炎症を起こしたニキビがある肌は敏感。皮脂を落とそうと、洗顔の回数をむやみに増やしたり、思春期の男の子がつかうような脱脂力が強い洗顔料を使う行為は、逆に肌にダメージを与えてしまいかねません。
患者さんでよく、頬骨の高い部分が乾燥してカサカサになったり、赤くデリケートになっている方がいます。この部分は比較的皮脂が少ないのに、つい念入りに洗い過ぎて、必要以上にうるおいが奪われてしまっているのです。
洗顔は、顔全体を濡らしてから洗顔料をよく泡立てて、きめ細かな泡で肌を包む様にやさしく洗うのがコツ。脂っぽくなりやすいTゾーンを中心に洗いましょう。泡立ちにくい場合は、泡立て用のネットやスポンジを使うと簡単です。
なじませた泡が汚れや皮脂を包み込んで肌からはがしとってくれるので、強くこする必要はありません。間違っても、乾いた顔に泡をのせたり、ゴシゴシ力を入れて縦に顔をこするような乱暴な洗い方をしないこと。強い刺激はニキビを悪化させる原因にもなります。ニキビのある肌はデリケート。乱暴で、無神経な扱いは厳禁です。
ファンデーションをつけている場合、夜はダブルクレンジングが基本となります。クレンジング料は、低刺激でかつ汚れを確実に落とすものを選びましょう。また、肌を強くこすってしまう可能性があるふきとりタイプではなく、洗い流すタイプを選ぶことも大事です。私は、メイクになじみやすく、洗い流しやすい、乳液状やオイルタイプのノンコメドジェニックのものをすすめています。
シャンプーは毛髪でなく頭皮を洗うのが基本
「刺激」」の節でもとりあげた髪の話です。
頭皮は顔とつながって、その延長線上にある皮膚です。顔の皮脂分泌が過剰なときは、当然、頭皮も脂っぽくなっています。生理前はいつもより、シャンプーしてもなかなか泡が立たないと感じたことがありませんか。「女性周期」の項で説明したように、黄体期は皮脂の分泌が増しているために、こうした状況が起こるのです。
頭皮の皮脂は毛髪を伝わり、分泌が過剰だと少しべったりした感じになります。毛先が触れるだけでも刺激を感じてニキビの原因になるのに、脂っぽい毛先が触れるのは最悪。ニキビ予防のために、ヘアケアの基本も再確認しておきましょう。
シャンプー剤は、毛髪でなく、頭皮につけて洗います。頭皮の皮脂や汚れを落とすことが第一の目的なのです。泡が自然に伝わるので、毛髪はこすらなくても汚れが落ちます。シャンプーを泡立ててからつけると、頭皮への刺激が少なくてすみます。
顔のTゾーンや胸元、背中など、脂っぽくなりやすい部分はすべてからだの中央。頭皮にもその傾向はあります。黄体期は特に念入りに、頭の中心にそって余分な皮脂を落としましょう。湯舟につかって温まり、ある程度毛穴が開いてからシャンプーすると、よりすっきり落とせます。
べたつく皮脂をすっきりとりさるメイク直し術
過剰な皮脂を出しっぱなしにしてほうっておくと、皮膚の表面や毛穴を刺激する過酸化脂質という油に変わってしまいます。また、オイリー肌やコンビネーション肌で、毛穴の目立つ部位や小鼻が赤くなっている人は特に、皮脂を出しっぱなしにしておくことはおすすめできません。
日中、メイク直しをするときには、油とり紙で押させているという人が多いはず。でも、できれば、もうひと手間加えてもらったほうが肌はすっきりリフレッシュします。
それは、清浄効果のある化粧水をひたしたコットンで油浮きの気になるTゾーンなどをいったんふきとり、保護クリームなどを薄くひとぬりした上から、パウダリーファンデーションやパウダーでおさえる方法。ファンデーションはもちろんノンコメドジェニックのものを選びましょう。
酸化した皮脂から肌を守るひとつの方法として、ニキビがあり、赤ら顔でもあるという患者さんにお教えして、喜ばれてきました。化粧ポーチに小びんに移し替えた化粧水とクリーム、コットンを入れて、さっそく持ち歩いてみてください。
エアコンで急増している「隠れ砂漠肌」
オフィス環境が肌に及ぼす害は、心因的なものだけでなく、外的にもあります。その最たるものがエアコンです。
特に、夏にはスーツ姿の男性の感覚に合わせ(夏にスーツ姿で仕事をこなさねばならない男性も気の毒ですが・・・・・・)、冷蔵庫並みの寒さになるオフィスも少なくなく、働く女性は冷え症に悩まされていることが多いようです。手足などの末梢の冷えは血行を悪くし、肩こりや肌荒れを引き起こします。
本来は、気温の上昇とともに皮脂腺の活動が活発になり、皮脂の分泌量が増えます。ところが、室内の気温が低いため、皮脂量は増えず、気温の低下とともに湿度も下がるため、肌の乾燥が進むのです。
角質細胞が乾燥して水分保持機能が低下すると、肌を下界の刺激から守ろうとするあまり、角質細胞が厚くなっていきます。こうなると、ますます毛穴がふさがれやすくなり、目づまりしやすくなってしまうのです。
スキンケアで十分に水分を補うこと、入浴でからだを温めて血行を促すことを心がけましょう。また、からだを芯から温める飲み物を飲むのも効果的。私が気にいっているのは、市販のしょうが湯の素をホットミルクに溶かした「しょうがミルク」や、インド式のスパイシーなミルクティー「チャイ」です。
ちなみにチャイはシナモン、カルダモン、ナツメグ、クローブ、しょうがなどのスパイスをミルクで煮出したお茶ですが、最近はこれらの粉末をミックスしたティーバッグが売られているので、簡単に作れます。
夏でも冬でも、エアコンを効かせ過ぎて室内外の気温差が大きくなると、その差が肌には負担となります。ニキビがあるのにカサカサ肌などという二重苦を背負わないように、くれぐれも注意を。