栄養・生化学辞典の解説
世界大百科事典 第2版の解説
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大辞林 第三版の解説
ふくじんひしつホルモン【副腎皮質ホルモン】
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
副腎皮質ホルモン
ふくじんひしつほるもん
副腎皮質は外側より球状層、束(そく)状層および網(もう)状層の3層から構成されている。球状層では鉱質コルチコイドの1種であるアルドステロンが産生される。アルドステロンは腎臓の遠位尿細管に作用してナトリウムの再吸収およびカリウムと水素イオンの分泌を促進する。束状層からは主として糖質コルチコイドの1種であるコルチゾール(ヒドロコルチゾン)というホルモンが分泌される。コルチゾールは脂肪の分解や骨格筋におけるタンパク質の分解を促進する。その他、コルチゾールは肝臓におけるグリコーゲンの合成を亢進(こうしん)させ、免疫系を抑制し、骨形成の抑制と骨吸収の促進、さらには鉱質コルチコイド様活性などのさまざまな機能を有している。網状層からはおもに副腎アンドロゲンとよばれる雄性(男性)ホルモンが分泌される。
コルチゾールや副腎性アンドロゲンの分泌は主として脳下垂体前葉から分泌される副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)によって調節されている。一方、アルドステロンの分泌は主としてレニン‐アンギオテンシン系により調節される。レニンは腎臓の傍(ぼう)糸球体細胞で産生される酵素であり、血中でアンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンに分解する。アンギオテンシンはさらに肺循環中にアンギオテンシンへと分解され、それが副腎に作用してアルドステロンが分泌される。
副腎皮質ホルモンの分泌異常症としては、アルドステロンの分泌亢進により高血圧および低カリウム血症がおこる原発性アルドステロン症、コルチゾールの過剰により肥満、高血圧、筋萎縮(いしゅく)、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や耐糖能障害などをきたすクッシング症候群、およびコルチゾールやアルドステロンの欠乏により、脱力、体重減少、食欲不振、低血圧などをきたすアジソン病などがある。
ステロイドホルモンは脂溶性のリガンド(情報伝達物質)であり、血液中では結合タンパク質と結合して存在するが、遊離型となって標的細胞内に入り、受容体と結合して核内へ移行する。ステロイドー受容体の複合体は標的遺伝子上の糖質コルチコイド応答配列あるいは鉱質コルチコイド応答配列に結合し、遺伝子発現を制御する。ステロイドホルモンは他のホルモンと比べ、その受容体が非常に多くの組織に存在するため、ステロイド薬は広範囲の疾患に有効である反面、副作用も広範囲におきる。[小泉惠子]
世界大百科事典内の副腎皮質ホルモンの言及
【アルドステロン】より
…副腎皮質ホルモンの一つ。副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンには,ナトリウムイオンNa+,カリウムイオンK+および水分代謝作用の強い鉱質コルチコイドと,糖代謝等に対する作用の強い糖質コルチコイドの2種類がある。…
【ACTH】より
…脳下垂体前葉から分泌されるペプチドホルモンの一つ。副腎皮質に働いて副腎皮質ホルモンの生合成と分泌を促す作用をもつ。39個のアミノ酸からなり,分子量約4500。…
【ホルモン】より
…それらの機能についてはまだわかっていないので,これらの物質をホルモンといえるかどうかわからない。(8)副腎皮質ホルモン 副腎のステロイド生産組織から分泌されるステロイドホルモンで,糖質コルチコイドとしては,哺乳類では主としてコルチゾルでコルチコステロンもいくらか分泌する。ネズミとウサギは主としてコルチコステロンを分泌する。…
【ホルモン剤】より
…大量の薬用量での薬理的効果の利用である。また副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド)も,臨床的に抗炎症剤として最も広範囲に使われているが,これも生体内の分泌量ではその治療効果は期待できない。糖質コルチコイド本来の作用を抑え,抗炎症作用が相対的に著しく高くなるような合成誘導体が種々開発されていることは,薬理作用を積極的に利用しようとする結果である。…
※「副腎皮質ホルモン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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