年7月よりAGAヘアクリニックを開院。
今どんなに髪がフサフサであっても父親が薄毛の場合「自分も近い将来ハゲてしまうのでは……」と心配になってしまうことはありませんか? しかし父親が薄毛だったとしても、必ず自分もそうなるとは限りません。
今回のAGAタイムスでは、そもそも薄毛は親から遺伝するものなのか、遺伝したら将来は必ず薄毛になるのか、遺伝以外にも薄毛を招く原因があるのかなど、気になるポイントを解説していきます。薄毛と遺伝子の関係性について知りたい方はぜひチェックしてみてくださいね。
薄毛と遺伝の関係性
結論からいうと、薄毛と遺伝には深い関係があります。なかでもAGA(男性型脱毛症)と呼ばれる薄毛は、遺伝する確率が25%程度あるといわれています。つまり4人に1人が遺伝する確率になります。しかし“薄毛の可能性”が遺伝したところで、必ずしも薄毛になるわけではありません。また薄毛の原因が遺伝ではない可能性もあるのです。
AGAによる薄毛は、男性ホルモンの影響が大きいといわれています。メカニズムについて順を追ってご説明すると、まず男性ホルモンの一種であるテストステロンが、5αリダクターゼという変換酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)という物質に変化します。このDHTにはヘアサイクルの成長期を短くする因子を増加させる作用があるため、その影響でヘアサイクルの短期化が進みます。結果として、十分育ちきっていない短く細い毛が多くなり、抜け毛が増えていくのです。
テストステロンの分泌量はそれほど個人差がないのに対し、5αリダクターゼの分泌量は遺伝によって異なるといわれています。つまり遺伝で薄毛になる方は、5αリダクターゼの分泌量が影響している可能性があるということです。この5αリダクターゼが額の生え際やつむじ付近に多いことから、AGAになるとその周辺から薄毛になると考えられています。
薄毛の遺伝子は誰から受け継がれるのか
薄毛の遺伝子というのは、ひとつの遺伝子だけで決まるわけではありません。要因のひとつとして、X染色体の「アンドロゲンレセプター」という男性ホルモン受容体が存在します。このアンドロゲンレセプターとDHTの“くっつきやすさ”が、すなわち薄毛になりやすいか否かに繋がります。専門的な話になりますが、これは薄毛の遺伝子を持っているかどうかを知るうえで大切な内容です。
まず、人間は常染色体という誰でも持っている染色体とは別に、男性ならXY、女性ならXXという別々の染色体を持っています。これが、男女それぞれの性別を作り上げる遺伝子となります。
男性の場合X染色体は母親から、Y染色体は父親から受け継ぎます。一方で女性の場合はX染色体を両親からそれぞれ受け継ぎます。つまり男性が持つX染色体は母方の父と母、両方の遺伝情報を受け継いた染色体となるのです。女性はAGAを発症しないとされているため、母親の髪の状態だけでは薄毛の遺伝子を引き継いでいるかどうか判断できない場合もあります。しかし母方の祖父が薄毛であれば、母親を通じてその遺伝子を引き継いでいる可能性も十分に考えられます。
薄毛遺伝子を調べる方法
薄毛の遺伝子を持っているか心配な方は、一度病院で検査を受けてみても良いでしょう。検査の方法はとても簡単で、髪の毛や口の中の粘膜を採取して調べるだけ。これで薄毛になりやすい遺伝子を持っているか否かがわかります。
この検査はAGA治療専門のクリニックや病院などでおこなっています。近くに検査を実施している医療機関があるかどうか調べてみましょう。お近くに検査が受けられる病院がない場合や、検査に抵抗がある方には検査キットもおすすめです。ご自身で口の中の粘膜を採取して専門機関に送るだけなので自宅でもおこなえます。
薄毛の遺伝子を持っているかどうか分かれば将来の漠然とした不安も軽減されますし、もしも薄毛の素因が遺伝している場合でも早期にわかれば対策を講じることができます。ご興味のある方はぜひ検査を受けてみてくださいね!
遺伝以外の薄毛の原因
薄毛が両親から遺伝することは確かです。しかし薄毛になりやすい体質を受け継いだというだけで、必ずしも薄毛になるということではありません。また遺伝以外にも、薄毛になる原因は様々です。
例えば頭皮の清潔さを気にするあまり、一度に大量のシャンプーを使ったり何度もシャンプーで洗っていませんか? 頭皮の皮脂を落としすぎるとかえって頭皮のトラブルを招き、薄毛のリスクを高めることに繋がります。
また喫煙や過度な飲酒、偏った食生活や睡眠不足などの不摂生な生活習慣も薄毛の原因になる可能性があります。つまり心身ともに健康的な生活を送ることこそが、薄毛を予防するうえで非常に大切だということですね。
まとめ
母親や母方の両親が薄毛の傾向にあると、その遺伝子を引き継ぐ可能性はあります。しかしそれは100%ではありません。また薄毛はひとつの遺伝子によって決まるわけではありません。生活習慣や環境など様々な要因が考えられ、一概に遺伝が薄毛の原因とはいえないのです。
薄毛の遺伝子を持っているかどうかは簡単な検査で調べることができますので、心配な方は一度試してみましょう。薄毛の原因は様々ですので、今できる身近なところから対処していくことがおすすめです。
監修医師のご紹介
AGAヘアクリニック 院長 水島 豪太
2009年 日本大学医学部卒業。大学病院および市中病院で研鑽を積み、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)への留学を経て、2016年7月よりAGAヘアクリニックを開院。